- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534040039
感想・レビュー・書評
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この本の扱っている仮説は非常にマネジメントの本質をついていると思う。
(仮説1)実は出来る人はそもそもできる人であり、努力や成長、達成という業務上で必要とされるなんらかの課題は努力して解決する/ないし出来るようになって当然という思い込みを持っている。
(仮説2)それ故に出来る人は「できない人」を見ると教えたくなるし、マネージャーに昇進した際に例えば「自分と同じようにできるようにしてあげよう」と懇切丁寧な指導を行おうとする。
(仮説3)できない人は「目標達成」が重要であることは理解しているが、マニュアルや営業同行で得られる程度の情報よりもより根源的なところ(例えば相手に電話するのに躊躇する/こんなことを取引先に言ってもいいのか等)に仕事上の悩みを抱えている。
(仮説4)「できる人」は仕事を懸命に教えようとするが、「できない人」は「そこではない」と思い、だんだんと職場の雰囲気が悪化していく。
(結論) 以上の仮説に基づき「できる人」を脱却して「伸ばす人」をめざそうではないか。
個人的には腑に落ちるところが多い。自分の経験上も「マネジメントとは管理しようとするとろくな結果をうまない」ことが多いし、多くのマネージャーが悩んでいることを方向付けしてくれているので勇気がでる。
個人的な意見をつけ加えておくと仮にマネージャーに昇進した人を程度の差こそあれ「できる人」とすると、「多くのできる人」は自分のことを「できる人と思っていない」可能性が高い。やっていることは会社の業務遂行上、当然求められること(例えば会社の売上をあげる程度)であるし、それすら悩みながらやっているのが実態であるからだ。(できるなら悩んでねーよ、というのが本音。)
そのため「できる人」と「できない人」のギャップはますます大きい。であるからこそ、思い込みを「思い込み」だと指摘する本書には価値がある。
この手の本は論調としてできる人を「良し」としてできない側を「良くない」とラベリングしてしまいがちだが、本書にはどうすれば認識のギャップを超えて組織が良くなるか、というテーマが通底しているため読んでいてギスギスしない。良書だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
周りを育てることが自分を育てる事なのだと再確認。
ここ1年ぐらい考えてて、半年ぐらい悩んでた事がまとまった感じ、
本書中の言葉で言えば「何となく自分がやっていることの意味を整理できた」って事かな。
実務に近いネタでいうと、ペアプログラミングとか導入したいけど、
企業的には難しいなあ。 -
価値観の押し付け・主張は教育じゃないよね~って話
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-組織の拡大をしているベンチャー企業の経営者
-マネージメントをはじめる人
に読んで欲しい本です。
マネージメントについて面白い視点でまとめていると思います。 -
読んでいて耳が痛くなること多し。誰も教えてくれなかった「マネージャーとは」の一つの回答がここにありました。続編もよみます。
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自分が一番仕事をしていると実感が最も危険!
部下の力を引き出していない証拠。
できない人も目標に真剣になっている。
いくらレベルを下げて話しても、相手の結果を観察すべき。
ダメなものは絶対ダメという教育
自分のコントロールできることをやるだけ。 松井秀喜
学ぶためには教えなければならない。 ピーター・ドラッカー
人は考えたとおりの人になる アール・ナイチンゲール
できる人の仕事ノウハウがブラックボックス化
仕事で生きている人、生きるために仕事している人
1.抜きん出た能力がり、人よりも頑張るために生じる 2.成功体験に基づくべき論 3.高い常識による -
自分でコントロールできることに意識を向ける。
期待という形の無い物体の見え方の違いで、つぶれる人が生まれる。
「できる人」が思う「できない人」も、
自分の理論においては、考えたとおりの人として存在する。
「できる人」のできる理由を説明することは難しい。
できる理由を拾い上げても拾いきれない固有の情報が、できる人の中には潜んでいる。
望ましい行動要件を素直に受け入れるとともに、
その行間にあるものも読み取り、試行錯誤しながら、答えを見つけ出していく。
「できる人」は「できない人」には足を引っ張られている。
事実以上のネガティブイメージを持ちやすい。
事実に基づき人格=物語 を作ってしまう。
「できる人」が一生、「できる人」でいることより、「できる人」を育てることが求められている。
相手を多面的に考え、多面的に対処する。 -
まずは自分が「できる人」へ。それから「できる人を育てる人」へ。