- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488443122
感想・レビュー・書評
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水族館で起こった殺人事件に裏染天馬が挑む!
実際にこの現場に居合わせたら寝込んでしまいそう…2度と水族館には行けないわ…。
シリーズ1作目と同様、ミステリ良し、キャラ立ちよしとまた読みたくなる本でした。
卓球の試合シーンはいらない気がするけど、今後関わってくるキャラなのだと思い、とりあえず。
今回は天馬のプライベートのところに踏み入った場面もあったので今後に期待。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
惚れ惚れした……
犯人の殺人計画や、犯行当時の行動はもちろん、犯行の際、起こったアクシデントにそれへの対処と、犯行現場と犯人の行動を完全再現する推理とロジックには。
作品から感じるのは、青崎さんの本格ミステリへのこだわりです。11人いる容疑者には、事件が起こった段階では全員にアリバイがあります。
しかし、このミステリの面白いところは、そのアリバイトリックを中盤で解き明かしてしまうところ。これで、話を引っ張ると思っていたので、そこでまず意表を突かれます。
そして、そのことに関連して「この人ガチの本格ミステリ作家だな……」と思ったところがあります。
そのアリバイトリックが解明されても、容疑者が一人も減らないのです。本来ならアリバイトリックで最後まで引っ張って、
トリック解明=犯人指摘に持って行ってもいいと思うのですが、青崎さんはそこからさらに推理とロジックを展開させるのです。
何というか、こだわりのラーメンを作る店主のような、青崎さんの本格ミステリへのこだわりが見えるような気がします。
アリバイトリックすらもロジックと推理の材料に組み込むのもすごいのですが、こちらが考えもしなかった可能性を、前もって探偵の調査の段階で潰すのも、青崎さんの気概の表れのような気がします。
読者がミスリードしそうなものを前もって潰し、そしていよいよたどり着く””読者への挑戦状”。これは余計なものを一切排除した、本当の真っ向勝負ではないでしょうか。
そうした本格ミステリとしても面白さはもちろんなのですが、『体育館の殺人』に続くシリーズ二作目ということで、キャラクターたちにも徐々に、個性や背景がついてきたことも、注目ポイントです。
この作品の探偵役である裏染天馬は、学校に住んでいます。『体育館の殺人』を読んだときは「キャラづけでそういうことにしてるのかなあ」などと思ってたのですが、その辺も何か裏がありそうな気配。
さらに天馬と曰くありげな他校のキャラも登場し、ますますこんがらがってきそう。
でも、今回の作品で一番頑張ったキャラクターは、図らずしも天馬の助手役となってしまっている、袴田柚乃ちゃんだと思います。
卓球部の試合でボコボコにされたあと、刑事である兄の命令で天馬を引っ張り出すだけに留まらず、時にお色気(?)も担当し、
トリックの実験のため水着に着替えさせられ、体重をばらされたあげく、15回プールに突き落とされる……。この作品で一気に彼女のファンになった気がします(笑)
そういうことがあったから、イルカショーでキャー、キャー騒いでる彼女の姿が、なんだかめちゃくちゃ愛おしく感じたりもしてしまいます。
本格ミステリとしての次回作への期待はもちろんなのですが、柚乃の活躍にそれ以上の期待をしている自分がいます(笑) -
シリーズ2作目とてもおもしろかったです!!
1作目より登場人物も深く描かれていて描写も良く作品の世界に入り込めました
スラスラ読めるのに論理的な推理が楽しめる素晴らしい作品でした
天馬くんの過去気になる…
青崎先生の作品読破したいです -
一度決まりかけた推理が破綻しても、
そこから再び論理を展開していく様は気持ちいいです。
ただ、影が薄い登場人物もいたため、11人も必要か!?と感じてしまいました。 -
前作より格段に向上。推理のキレも、キャラ立ちも大したもの。もはやラノベ臭いなどと侮れなくなってきた。続刊も必読。
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推理もキャラクターの描き方も、よかった!
ドラマなどを見ていて、犯人を決めつけていたり、探偵に都合良すぎる展開だったり、論理が飛躍しすぎていたりするミステリーが多くて辟易していたが、そんなところが一切なかった。「平成のエラリークイーン」というのもうなずける。 -
81点:「・・・・・・まだやるんですか」
「当たり前だ、平均値が取れるまで何回でもやる」
主人公の裏染がでてくるまでが長すぎで、登場シーンまで付き合えるかどうかで評価はかわる。裏染が登場してからは新キャラや前作のキャラも出てきてわいわいした感じで一気に楽しくなる。シリーズを繋ぐ謎もでてきて、次のシリーズも楽しみになるけど、主人公早く出してもっとコンパクトにしてもらうととっかかりやすい。 -
軽めのミステリーが読みたい気分なので、とても良い。小中学生の頃に愛読していたエラリー・クイーンシリーズを確かに彷彿とさせる。