書店ガール (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 759
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569678153

感想・レビュー・書評

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  • ペガサス書房吉祥寺店で働く理子は店長に昇任するが、実は本社ではその店舗の閉店をすでに決めていて、繋ぎの店長にされたに過ぎなかった。
    そんな中で、女性の正社員、亜紀やバイトのスタッフたちの協力のもと、閉店を回避するために新たな企画など様々な取り組みで売上げ増を実現するが、結局本社の決定は覆ることなく、閉店が決まり、理子も亜紀も辞表を出す。

    本を愛する書店員の話かと思って読み始めたら、前半は女性スタッフの間でのいじめに近いドロドロした話が続き、うんざりしかけたが、途中、理子が女性の出世を望まない本社や同じ店舗の男性社員からの嫌がらせにも屈せず、店長としてやれることをやると覚悟を決めた辺りから、同じ女性として、男性社会の中で奮闘する二人を応援したくなってきた。
    そして、店長就任時には、店舗内のスタッフからの信頼も薄く、むしろ反感すら持たれていた理子が、最後はみんなに感謝され、慰労されたことに少し救われた気がした。

    書店は本を売るところ、ある意味、人々に夢や希望を与えてくれるところだと思っていたのに、現実はこんなにドロドロしているのかとガッカリすると同時に、女性社員に対する露骨な偏見、嫉妬があるこういう会社は時代錯誤だと思ったが、現実にはまだまだたくさんあるのかもしれない。

  • オールドミス(by nogiyunaさん、確かにそう言う言葉ありました)の書店員理子と美人で女子ウケの悪い書店員亜紀の物語。対立しているふたりが語り部を交代しながら話を進めて行く。お互いが、相手が考えていることに全く想像が及ばない点が面白い。
    敵を片付けると新たな敵が現れると言うエンタメ色たっぷりなストーリーで気軽に楽しく読めた。ただ、主人公の二人以外はモブキャラ扱いで、深みは感じられない。
    いまだに(つい先日も)本屋で平積みされてるのを見かけたけれど、そこまででは無いかな。

  • 仕事しかしなくていいんなら、子育てしかしなくていいんなら…。
    現実は、「だけ」なんてない、あれもこれも、同時進行、〆切ありでごんごん降ってくる。
    ちゃぶ台返ししたい!!!でも常識人だからしない!
    そんなあなたに。
    現実離れしたアクロバティックな解決はされません。でも、文句はやることやってからしよう、っていうネガでもポジでもない活力をもらえる作品です。

  • 碧野さんの本は初めて読みました。
    アラフォーの女性書店員が主人公なのですが、かなり期待していたので、評価が厳しくなったかも・・・
    ただ、ちょっと想像していた感じではなく、特に前半は恋愛、妬み等々、ドロドロで、ちょっと極端すぎ?と思ってしまったり・・・
    シリーズは第3弾まで出版されていますので、第2弾に期待です。

    • honno-遊民さん
      主人公二人の活躍に、2弾、3弾も期待してよい面白さです。書店の現状、書店員の大変さに、町の本屋さんを応援したくなります。
      主人公二人の活躍に、2弾、3弾も期待してよい面白さです。書店の現状、書店員の大変さに、町の本屋さんを応援したくなります。
      2014/07/24
    • azu-azumyさん
      hongoh-遊民さん
      コメントありがとうございます!
      第2弾、3弾、面白そうですね!
      ぜひ、読みたいと思います。
      hongoh-遊民さん
      コメントありがとうございます!
      第2弾、3弾、面白そうですね!
      ぜひ、読みたいと思います。
      2014/07/26
  • ★3.5

    吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、
    はねっかえりの部下亜紀のの扱いに手を焼ていた。
    協調性がなく、恋愛も自由奔放。
    一方の亜紀も、頭の固い上司の理子に猛反発。
    そんな時、お店にとんでもない危機が…。


