憧憬☆カトマンズ

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.92
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本棚登録 : 625
感想 : 156
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171070

感想・レビュー・書評

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  • 暗い現実なんて吹き飛ばす、「ウルトラハッピーエンドな話」
    確かにこんなの、現実的にはアリエナイッティ!なんですが、小気味よく楽しく読ませてもらいました。
    主人公は29歳という、女性にとっては転換期となりやすい年齢。焦るよりは楽しく、恋に、仕事にひたむきな女性は、まさに日経ウーマンに連載されただけあって読者の心を掴むものでした。

    言葉遣いが結構チャラチャラしていて楽に読むことができるんですが、真面目に仕事に取り組む彼女たちは傍から見ていてカッコよくて。
    「採用段階でしょっぱなから低学歴なあたしら切り捨てておいて、社員が誰もやりたがらない仕事だけ低学歴の派遣に押し付けて、そんな派遣に会社に対する責任持てって、辞められたら困るって、ナニサマだよあんたら。勝手にこの子が育ったとでも思ってんのかよ、あたしがここまで使えるように育てたんだよ、派遣のあたしがね。」
    と、啖呵を切る場面なんて、痺れます。

    中高生の青春とは違った、大人の青春といったキラキラ感もまたすごくよかったです。
    確かにリアルな小説もいいけれど、せめて娯楽である小説くらい、キラキラした幸せ満載なものを見せてほしい。
    そういった意味で、手軽に気楽に楽しめる、1冊でした。

    あとがきでは、リアリティとかくそくらえ!なそこのあなた。ぜひとも既刊の「セレモニー黒真珠」および「野良女」と併せてこの本を3倍楽しんでください。と書かれていて、もともと気になっていたそちらの本を読むのがますます楽しみです。

  • 後藤ちゃんと中尾ちゃんのような、明るくサッパリてて、
    でも友達思いなすっ飛んだ、いい関係が素晴らしく羨ましい。
    こっちまで元気になっちゃう。
    パティちゃんのキャラクターも最高。
    ドラマにしたら面白いね。

  • 読んでハッピー、気分爽快。
    人生山あり谷あり、楽ありゃ苦もあるさ。

    カトマンズはアジアの山岳国ネパールの首都ですが、全く関係ありません。
    バカでお気楽、でも好きなものには貪欲で仕事も割り切って全力で取り組むアラサー女子、後藤ちゃんと中尾ちゃんの熱い友情と甘酸っぱい恋の物語。

    年下の彼氏かわいいなー。
    若い頃は大して興味なかったけど、もはや胸がときめく対象はほとんど年下だもんね。

    もっと彼らの友情と恋の話を読みたい気もするけど、何気にパティと力士・南国のパイナップル餡たい焼きラブストーリーもとても好きでした。
    ウルトラハッピーエンド万歳!

  • 「あとがきという名のいいわけ」の中の言葉を借りれば、「現実味がないくらいハッピーな話」。ウルトラハッピーエンドなだけあって、読後はとっても明るい気分になりました。
    後藤ちゃん、中尾ちゃんのお話も良かったけど、私はパティのお話が一番ぶっ飛んでいて好きだなー。現実にはまず有り得ない展開&結末だけど、そこがいい(笑)。

  • 超バカ大学出身のスーパー派遣と周りの人々によるアリエナイ&ハッピーエンドな話。
    有り得ないからこそ読んだ後にスカッとする娯楽な本。

  • 文句なしに面白かった!
    けど、宮木先生の書く本は暗い話の方が好きなので、★4つ。
    面白さ的には★5つ!

  • 29歳になったら焦るかな、と思っていたけれどそれほど焦らなかった。
    どうやら自分の節目は29歳ではないらしい。
    世間の作り上げた29歳像よりも自分の時間に従っていた方が良い。


    企業様で働いてんだよ!
    お時給のいいとこ選んで働いて貯めたんだよ!
    売ってんのは身体じゃなくて魂だよ!

  • なんとなく知ってると思っていたら、日経ウーマンに連載されていたと後ろ書きにあって納得。
    とっても軽~い感じで読めた。
    (著者もあとがきで言っているけど)何より深刻だったり下手にリアルじゃないところが良いかな。
    続編ができそうだな

  • 痛快、爽快、ウルトラハッピーストーリー。

    突き抜けてる!ちょう突き抜けてる!だいすき!(笑)
    予想を裏切ってのパティ登場が楽しすぎた。
    あと表紙と中表紙がうまい。

  • 29歳、おバカ大学出身。
    悩みはそれなりにあるけれど仕事はバリバリできて親友がいてイケメン彼氏がいて最後はハッピーエンドってなにそれめっちゃファンタジーな世界じゃん。こんなの現実的にアリエナイッティ!って思ってあとがき読んだら作者の思うツボだった。

    少女マンガのようなキラキラ輝く世界。とまではいかなくても胸がときめくような毎日をみんな送りたいんだよ!という心の叫びを叶えてくれてありがとう。宮木さん。

著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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