タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 825
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488427047

感想・レビュー・書評

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  • 満足感でいっぱいの読書でした。

    まるでこちらのお腹までいっぱいになるような料理の描写にシェフの名推理が最高のスパイスになって、最後のデザートまで堪能させていただきました。

    ごちそうさまでしたm(__)m

  • 「サクリファイス」シリーズ以外では著者の作品は読んだことがありませんでした。

    サクリファイスを読んだ時に、著者は自転車レースのことを全く知らなかったという事実、その中での描写の上手さに驚かされました。

    本作は小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」を舞台とした心温まる物語。

    そこにはフランス料理の芳醇な香りや、オープンキッチンの様子がリアルに描かれていました。

    本当に文字で表現にするのが上手い作家さんだなぁと改めて感じ、そこに大好きなミステリーの要素までプラスされているとなれば「ご馳走様でした」「とっても美味しかったです」って感じです。

    ちょっと変わった三舟シェフが作る家庭的な温もりのある料理と鋭い観察眼から解き明かす謎。

    そんなシェフを支えるのはスー(サブ)シェフの志村と元OLのソムリエ金子、そして語り部的な存在のホール係の高築。

    あとがきにて「ヴァン・ショーをあなたに」という続編があることを知り、タルトタタンの夢がこれからも続いていくことを何よりも嬉しく思いました。

    説明
    内容紹介
    商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか? 絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ! 解説=三橋暁

    【目次】「タルト・タタンの夢」
    「ロニョン・ド・ヴォーの決意」
    「ガレット・デ・ロワの秘密」
    「オッソ・イラティをめぐる不和」
    「理不尽な酔っぱらい」 「ぬけがらのカスレ」 「割り切れないチョコレート」
    内容(「BOOK」データベースより)
    商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当のフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは?フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?絶品料理の数々と極上のミステリ。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    近藤/史恵
    1969年大阪市生まれ。大阪芸術大学文藝科卒業。1993年、『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。2008年に『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 著者の11作目にしてやっと、ずっと題名だけは知っていていつか読みたいと思っていた本作を読んだ。

    私はフランス料理とワインの組み合わせだと大抵、お腹を下すか上から戻すかの状態になってしまうのだが、「ビストロ・パ・マル」の料理ならなんとなく大丈夫そうな気がするし、三船シェフなら私のこの惨状の原因を解き明かしてくれそうな気がする。

    「オッソ・イラティ」の「奥さんの話を聞いていない夫と、そのことで無力感に襲われている妻」というのは我が家と同じなので、ものすごく共感した。

    あと関係ないけど、我が家のガラスコップは本書に頻繁に出てくる「デュラレックス」で、30年近く使っているが、丈夫なので(何度落としても)1個も割れていない。

  • 感想
    チーズに食べ頃があるなんて、トリビアだな。

    ヴァン・ショー。ホットワインがキーワード。

    作品がツールドフランスやフランス料理と作者はフランス好きなのか?

    あらすじ
    小さな家庭料理のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルは三舟シェフと4人が働いている。三舟シェフは長髪と髭の武士スタイル。お客が巻き込まれる些細な事件をシェフが解決していく。

  • フレンチって敷居が高そうなイメージがありますけど、こうゆうお店なら行ってみたい!
    そして出てくる料理がどれも美味しそうです。
    「割り切れないチョコレート」が特に好きです。

    「これは、あなた方のお母さんのような人たちのためなんだって」

  • 美味しい話だなぁ。ドラマに採用された話多。ドラマも良かったなぁ

  • さくさくと読めるけど、ひとつずつ丁寧に作られた短編集。
    ビストロ、パ・マルで働くひとりひとりにも焦点が当てられ、その背景にある人間臭さがフレンチの中にある田舎を感じさせて、作中のフランス郷土料理を彷彿とさせる。
    全体的な調和と作品の味わい深さを感じる。
    難点は、読んでてとてもお腹が空くときがある。

    • N.オリゼーさん
      分かります。夜読んでいてお腹空いてきちゃいました(^o^;)
      分かります。夜読んでいてお腹空いてきちゃいました(^o^;)
      2020/12/31
  • トリックが分かったからといって感情がついていかずすっきりしないミステリーよりも、
    こういうほっこりする謎解きの方が響くなぁと感じました。

    割り切れないチョコレート、ガレット・デ・ロワの秘密、好きなお話でした!

    句読点がやたら多くて気になる。

  • 『サクリファイス』の近藤さんによる、連作短編、
    舞台は気取らないフランス料理店と、なんともお腹のすく一冊。

    メニューは全部で7品、“タルト・タタン”から始まり、
    “ロニョン・ド・ヴォー”、“ガレット・デ・ロワ”、“カスレ”など。

    正直あまりフランス料理にはなじみがなかったのですが、
    読み進めるうちに料理と、それにあうワインを知ることができます。

    もちろん、空腹と共に。。

    リストランテというよりは、ビストロといった感じで、
    店の名前からして“パ・マル”、フランス語で「悪くない」と、

    ちょっと人を喰った感じでもある、このお店。
    それだけに身近に感じる料理(とワイン)が、美味しそうで。

    そして、そんな料理と共に提供されるのは、
    日常のちょっとしたミステリーと、その謎解き。

    どこか北森さんの「香菜里屋シリーズ」や『居酒屋ぼったくり』を、
    思いだしながら、さらっと読めてしまいました、、空腹時は危険です。

    個人的には、このお店の“ヴァン・ショー”を是非飲んでみたいなと、、
    ん、第2弾も出ているとのことで、文庫に落ちてくるのが待ち遠しいです。

  • 祝文庫化!

    東京創元社のPR
    「ビストロ・パ・マルへようこそ。絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ! 客たちの巻き込まれた不思議な事件や不可解な出来事。その謎を解くのは、シェフ三舟。傑作連作短編集。」
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488012281

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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