上高地の切り裂きジャック

著者 :
  • 原書房
3.08
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本棚登録 : 240
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562036301

作品紹介・あらすじ

御手洗潔の一声が、事件のすべてをくつがえす!シリーズ書き下ろし最新作。腹を引き裂かれ死んでいた女-しかし逮捕された"容疑者"には決定的な物証と絶対のアリバイ、なにもかも辻褄が合わない…。シリーズ中編「山手の幽霊」を併録。

感想・レビュー・書評

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  • 御手洗潔シリーズ。「上高地の切り裂きジャック」と「山の手の幽霊」の中編2作構成。

    切り裂きジャックとタイトルづけられてるので、勝手にエグい系のシリアルキラーモノと思って読んでいたら、そうでもなかった、かな。むしろ、いつもよりソフトな感じ。中編だから?ただ、川瀬七緒さんの御本で馴染みのあった法医昆虫学の言葉があって、島荘センセーの方が断然先だったのかと感銘を受けましたデス。
    2作目の「山の手の幽霊」。トリックはともかく(え?)、御手洗&石岡コンビが久しぶりに見れて楽しかった。御手洗のぶっ飛び感は、やっぱり石岡君が傍にいないと際立たないんだなと実感。このコンビに固執してシリーズを読んでいるわけではないんだけれど、たまにはこういうコンビ感が出た作品が読めるのも嬉しい。

  • なんだかやるせない御手洗潔シリーズ中編。
    社会派っぽい話ではなかったので私としては安心でした。

    上高地、そして横浜の地域を知っていたほうが面白いと思われます。
    私の場合、上高地はなんとか。横浜はあんまり。
    舞台の時代がもう10年も前だから、今とは色々違っているのが面白いですね。
    あー、そうか、携帯はもうあったな確かに。とか。

    しかし、レイプだ強姦だと書き連ねられると、電車の中で読みづらいな。
    いやまあ平気で読んでいたけど。

  • 島田荘司氏の作品は 読了後の気分が 実に良いです。
    「なるほど」「納得」「やってくれました」という気持ちにさせてくれます。

    私にとって島田作品は「神」です。

  • 表題作は幾分地味目。割と簡単で、少しばかり拍子抜けした気分。
    だけどこの本のメインは「山手の幽霊」の方だな。いきなり謎が奇想天外。こんなの論理的に解けるのか? 「幽霊は存在する」で終わらせるんじゃないか?などとすごく疑いました(笑)。もちろんきちんと論理的に解けたんだけどさ。てなわけでこれはお薦め。

  • 相変わらず表紙が凝っている本。こういうの大好き。
    中身はごく普通のミステリだと思います。御手洗と言う味がついているが。
    ……二本目は微妙に後味が悪い気がする。うーん、極悪人は死んでるんですが、ね。

  • この表紙、最初塩辛かと思った。

  • 装丁が格好良かった。切り裂きジャックものはつい読んでしまうので評価は普通。同じ切り裂きジャックものなら「百年の孤独」の方が好き。

  • 上高地で腹部が切り裂かれて臓器が持ち去られていたという残虐な脇役女優の死体が発見されます。
    ですが、あまり雰囲気が伝わってこないです。
    島田先生にしては珍しいです。
    トリックはアリバイトリックです。
    このアリバイトリックを意外な形で崩す方法と海外にいる御手洗が真相を解決するだけでなく、その証明方法までもしっかりと説明しているのは大変好ましいです。

  • 御手洗潔シリーズ。女優が上高地のロケ地で殺され、その死体の下腹部は切り取られていた。容疑者はいるが、アリバイは完璧である。そのアリバイを御手洗の言葉がくつがえす。御手洗さんは電話でのみ登場。石岡くんは単なる御手洗とのパイプ役でイマイチの役どころでした。

    同時収録の「山の手の幽霊」は御手洗がまだ外国に行く前の話で、一見別々に見える2つの事件を見事に収束させる御手洗の手際が光ります。ちらっと御手洗の小学校時代なんかの話もでて、オイシイです。 しかし、京極堂のシリーズを読んだ後に御手洗シリーズを読むと、石岡くんってなんてまともな人なんだろう!とか思ってしまった。関口くんとくらべちゃイカンでしょうが…(笑)

  • この本誤植多い!!折角集中して読んでる所を腰折られるんですけど。しっかりしろ原○房!大丈夫か?!さてさて、本作について。相変わらず島田氏は、エゲツい死体と一見普通な建物の奇天烈なからくりを書かせたらピカ一ですな!後半の「山手の幽霊」は、あたし「季刊・島田荘司」で一回読んだ事があるんですけど。でも表題作に登場した牧原病院が「山手の幽霊」にもちらりと登場してて、さりげない関連性で以てこの2作を一冊の本にまとめた作者の遊び心を感じた。それにしても、今回の表紙よく見ると気持ち悪い……。どこの器官だよ、これ。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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