ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1)) (創元推理文庫 523-1)
- 東京創元社 (1974年12月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488523015
感想・レビュー・書評
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再読。
定期的に読み返したくなる古典。
毎回、読むたびに映像を頭に浮かべようとするが難しい。
かといって難解か?というとそうでもないという奇妙な味わい。
ラブクラフト作品はシチュエーション、雰囲気を楽しんでいる。それだけで満足です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・インスマウスの影
インスマウス面という描写が印象的。町から逃げ出すところが一番ハラハラした。この本中で一番面白かった。
・壁のなかの鼠
不思議な寺院の話。厄介な人格が出てきたのか、何かに憑依されたのか。
・死体安置所にて
足を切って棺桶に入れてた葬儀屋が死者に足を食われる話。あんまり不思議さはない。
・闇に囁くもの
宇宙人の存在をほのめかす人物と手紙のやりとり。文章は長いものの、目立った展開がなく、最後まで静的な印象。結局何も起きてないと言うこともできる。 -
文体がとっつきづらく読みづらい。呪われた家系って設定が好きなのかな。元ネタとしてもう少し読んでみる予定。
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2016年10月8日
インスマウスの影
壁の中の鼠
死体安置所にて
闇に囁くもの -
アーカムから一日往復一便、バスが向かうインスマスの街は古色蒼然に荒れ果てた奇妙な街だった。街の噂を聞きつけて、貧乏旅の途中主人公はインスマスに向かうことにする。一体この街はどういった街なのか? 面妖な住人達が跋扈する中、主人公は恐怖の夜を迎える。(インスマスの影)
言い回しは少しく長いがくどくはなく、ねっとりとした恐怖の描写とは対照的に街区の描写は要点を押さえている辺りが好印象。 -
小林泰三さんの著書「玩具修理者」の解説を読んでから“クトゥルー神話”とは何ぞや?と思い、手に取りました!知的好奇心ならぬ知的恐怖心とでも云いましょうか。考えれば考える程、恐怖心が掻き立てられる作品群。でも、やはり翻訳モノだから今一つ読みにくい・・良かったのは『闇に蠢くもの』かなぁ^^
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あら、あれもこれも映画化されてるのね、ってのが彼の作品は結構ありまして、しかもグロ系に多かったりしてね…確かに妙な化けもん登場ってのが多いですから、ホラーのヒントには打ってつけなのかもしれません。とはいえ小説としての彼の作品は、その実体が顕になりそうで、でも主人公が失神したりしてあれからどうなったかは知らん、だったりする、夢現なところが魅力なんじゃないかと思います。著者名をそのまま使ってたアメリカのバンドもありましたね。すげー古いですけど。
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コズミックホラーの生みの親ラヴクラフト大先生の全集。生前に売れなかった理由が分からないんだが、多分文才はあっても商才はなかったとかその辺なんだろう。
とにかく読ませる文章を書かせたらこの人の右に出る人はいないと思う。私が中学生のときに読んでから今に至るまで、主に文体について影響を受けている作家の一人。もちろん私は先生の足元にも及ばないのですが。 -
有名になると、原典にあたらずして読んだ気になっちゃうものって結構あるわけで、私にとっての最右翼がこれ。先に「うちのメイドは不定形」とか変なの読んでたり。このままでは読まないまま死んでしまいそうだったので、心して読んでみました。ほらー、ナイアーラトテップじゃなくてニャルラトホテプなんですよ。でも、アザトホートだったり、アブドル・アルハズレッドだったり。後者の表記はさすがにそれじゃアラブ人名に見えないと思うのは、たぶん、70年代よりもずっと世界が狭くなった現代に生きてるからなんだろうけれどね。記名法におけるリアリズムというか。で、こまったことに、いろいろ聞き及んでいるので、これがホラーだったと言われても、直接に自分の感覚として怖くないんです。それこそ、第三者的に、読者にとって怖いかな?どうかな?みたいな感覚で接するはめになってしまった。そういうのは、損失なのかもですね。でも、たとえば古典なんか全部そうだし、しょうがないか。
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創元版全集の第1巻。
何度目かの再読になるが、いつ読んでも、何度読んでも面白い。何年かに1回は読み返したくなるのは、矢張り面白いからだろう。でも、ラヴクラフトって、面白い、上手い、とは思うが、怖いとはあんまり思わないんだよなぁ……。