まもなく電車が出現します (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488473044

感想・レビュー・書評

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  • 『理由あって冬に出る』、『さよならの次にくる〈卒業式編〉』&『さよならの次にくる〈新学期編〉』に続くシリーズ第3作が約1年10ヶ月ぶりに登場。

    いわゆる日常の謎系な学園ミステリということで提示される謎自体はささやかではあるんだけど、そこはそれ丁寧に組み立てられたプロットと魅力的なキャラ造形、そしてユーモアたっぷりの語り口で読ませてくれます。

    ちなみに今回は五篇の短編が収められてるんだけどフェイヴァリットはやはりというかラストの「今日から彼氏」(タイトルの元ネタは作者曰く西森博之からとの事)。

    あいかわらず良い感じではあるんだけどちょっとラブが足りなくね?と思っていたところにおいて最後の最後にこの短編を持ってくるあたりが心憎いというか何というか。

    お話的にはなんといっても途中はどうなる事かと思わせておいてのプチどんでん返しなにやにやエンディングがいやもう実に最高だったなあと。

    とまあ個人的には大満足だった今回だけど、問題は次作がいつになるかという事。

    ま、さすがに今回ほどには待たされないだろうとはいえあんま多くを期待はしない方がいいんだろうなあ…。

  • 短編集

    そして解決は相変わらずの伊神さん

  • 短編集。前作と時系列は前後してる。段々葉山くんも成長してきたかな。

  • 葉山君はいつになったら自分で謎を解決できるようになるのかなぁ。いいところまではいくけど伊神さんに持っていかれるパターンが続くのか?(笑)

  • 学園ミステリ短編集。どのキャラクタも相変わらず。

    ・まもなく電車が出現します
    鉄研と映研の領地争いに巻き込まれる葉山君。開かずの間に突如現れる鉄道模型の謎を解く表題作。

    ・シチュー皿の底は並行宇宙に繋がるか?
    調理実習でミノのシチューだけジャガイモが入ってなかった理由を探る話。ミノは小賢しいけど、割といいやつだよ。

    ・頭上の惨劇にご注意ください
    植木鉢が落とされた動機と犯人を探す話。
    柳瀬さんとミノの捜査力はすごいけど、伊神さんの推理力の前では霞むね。

    ・嫁と竜のどちらをとるか?
    プラモデルの値段を当てる話。葉山君もだいぶ成長した。

    ・今日から彼氏
    葉山君に彼女(入谷菜々香)ができる話。
    デートやメールなど、その悩みには非常に共感できる。
    それにしても、妹の名前、亜理紗っていうのか。可愛いな。

  • 20120413

    まもなく電車が出現します
     美術部の葉山君は鉄道研究会と映像研究会の領有権争いに巻き込まれたよ
    シチュー皿の底は並行宇宙に繋がるか?
     調理実習でシチューを作ったんだけど三野君が不審な行動をしてたよ
    頭上の惨劇にご注意ください
     葉山君と柳瀬さんが猫を追いかけていたら上から鉢が落ちて来たよ
    嫁と竜のどちらをとるか?
     柳瀬さんの従妹の夫が買ったプレミア玩具がいくらなのか考えたよ
    今日から彼氏
     葉山君に初彼女ができてわりと頑張ったよ


    「事件男」と自認した苦労性葉山君の短編集。
    伊神さんをどうやって出すんだろうと思ったら
    かまってちゃんのように現れて面白かったです。
    時系列が伊神さんでわかるね。受験生→大学生。
    前作のさよなら〜の前から後。

    秋野さんも好きなんですがほとんど出てこなかったな。
    五本目は、葉山君成長物語でした。
    もうちょっと柳瀬さんに葉山君を構ってもらっていたかったけど
    また関係は変わるのかしらと思いました。

    あとがき読んで、改めて英語のタイトルみてみました。
    Do Caterpillars Dream of Butterfly?
    なんとなく不思議の国のアリスと電気羊が頭に浮かびます。

  • 葉山君シリーズ第3段。

  •  5つ収録の短篇集。なんだかんだ言っても青春恋愛モノが好きなのかなァ自分は・・・と五つ目の短編を読みながら感じた。夏、花火。今までの中で一番好きかも。
     蛹と蝶の話が書かれているように、主人公”葉山”の成長について触れられている。終盤の彼が選択した追いかけないという選択は、彼なりの相手を思う感情が伝わってきて素敵だった。是非を問うつもりは一切ない。

     彼女役が今後どうなるかは分からない。”葉山”がどん底に叩き付けられてその後立ち上がり歩き始めた状態とするなら、彼女役はまさに叩き付けられた直後の状態だろう。p271「こころもち歩みが遅いように見える」が"葉山"の幻想でないとするなら、一人で帰るという言葉は真意のモノではないかも知れない。
     にしたって、これでそのまま壊れていく青春小説など書かれてたまるかとも思いたいが、"度会"さん(だったと思う)の末路を前作で読んだ限りでは、著者は脇役に容赦がない人の気もする。蛹のまま羽化できず死ぬ確率50%っていう記述がとても恐ろしい。そんなオチじゃ無い事を祈って止まない。

  • 正統派学園ミステリ。

    前回伊神さんが卒業したので、シリーズ完結と思ってたのですが続きあったんですね。

    短編集。
    部室争奪戦から始まり、葉山くんに彼女が!?というところまで。

    伊神さんは卒業しても謎を求めて顔を出してくれます。

    それにしてもメインキャラで、しかも探偵約なのに一度も表紙を飾れないのがかわいそうな感じです。

  • はじめての作家さん。学園ミステリーといえばいいのかな?短編集でとても読みやすかったし、割と面白かった。これが最初ではなさそうなので、機会があったら、別のも読んでみたい。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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