まもなく電車が出現します (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 985
感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488473044

感想・レビュー・書評

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  • “「みんなで一緒に嘘をついたとか」
    「それ言いだしたらきりがないすよ。だいたい、それだったらもっと楽な嘘つけるじゃないすか。鍵は閉め忘れて帰ったとか、六時過ぎに怪しいやつがいたとか」
    そんなに多くの人が共謀するほど嫌われ者なのか僕は。「人に手伝ってもらうような事件じゃない気がするけど」
    「俺もそう思う」壁面を後頭部でこつりと叩いてミノがぼやく。「でもそれだと犯人がいねえんだよなあ。不可能犯罪になっちまうぜ」
    ミノは酸欠の魚のように口を開けて上を向いた。柳瀬さんも口をへの字に結んで空を見る。僕も真似をして見上げた。上空では風が出てきたようで、流れてきた雲が太陽を隠した。”[P.128_頭上の惨劇にご注意ください]

    「今日から彼氏」が一番面白かった……。
    なんとなく裏がありそうだなぁ別れそうだなぁと思いながら読んでた(ひどい)。
    小麦色は好きじゃないと言われてなんとなく安心しているところとか、彼氏としていろいろと頑張った葉山君が最後に柳瀬さんにとった行動とか良かったな。
    探偵役としてもじわじわ成長してきてる感じがたまらない。

    “悩んだ末、僕は「やらずに後悔するよりは、やって後悔した方がましだ」というどこかで聞いたような言葉を口にしてメールを送った。何を書いてよいかさっぱり分からなかったので、せっかくアドレスを聞いたから特に用件はないのだけどメールを送ってみたかった、とそのままを書いた。それ以外には書きようがなかった。携帯の画面を見たまま待っていると、すぐに返信があった。この短時間でよくこれほど、というほどの長文の上、顔文字やら絵文字やらが満開のメールであり、文面からどうやら彼女はメールをもらって嬉しいらしい、ということが分かった。僕は拳を握って「I made it!<やった>」となぜか英語で叫んだ。
    大急ぎで再返信のメールを打ちながら、それにしてもメール一つ送るだけでこの気苦労となると、彼氏というものは随分大変なのだな、と思った。”[P.195_今日から彼氏]

  • 300307634  B913.6-ニタ

  • 依子さんスピンオフに期待。

  • 図書館にて借りる。ていうか早くくっついちゃえばいいのに。

  • ちょっとした発想で判明しそうなトリックなのに、
    結構大がかりな話になるとこがよかったです。

    この主人公は誘惑されやすいですが、いつ本妻が出てくるんだろうと思いながら読むのも楽しかったです。
    今回はどう落としどころを付けるのかさっぱりわからなかったけど、最後はすっきりでした。

  • 葉山君シリーズ。日常の謎っぽい短編5話。葉山君に彼女が?!と思ったら…。相変わらずの活躍の伊神さん。

  • 131009
    伊神さんが好きすぎる。
    今日から彼氏、の甘々展開は恥ずかしくて悶えてしまう。
    「I made it!」
    に吹いてしまった。

  • コミカル学園ミステリー
    2作目

    葉山くんに彼女ができます

    伊神さんは卒業したし
    穏便な学生生活に戻ると思ったら
    ちょっとしたことも事件になってるし
    伊神さんも出没するし
    賑やかで楽しいです

  • 「理由あって冬に出る」から続くシリーズ3作目。
    今回は短編集。
    最後はちょっとラブコメ風。
    このシリーズって「小市民シリーズ」みたいな愛称はないのかな?

  • 葉山君の苦労人っぷりがわかる短編集。同じ学園ミステリーということで、サンドリヨンシリーズ(相沢沙呼)や古典部シリーズ(米澤穂信)と比べちゃいますが、周りの人物の濃さから考えて一番苦労してるのは葉山君じゃないですかね。伊神さんに頼らずとも、人の行いの異変に気づいたのはさすが。
    事件の裏にはやっぱり葉山!

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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