キッド・ピストルズの冒讀: パンク=マザーグースの事件簿 (創元推理文庫 M や 1-2)
- 東京創元社 (1997年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488416027
感想・レビュー・書評
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パンク族の怜悧で陰鬱な冥府神とも言うべきキッド・ピストルズと悪戯好きのニンフ、ピンク・ベラドンナが関わった四つの事件記録をまとめた第一短編集。そのどれにも英国の古い伝承童謡〈マザーグース〉の一節が、あたかもライトモティーフの如く不気味に谺していた! 世界初の試みと思われるマザーグース・ミステリ連作シリーズ第一弾。
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新規購入ではなく、積読状態だったもの。
購入詳細不明。
2012/11/7~11/9
15年ものの積読本。購入当時、デビュー直後の気鋭の作家ということで購入したが、何故か触手が伸びず積まれていた。マザーグースに題材を取った連作ミステリ。好みが非常に分かれる作品だと思う。私は残念ながら合わなかった。なかなか手が伸びなかった直感は当たっていたようだ。 -
パラレル・ワールドの英国を舞台に、パンク探偵の活躍を描く
山口雅也の華麗な世界 -
この作家は長編よりも短編のほうが合っていると思う。決して文章が巧いという意味ではなく、“本格ミステリのツボ”の押さえ方が短編向きのように思うだけ。ミステリ作家というのはミステリ・マニアでもある。それが作品に顕著に表れる作家とそうでない作家がいる。山口氏の場合は完全に後者だ。「パラレル・ワールド」という特異な世界、マザーグースをベースにしたストーリー、これらはミステリ・マニアの“ご都合主義”のように映ってあまり好きにはなれない。しかし、細かい伏線を丁寧に拾い上げるラストはマニアらしい気配り(?)を感じさせ、綿密なプロットが浮かび上がるさまに好印象をもって読了した。
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奇想礼讃。しかしつくりは誠実、キッドも誠実。殆ど冒涜してません。
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味わいは豊か。冒涜感溢れる冒険譚。
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探偵士と呼ばれる人々が犯罪捜査において主導権を持っているというパラレルワールドで活躍する。パンク刑事キッド・ピストルズの活躍を描いたお話しなのである。設定も面白いが、マザーグースが事件のペースになっているというところもまた……。
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このミスベスト10、1993年版8位。本格ミステリー。マザーグースの唄に見たてた犯罪が起こるやつの短編連作集。見立てものってのは結構難易度高く、短編連作集は世界でも類をみないようです。本格ものって、いつも何が起こってるのか把握できないまま読み進めてるうちに謎解きになって、なるほどそんな事件が起こってたのねってのが多い。これもそんな感じ。