    物語は亜紀の結婚披露パーティのシーンから始まります。
    新婦・亜紀の上司や同僚、出版社の人々…。
    いきなり沢山の名前が登場し混乱…(p・Д・;)アセアセ
    同じ職場の恋人を捨て、エリート編集者とスピード結婚を
    決めた「乗り換えの早い」亜紀。
    一方、彼女を見つめているのは恋人に捨てられたばかりの理子。
    何もかもが対象的な二人は些細な事をきっかけに
    会場の控室で大喧嘩をしてしまいます。
    その衝突は尾を引き、二人は職場でも対立を深める。

    実家が金持ち・コネ入社・美人で男性にモテる
    気が強く協調性のない亜紀は職場での苛めを受ける。
    女同士の気に入らない女性に対する
    陰口・嫉妬・妬み・バトル…嫌だなぁ。醜いなぁ。
    こんな本だったの…って思ってたけど、
    しかし、後半は店長になったばかりの理子が
    半年後に迫る閉店を阻止する為に、売上増を目指し
    従業員全員が一致団結して、アイデアを出し頑張る。
    立場も考え方も違う人達だけど、皆お店を愛する気持ち
    本を愛する気持ちは一緒だった。

    小さな個人でやってる本屋さんの実情も知る事が出来た。
    POPの立て方・本の並べ方・平台・面陳・ディスプレイ…。
    書店の裏側が沢山描かれてて、とっても面白かったムード
    本好き・書店好きには、とっても楽しめる本でした。

  • 本屋が本をきれいに並べないでどうする。魚屋が魚を、八百屋が野菜を綺麗に並べるのと同じことだ。こうしてきちんと本棚に並んでいると、お客様に取ってください、とスタンバイしているようじゃないの。みんなは平台ばかり気にするが、棚の並べ方だって大事なことだ。五ミリのラインで一直線に背を見せる。しおりの紐が背の側に垂れていないように、スリップは飛び出さないように本の最終ページに深く挟み込む。そういうことに気を配ってこそ、書店員だ。手を掛けて一段一段、綺麗になっていく棚を見るのは楽しい。掌の感触で本を実感する。忙しさにかまけて手を掛けないでいると、その棚のあたりは空気が淀んでくる気がする。(42p)

    解説の北上次郎さんが、美味しいセリフを全部紹介したので、とりあえずこれを選びました。

    書店員は前にも書いたが、憧れの職業である。この本を読むと、労多くして給料少なしということはわかるが、一冊の本の持っている「力」を信じているので、その「現場」には憧れるのだ。

    今回は大野梢のような推理小説ではない。あえて言うと、お仕事小説だ。書店閉店の危機に反目しあっていた女達が団結するという話である。ありきたりの話ではあったが、楽しく読ませて頂いた。

  • 一日で読了

    理子と亜紀の醜い争いがどこまで続くのやらと辟易しつつも、後半は一致団結。
    これぞエンタメ作品!という王道展開。

    本屋の工夫、書店員の想いなど、本に対する愛情が伝わってくる良作でした。

  • 最近は電子書籍が便利と言われていますが、個人的には独特な紙の匂いと、沢山の本が陳列されている書店が好きです
    そんな書店を舞台に男女の嫉妬や恨みなど様々な人間模様。
    知らなかった書店の裏事情。
    素直な気持ちを持つ事の難しさと大切さ。
    忙しくても楽しいと言える主人公の仕事に対しての情熱と、その主人公の背中を見て一緒にやりがいを見つけていく周りの人達の姿。
    読むにつれて自分も引き込まれていきました。

  • 最初、読んでいくと人間関係のドロドロとした感じかと思ったら全然違った。
    書店に降りかかる危機を乗り越えるため様々な理不尽に立ち向かう話。志があると行動が変わる、行動が変わると人が変わり、周りとの関係も変わる。
    そういったこともあるが、単純に面白かった!

  • いきなり登場人物が多くて、なかなか把握できません

    始まりの展開は女の醜悪な争いから
    軸となる二人は、どっちも嫌な奴でした
    その後、危機に瀕して関係が変化していくという展開

    期待したほど書店員ならではのという展開はあまり感じられず、恋愛、仕事に関する男の嫉妬といった話が中心でした

    最後は期待を裏切られますが、次巻に期待させられる展開です

著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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