地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492555989

作品紹介・あらすじ

地頭力の本質は、「結論から」「全体から」「単純に」考える三つの思考力である。この三つの思考力は訓練によって鍛えることができるものであり、地頭力を鍛えるための強力なツールとなるのが「フェルミ推定」である。

感想・レビュー・書評

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  • あまりにも良すぎる。
    20代前半には金持ち父さんシリーズであったり投資や経済に関する解説本であったりを読んだりしていたが、そんな枝葉よりとにかくこの本をまず読んでおくべきだったと後悔している。早く出会いたかった。
    世の中の優秀な連中はきっと若いうちに本書を通っていたか、知らずにこの思考を身につけていたのではなかろうか。

    自分は「具体と抽象」の本に強い感銘を受けたので評価の高いこちらを手に取ったのだが、具体と抽象の方で自分にはまだそこそこの抽象力があると思っていた自己認識を清々しいほどにぶち壊された。

    フェルミ推定についてはマコなり社長が紹介していたので前提知識として持っていたが、いざ問題に挑戦してみると非常に難しく、「基礎情報がないから無理がある」とためらった挙句、それでも分かる範囲で概算を出そうと詳細な計算をし始めたところでタイムオーバーとなる無様な結果に終わった。自分の愚かさに泣けてくる。

    本書で「地頭課長と積上クン」の会話が登場するが、第三者視点では笑える話も、実際のところ自分も積上クンと同じ行動をしばしば取ってしまっていることを認識させられて打ちのめされた。もうヒットポイントはゼロだ。
    しかし自分の弱みが明確になった。なのでこれを鍛えていくのが次のステップになる。

    コピペ族は現代で言えば生成AI依存族とも読み替えられるが、現代人は、仮に誰かの作った答えの利用に完全には依存しておらずあくまで活用している程度、の認識であったとしても、刃を研ぐ習慣が減っている事実から、かなり地頭力を弱らせてしまっているように思う。これは自分が接する他者だけでなく自己認識からそう思う。
    みんなで本書を読んで、みんなで推定しまくる必要がある。

    自分はこうしてブクログや自分のブログやnoteなどで文章を書いているので、こういった日々のアウトプットを通してでも、結論から、全体から、単純に、アウトプットしていくトレーニングを積み重ねていこうと思う。
    …という結論が最後に来てる時点で先は長い。

  • 「フェルミ推定」一点突破で、これをやれば地頭が鍛えられという本。つまり論旨はシンプルで分かりやすい。また、明確に〝地頭“も定義されているので好感触。良い本だが、学びシロが少ないという点が残念。いつも通りの書評だが、効用は人による・読み手次第というヤツだ。

    恐らくフェルミ推定という言葉に馴染みがなくても、「あれやってみたら売れるんじゃね?」「私も駅前でタピオカ屋やるわ」的なダラダラした居酒屋トークは、誰しも経験があるのではないだろうか。その時に「無理だって」という冷静な声から発展して妄想ビジネス=フェルミ推定をしがちである。その時に地頭が良いなーなど微塵も考えないが、つまり、恐らくフェルミ推定のみでは、地頭は語れないという事だ。論破、弁論術とか、論理性とか、俯瞰、メタ認知とか、類推力、シミレーション能力など、フェルミ推定以外にも色々ありそうである。

    さて、転んではないが、何かを掴んで起きる。今回は、引用に着目。以下が良かった。

    ー アイルランドの劇作家ジョージバーナードショーの言葉に「コミニケーションにおける最大の問題は、それが達成されたと言う幻想である」

    ー 外山滋比古は、思考の整理学の中で「人間の能力を受動的に知識を得るグライダー能力と、自分で物事を発明・発見する飛行機能力の2つに分けた上で、学校教育がグライダー能力を養成することに注力されている」と批判している。

    ー 夏目漱石の草枕より「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」

    角が立ち、窮屈な世界で生きるために。

  • フェルミ推定について初めて知りました!
    いいですね。

    とにかく正確であることが大事だと思っていたけれど、ある程度の正しさ、ざっくりとした正しさでOKというのが分かった。
    今ある情報からある程度の答えが出せるということに驚きました。

    フェルミ推定についてもっと学びたくなったので、他の専門書を読んでいます。
    この本はフェルミ推定を極める本ではないです。

  • 日常生活で考える力が弱いと感じることが多く、なんとかしたいと思い手に取った一冊です。とても勉強になりました。
    フェルミ推定のことも初耳でした。仮説を立てる力や、情報が少ないからといって立ち止まらずに前に進んで結論を導く大切さとを学びました。でも私にはまだまだ難しいので、これから少しずつ練習していきたいです。
    30秒で簡潔に要点を述べる練習も、本を一冊読むたびにチャレンジしてみようと思います。得ることのたくさんある内容でした!

  • 頭が良い、というフワフワした言葉の定義付けがスッキリした。

  • 最終章一番大事

  • 問題解決や発想のための思考方法の基礎が書かれた本。2007年発行だが、近年も似たりよったりの内容が書かれた本は多い。本質的なことは何度も繰り返され、焼き直されるのだと思う。
    聞き手と視点を揃えることの重要性を再認識した。
    当たり前のことと感じる内容が多く、個人的には新たな学びは少なかった。
    社会人一年生が社内研修で学ぶような中身という印象。

  • 231210(2回目)

    ①ベクトルを変えること。
    相手→自分、聞く→話す、目的→手段、やるべきこと→出来ること、結論→過程など

    ②結論から考える「仮設思考」
    •どんなに少ない情報からでも仮説を構築する姿勢
    •前提条件を設定して先に進む力
    •時間を決めてとにかく結論を出す力
    まずは旗を立てられる人になる。
    限られた情報の中でも、とにかくゴールを定め、そこをめがけて試行錯誤を繰り返していくことが大切です。

    ③地頭力を鍛える上で基盤となるのは好奇心
    めんどくさい、、ではなくてなんか面白そう!!という姿勢

    読破は2回目。
    思考力を鍛えるためにどうするべきか、と悩んでいた時に、2回目でようやくこの本の言っていることが理解できた気がする。
    特に「仮設思考」は納得できた。フェルミ、ケース対策を数ヶ月やってきたが、全てはこの仮設思考を身に付けるためにフェルミ、ケースをやってきたとも言える。この仮設思考は普段から取り入れやすいので、日頃から意識して取り組むべきことだと思った。


  • 結論から、全体から、単純に考える。簡単に見える内容だが、仕事、生活の中になかなかできてない。物事にわかればわかるほど、どうしても枝葉を気になり、全体感を失う。
    「合理的に考えて感情的に行動する」ことで人を動かすのが必要。大好きな人からの理不尽の依頼、大嫌いな人から理にかなった依頼同時にあったら、あなたはどっちを選びますか。

  • 「流れ星に3回願い事を唱えられるか?」
    この問いを本書の究極の教えとして受け取った。
    瞬時に願いを伝えるには、地頭力が必要。
    そのためには、日々願い備えること、強く持続した思いが必要。そうすれば必ず叶う。

    頭のよさ=地頭力+対人感性力+記憶力(知識力)
    =数学者+司会者+クイズ王
    地頭力=仮説思考力+フレームワーク思考力+抽象化思考力

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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