ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫) (創元推理文庫 663-2)
- 東京創元社 (1981年7月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488663025
感想・レビュー・書評
-
前作「星を継ぐもの」の続編小説です。前作で提示された謎を解くと、新たな謎が生まれる、なかなか楽しい筋立てになっています。当然、更に続きがあるそうです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作からの見事のつながり。
前作ほどの面白さはないが、それでも十分に面白い。謎が徐々に解き明かされていくのがよい。 -
「星を継ぐもの」で登場した巨人ガメニアンと5万年前に死亡したチャーリー。火星と木星の間にあったミネルバという惑星からガメニアンは旅立ったとされた。その後の調査を続ける地球チームだが、ある日その巨人たちが宇宙船に乗って地球にやってきた。争う事が遺伝子に組み込まれていないガメニアンと地球人、その考え方の違いがとても感慨深い。
-
『星を継ぐ者』の続編。面白さは少し薄まったか。
-
巨人はどこまでも冷静で、優しく、争いを避けた。人間と違って。今の人間は?
★本の概要・感想
ハードSF小説の傑作。まごうことなき「科学フィクション」なのである。科学、つまり新しい真実や定説が、読み進めるほど連続的に浮かびあがるのが本書の面白さだ。前作ほどの求心力を持つ謎の提示はないが、作者が提示する世界観が魅力的である。まず異星人。ガニメデで出会う巨人たちの描写の実在感がすごい。人間と違って争いを本能的に避ける彼らから見た、人間批評も面白い。生存競争が常に繰り広げられる地球は「悪夢の惑星」だという。そして未来のテクノロジー。巨人たちの開発した人工知能「ゾラック」は、まるで現代のスマートスピーカーを高度に発達させたようである。そのような未来の世界感を描きつつ、我々人類に関する「科学的真実」が明らかになる。物理学や生物学に精通していないとこのような作品は書き上げられない。本書を読めば、作者の高度な知識と物語を作り上げる巧みさに感動する。そして、宇宙や生物学、物理学等科学への興味もさらに掻き立てられることになる。
★本の面白かった点、かっこいいシーン
この物語が生まれたのが「1978年」というのに驚く。そのころは、まだ大規模戦争の可能性が拭えない冷戦時代だ。一方で、本書の中で描かれる地球人の技術水準はかなり進んでいる。すでに惑星間飛行の優れた技術を獲得していて、「人類は戦争なんてばかなことをやめたんだ」という。まだ、核戦争の危険があった時代だ。異星人に地球人の愚かさを指摘させつつ、物語の最後には「人間賛歌」になる。本当に巧みな小説だ。 -
ちょっと切ない。
人間は改造されてたのか。
星を継ぐものもよりちゃんと理解できた。 -
前作は熱気を帯びて謎を解明していたが、余韻も残して今回なりの味わいも出ててよい。なかなか素晴らしい物語でした。「人類は何処からやってきて何処に行くのだろうか?」そんなことをよく考える空想オヤジの私にぴったりの小説だ。