切れない糸 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M さ 3-4)
- 東京創元社 (2009年7月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488457044
感想・レビュー・書評
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思いがけず商店街のクリーニング屋さんを継ぐことになった、大学生の新井和也クン。その周囲には、新井クリーニング店のアイロン職人シゲさん、母親、3人のパートのおばちゃん(その一人、梅本さんは「和菓子のアン」ちゃんの母親)、喫茶店ロッキーで働く沢田くん、幼なじみの糸村麻由子(不動産屋の娘)など、商店街の面々が。忘れないようにここに書いておきたい、愛すべき商店街の人たち。
クリーニング屋は個人情報が集まってくる、そこから謎が生まれる。その個人情報を、その人のためだけに使う優しさ、と解説にあるとおり、主に沢田君の推理で解決していく、人情あふれる商店街のお話。
文庫本解説の大矢博子さんがおっしゃるとおり、続編あってもいいですよね。まだまだ読みたい商店街物語です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
和菓子のアンが面白かったので、借りてみた。
和菓子のアンちゃんが住んでいる商店街のクリーニング屋さん(アンちゃんのお母さんのパート先)のお話。
クリーニングの工程なんて考えたことなかったけど、面白い。
沢田の印象の方が強いせいか、主人公の印象薄い気がする。
何で主人公のところにわけありな人が集まってくるのか、もう少し丁寧に描いてほしかった、、、
(図書館) -
就職先も決まらず将来が見えない最中、父親の突然の死によって、家業のクリーニング屋で働くことになった和也。
アルバイト気分で始めた仕事を通じて、様々な人のもつ痛みを友達の沢田と共に解決しながら、人と人の切っても切れない繋がりを味わって、成長していく。
相変わらず、この人の話は、誰をも優しく包み込むなあ。悪い人なんていなくて、誰もが抱えてる痛みを優しく解きほぐしていく。見方を変えれば、世界はいつでも優しいんじゃないかと思えてくる。きれいごとかも知れないけど、キレイなほうがいい。救いに溢れた物語。 -
商店街のクリーニング店が舞台。主人公の友人・沢田が探偵役になり次々と起こる事件(?)を解決していく。坂木氏の作品は温かく、優しい。ジャンルはミステリーなんだろうけど、眉根を寄せるような展開にはならないのがいい。また、漫画にでもなりそうな強烈で愛すべきキャラクターが何人も出てくるのも素晴らしい。「和菓子のアン」のようにその道の職人に魅力があるのも、職人好きの私にとって今回も楽しめる内容だった。主人公と一緒に商店街を歩いている感覚、ロッキーでお茶を飲みたいという感覚が自然と湧き上がってくる素敵な本だった。
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ほんわかしました~。
なんだろう。坂木氏の小説の題名って、ぱっと見て読んだだけじゃ内容までピンとくることは少ないですよね。
(5分で集中力がアップする方法、君が教えてくれたこと、等とは違うという意味)
これまでに読んだ『ひきこもり探偵シリーズ』然りですが、こう、読み終わった後に、気持ちがタイトルに戻ってくる感じが、そこがいいなぁって思います。
伝わるかな。
本って、やっぱり最初に題名を見ますよね。そこから何かしら感じとるものがあるんですよ。
個々人で感じとるものは様々ですが、自分なりのイメージを抱きつつ文章に進んでいると思うんです。
そうして最後まで読み進めていって、本をぱたんと閉じる。
表紙を見る。タイトルを読む。
「・・・あぁ、『切れない糸』か・・。」
ここまでいって、“読んだ”って気持ちになるんですよね。
自分のなかで「切れない糸」という物語が完結して、自分のなかに取り込まれた感じがするんです、私は。
いろんな題名の本を読んでいますが、この作品はそれを一番強く感じました。
いいなぁ。絶対に糸の切れない凧になってみたいなぁ。いいなぁ。 -
突然、家業のクリーニング店を継ぐことになった主人公、
喫茶店でバイトをしている友人と、よろず相談を引き受けてしまいます。
毎回持ち込まれる「やっかいごと」、問題を解決していく2人&周りの人達が人間くさくて良いです。
ミステリーのはずなんだけど、ホロッとする場面もあり・・続編が読みたくなりました。
あるのかな?!