桜風堂ものがたり

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569831084

感想・レビュー・書評

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  • 2020.03.銀河堂書店員の一整は,福和出版から刊行予定の団重彦という元シナリオライターが書いた四月の魚がとても気になり,自分の手で売りたいと考えていた.ある日,少年が万引きをするのを見つけて,一整が追いかけたところ,少年が車に跳ねられ怪我をしてしまう.それがニュースになり,電話やSNSなどによる抗議が多く銀河堂書店に寄せられて,一整は自ら書店を辞める.時間が出来たので,以前から行きたいと考えていたSNSで密に交流していた人の店である桜風堂に行ってみることにした.桜風堂は桜が綺麗な桜野町にあった.桜野町に着き,連絡してみると店主は入院中で一整に店を任せたいと言う.銀河堂書店に四月の魚のゲラが届き,柳田店長をはじめ,塚田副店長,渚砂,苑絵たち銀河堂書店の皆が一整が売りたがっていた四月の魚を一丸となり売り出すことになった.いよいよ,四月の魚の発売となり,一整の桜風堂書店や銀河堂書店では,団重彦のサイン本を多く取り寄せた.かくして,四月の魚は売れていき,取次と版元に在庫がなくなった.そして,ある日,団重彦が桜風堂書店にやって来て,一整にお礼を述べる.優しい,とてもいい本だった.書店の内部事情も分かって面白かった.

  • 本好きにぜひ読んで欲しい1冊です。
    友人に薦められて読んだのですが、とても感動しました。
    恋愛もすこしだけですが、いいくらいで物語に含まれています。
    本をよく読む人なら共感できることもあるだろう1冊です。

  • 優しい物語です。

    まず手にとって読んでほしい。
    きっとあなたの心に残る本になると思う。

  • 涙は流れるかもしれないけれど、悲しい涙ではございません。
    青年書店員がある一冊のほんから小さな奇蹟を起こす物語です。

  • この本より後に出版された村山さんの本「百貨の魔法」を読んでから、この本を読んだ。
    誰かのブログで、この「桜風堂ものがたり」の方が「百貨の魔法」より先に出版されているが、実際に村山さんが「百貨の魔法」を書きながら、途中で「桜風堂ものがたり」を書いて出版して、その後に「百貨の魔法」が出版された経緯があるから、「百貨の魔法」の方を先に読むのを進めると書いてあったけど、その通りにしてよかった。
    この「桜風堂ものがたり」には、「百貨の魔法」の面々が作中で出てくる事件について、心痛めないわけがなかったし、何かしようとしたと思うのに、と読んでいたら、ちょっと嬉しいこともあって、百貨店の一人として、主人公の一整を私も見守る感じで、感情移入がしやすかった。
    心を痛めるような悲しい出来事もあるけど、こんなに心がハッピーになれる本に出会えてよかった。

  • 泣けるー。

  • 書店で発生した万引き事件後、10年勤めた店を辞めることになった月岡一整。
    店を辞めた後、以前から交流のあったブログ仲間
    の営む書店、桜風堂へ行ってみることにする。
    そこで出会う入院中の店主と1人で暮らす孫。

    本屋を舞台にすると、最近の出版事情と、万引き問題は切っても切れない。

    彼らの過去を知ると、少し寂しいがほんのり暖かい気持ちになる。
    うっかり相手が一整だと気づかないままブログの相手に恋に落ちた凪沙の行動力と溌剌した感じが好き。
    苑絵の才能とか美貌とか、お家とか、漫画みたいだなぁと思うけど、ハッピーエンドで良かった。
    不思議な繋がりと暖かな人々は作者の作風なので、いつも安心して読める。

  • お仕事小説の真骨頂
    綺麗な歯車が回っていくような
    各人の畳みかけるような本への情熱がまぶしいです
    登場人物がみな謙虚で優しく
    心が洗われるよう。
    人間関係に傷ついた心に染みるなぁ・・・・

  • 町の大きな書店と山間の小さな書店を舞台にした、月原一整と彼に触れたひとたち ーアリスと船長もねー の物語。
    聞こえて来るのはそれぞれに表現の仕方は違うけれど、
    君が好き 愛してる 私の出来る事をしたい ……
    たくさんの言葉と気持ちが 彼を助けてくれる。

    半分くらいまではぼちぼち読んでいられたのに、途中から他のことができなくなって最後まで行ってしまった。ふ~~ 読み終わってボーっと物語のそこやここをぼんやりと思い出す時間の幸せなこと。
    また読もう。

  • 子供と猫が幸せになる物語にハズレはない。そしてハンカチどころかバスタオル必須。
    お話が良かったのはもちろん、書店の裏事情みたいなことが知れたのも楽しかった。いつか拘りの小さな書店を巡って、その店の推し本を買い集めるような贅沢な旅がしてみたい。
    諸事情で今は電書派だけど、やっぱり紙の本も良い。
    そして「四月の魚」を実際に読んでみたいんですけど、書いてくれませんかね?
    万引きを糾弾する作家さんは他にも思い当たるけど、表現がきつくて苦手なんですよね……その点こちらは表現が柔らかく感じる。甘くはないけれど。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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