ブランド帝国の素顔: LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532191474

作品紹介・あらすじ

フランスを代表するメゾン、クリスチャンディオールに周囲の反対を押し切ってイタリアの才人、フェレを起用して再生させたLVMHの総帥アルノー。華やかなファッションの世界に経営の論理を持ち込み、ブランドビジネスの常識を変える"帝国"の知られざる素顔とは。

感想・レビュー・書評

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  • LVMHの歴史を俯瞰できるため、資料的価値はある。

    ただし筆者による研究成果というよりも、興味を持ったので試しに調べてみたという色合いが強いため、新たな知見は得られない。

  • 新書文庫

  • おもしろいー

  • 資料番号:010691145
    請求記号:589.2/ナ

  • ファミリービジネスの限界性に説いている箇所が非常に印象に残っている。クリエーションは右脳であり経営は左脳であり、一人の人間が同時に考えることは難しい。規模が小さいうちは両立しうるが、大きくなると経営は片手間で出来るような簡単な作業ではない。そこにこそLVMHに傘下入りするメリットがある。
    カニバリゼーションが起きないようなスケールメリットの発揮、アルコール部門によるポートフォリオ戦略、いずれの戦略もブランドビジネスを学ぶにあたって非常に理解が高まった。

  • LVMHに関する本の一冊。

    ・なぜLVMHは、多くのブランド企業抱えることができているのか?
    ・投資会社との違い
    ・どういう歴史なのか?

    がわかる本。

    ベルナール・アルノーが代表だがもともとはモエヘネシーとルイヴィトンの社長同士が打算的に作った会社というのが一番びっくりした。

    アルノーはまれに見る天才ともわかるエピソードもあり、そこらへんは読んでいて引き込まれました。

  • 『ブランド帝国の素顔 LVMH』(2002)長沢伸也
    ・「消費の二極化」あるいは「こだわり消費」の現象
    ・モリハナエのオートクチュール部門は倒産、プレタポルテは商社に売却
    ・価格設定、補修サービス→「丈夫で、長く使える」というイメージを訴求p.59
    ・1987年に設立されたLVMH…LVMH自体の歴史は長くないが、傘下にある各企業は、それぞれが長い歴史を融資、その多くはフランスの文化と伝統を体現していることが大きな特徴であるp.176
    ・高級ブランド品のマーケティングにおいて最も重視すべき点…ブランドイメージの保持
    ・グループ各社にはそのブランドにかかわるマーケティング等の戦略の立案と実施における高度の独立性が保障され、それぞれのブランドの成長と利益の確保に責任を持つこととなっているp.177
    ・一方、グループ全体にかかわる戦略的事項に関してはグループ各社のトップマネジメントによって構成される各種委員会により調整が図られている。また、グループ各社の重要な人事・組織改正および戦略計画についてはLVMHの商人が必要とされている。その結果、グループ各社はLVMHの一員として、経理・財務の面はもとより販売やロジティクス、さらに人材の配置、広告宣伝等に関してもグループとしての相乗効果による大きな利益を得ることができることとなる。
    ・ポートフォリオマネジメント
     ・流通…一等地に店舗を確保する際、ブランド相互で融通し合えるp.194
     ・広告…地域のLVMH支社が、それぞれの地域のメディアと交渉して、出向するページなどの媒体を抑えることが仕事である。その後、各ブランドに対して必要に応じてキープしておいたメディアの広告脇を分配する。広告の内容は各ブランドのPRチームの裁量にゆだねられる。→効率化
     ・優秀な人材確保
     ・海外進出に関する商社業務の代わり
    ・LVMHのグランドデザイン…位置づけの違うブランドをたくさん持って、すべての顧客層を手に入れようとしている。より良いポートフォリオ、傘下ブランド相互のシナジー効果を得るという明確な目標に向かって進んでいる。p.200→カニバリゼーションは無し
    ・ポートフォリオ戦略p.205
     ・分野間ポートフォリオ…財務面から見て取れる。ファッション分野はシーズンごとに浮き沈みがある。そこで酒分野の手堅さでカバー。シナジー効果。
     ・地域間ポートフォリオ(ジオグラフィカル・ポートフォリオ)…『ファッションデザイナー 食うか食われるか』
    ・セレクティブマーケティングp.215…生産量が限られた高級品を売るのに特化したマーケティング手法
     ①ブランドの付加価値をあげる→お互いに顧客を奪い合わないポジションのブランド同士のコングロマリット
     ②高級品を求める人のところへ届ける「セレクティブ・ディストリビューション」

  • フランスを代表するメゾン、クリスチャンディオールに周囲の反対を押し切ってイタリアの才人、フェレを起用して再生させたLVMHの総帥アルノー。華やかなファッションの世界に経営の論理を持ち込み、ブランドビジネスの常識を変える“帝国”の知られざる素顔とは。


    ブランドを作り出すというのは簡単ではないですね。
    つくずく感じます。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)教授、工学博士、仏ESSECビジネススクールおよびパリ政治学院各客員教授。世界で2番目となるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン寄附講座教授等を歴任、英文学術誌の編集委員・編集顧問、商品開発・管理学会会長、日本感性工学会参与(元副会長)。著書に、『ルイ・ヴィトンの法則』(東洋経済新報社、2007年)、『シャネルの戦略』(同、2010年)、『ラグジュアリー戦略』(翻訳、東洋経済新報社、2011年)、『ラグジュアリー&ファッション企業のマネジメント』(翻訳、東洋経済新報社、2013年)など。

「2022年 『究極のブランディング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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