カモメに飛ぶことを教えた猫

  • 白水社
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本棚登録 : 353
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560046531

感想・レビュー・書評

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  • 猫の日だったので久々に読んだ。
    時々読み返して、自分を省みたいと思える本。

    にしても、ハリーのコレクション素敵だなぁ。

  • 猫たちの「約束は守らねばならない」という心意気に打たれる。

  • 重油にまみれて飛べなくなったカモメと、ひなに飛ぶことを教えると約束した猫。無理難題を港の猫仲間たちと解決しながら、愛するひなの旅立ちを見守る、ハートウォーミングなおとぎ話。

  • オス猫がひょんなことから、
    カモメを卵から育てることになった。
    仲間の猫に食べられないように
    守らなきゃ。

  • あらすじは素晴らしいのだけれど,前振りが長くて,一番盛り上がるはずのシーンがあっさりと書かれていて残念でした。
    洋書のまわりくどさが苦手なので物足りなく感じました。

  • 中学生の時に読書感想文を提出するために読んだ本を約10年ぶりに再読。
    その名の通り、猫がカモメから卵を託されて、子カモメが飛び立つまでのストーリーです。

    この物語、トラブルは起こるものの、しっかりと書かれているわけではなくて、あらすじのような感じで進行が早い。
    読みやすいといえばとても読みやすい。
    盛り上げようとすればいくらでも盛り上げられそうなエピソードはあるのだけど、この短さでもいいのかな?と思っていました。
    ちょっと物足りないような気がしないでもない。

    実際ゾルバはカモメに飛ぶという技術は教えていない訳だけど、精神的に大事なことは教えたんだと思います。

    カモメのお母さんが猫に卵を託さなければならなくなった原因とか、ゾルバへの約束が3つだったとか、詩人は飛ぶ方法を知っているとか、気になる所はたくさんあって、深く考えて調べながら読み返せばそれなりの読書感想文は書けそうな気がする?

  • 人間の身勝手さ故の、黒い死の波の犠牲になった一羽のカモメが残した一つの卵。今わの際に猫のゾルバに託した三つの約束。その約束を果たそうと、仲間と奮闘する物語はユーモラスに、時にスリリングに進んでいき、あっという間に程好い余韻を残して終わる。

     訳者(河野万里子)あとがきに書かれてあることが、そのまま私の感想であったので引用を許して頂きたい。

    <<主義主張の違い。文化の違い。種の違い。そうした「異なる者どうし」は、どうしたらともに生きていくことができるのか。「異なる者どうし」は、心を通わせることが可能か。現代を生きる人間に、驕(おご)りはないか。人間の希望は、支えは、どこにあるのか。

     「異なる」からといって排斥するのではなく、「異なる者どうしの愛」こそ尊いという思い。

     この物語からは、人間が決して軽んじてはならないこと、忘れてはならないこと、心の奥で大切にしなくてはならないことが...伝わってくる。>>

     同じ思いで読み終えた。しかし、言葉では容易くとも実際に「異なる者」を受け入れることはむずかしいと認めざるを得ない。だからこそ、物語といえども、懸命に為し遂げた「異なる者どうしの愛」に素直に感動するし、同じように希望と支えを持ちたいと願わずにはいられないのだ。難しいのは百も承知。できすぎた物語であるかもしれない。しかし、無理!の一言で片付けてはいけないと思う。ほんの少し関わりを意識するだけで、歩み寄れる何かが見えてくる気がするから...。

  • 10年以上前から大好きな本

  • 「猫」というキーワードが入っているので随分前からその存在は知っていて読んだ気になっていましたが、まだ読んでいなかったみたい。
    ドイツの港町ハンブルグで繰り広げられる猫とカモメのお話。ほほえましい交流の傍らで、環境破壊へ苦言も呈しています。海外文学特有の翻訳の引っかかりはありますが、シンプルに楽しめます。

  • やさしい猫ゾルバは、カモメにどのように飛ぶことを教えたのか?
    みんなに協力してもらいながら、知識を大いなる知恵に昇華していく。その力を示してくれる本です。

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著者プロフィール

1949年、チリ北部のオバージェに生まれる。アナキストであった祖父
の影響をうけて若くして社会主義運動に参加(祖父の話は『パタゴニ
ア・エクスプレス』に詳しい)73年、アジェンデ社会主義政権を倒し
たピノチェト将軍による軍事クーデタの後逮捕され、南部テムーコの
刑務所に入れられる。二年半の服役の後、アムネスティの努力で釈放
される。80年からドイツのハンブルグに居を定め、そこでジャーナリ
スト・作家活動を始める。89年発表の『ラブ・ストーリーを読む老
人』や96年の『カモメに飛ぶことを教えた猫』がヨーロッパ諸国でベ
ストセラーになり、新しい世代のラテンアメリカの作家として注目を
集めている。

「1999年 『センチメンタルな殺し屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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