告白

著者 :
  • 双葉社
3.94
  • (2569)
  • (3146)
  • (1969)
  • (363)
  • (121)
本棚登録 : 17895
感想 : 3104
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236286

作品紹介・あらすじ

愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。」この一言で震え上がりました。
    担任を持つクラスの生徒に殺された、娘の愛美。復讐劇が始まっていく。正直文章を読む手が止まらなかったです。物語の展開もすごかったです。調べてみればこれがデビュー作。自分がもし娘を殺された立場だったら。逆にもし、自分が殺した立場だったらと考えると鳥肌が止まりません。
    この本のおかげで湊かなえさんがもっと、好きになりました。あまりにもおもしろかったので感想はいつもより長めです。
    人物の視点が変わっていくところも面白かったです。どうしてこのような行動をとるのだろう?と思っていて、ある程度予想していたものの全然違う、180度違う答えがその人物の目線で読むと返ってきました。
    ここまで、面白い作品を書ける人はそうそういないと思います。これは今まで読んできたいろいろな本の中でも特に驚かされる本でした。かんなに驚く作品に次はいつ出会えるのか...そのぐらいのびっくりです。
    かなりの長文になってしまいました(^^)

  • 「好きな小説ベスト3は?」
    と質問されたら、迷わずランキングに入ってきます。今でも1〜2年に1回は無性に読みたくなって、内容も知っているのに読み返します。

    全編口語体で書かれている本に出会ったのは「告白」が初めてだったので、初読時はその斬新さに、驚嘆しました。

    第一章の「聖職者」で、物語の大筋はわかり、それから、章を経るごとに別の登場人物の目線で、事件が語られ、物語が立体的になり、最終章で、森口先生の復讐が完成。
    最終章では、読者として復讐が達成した事に、胸がすっとしました。しかし、100%すっとはせず、どこか胸の一部を抉られた様な不快感も残ります。

    勿論、渡辺くんがした事は悪い事ですが、もっと違った環境が彼にあれば、あの様な事はそもそも起きなかったのではないかと、考えてしまいます。環境は大事ですね。

    何度再読しても飽きることの無い作品です。

  • 「娘は事故ではなくこのクラスの生徒に殺された」と最後のホームルームで語った中学教師は、復讐を果たすべく2人の男子生徒にある仕掛けをしたうえで中学を去る…。女児が死亡した事件の真相と、それぞれの過去、現在、この先のこと…を描くストーリー。

    私、この作品は映画を観たことがあります。中学教師の役を、松たか子さんが演じていました。まさに、ハマり役でしたね!もう、10年以上前なんですねぇ…私も年をとるわけだ(汗)。すごく面白かったので、本も後から購入したん…でしょうねぇ!でも、それから読む機会を持てず、やっと今回読むことができました(^-^;

    読んでみて、映画のシーンが蘇ってきました!ラストはすごかったですよねぇ~。なんか、いい作品は映画を観ても、小説を読んでもいいんだなぁ~ってことを実感できました。母と子…この作品では歪んだ愛の形がテーマなんだと思いました。こうして、レビューをどうするか考えてると、ホント奧の深い作品だったと改めて感じました。

    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは(^^)/
      「告白」好きだなぁ~
      ここのところ、湊かなえさんの作品を読みまくってるけど、
      やっぱ、原点だけあっ...
      チーニャさん、こんばんは(^^)/
      「告白」好きだなぁ~
      ここのところ、湊かなえさんの作品を読みまくってるけど、
      やっぱ、原点だけあって、なんか好きです!
      チーニャさんも映画も本も読んでるんですね!
      なんか嬉しいなぁ…♪
      チーニャさんが、もういちどこの「告白」を読んで
      どんなレビューをしてくれるのか、
      楽しみになってきました(^^)
      あ、でもいつでもいいですよぉ~!
      コメント、ありがとうございます。
      2023/04/15
    • なおすさん
      かなさん

      こんにちは。

      以前、私の感想にコメントをいただいていたことに約半年の時を経て気づき、それをきっかけに、かなさんの感想を拝見させ...
      かなさん

      こんにちは。

      以前、私の感想にコメントをいただいていたことに約半年の時を経て気づき、それをきっかけに、かなさんの感想を拝見させていただきました。

      告白、とても好きな本です。

      レビューを考えながら作品の奥深さを実感する感覚に大変共感しました。
      好きな作品ほど、自分のレビューでは魅力を伝えられていないような気がして、自分の微力さに歯痒くなります。
      魅力を伝える、っておこがましいですが。。
      2023/06/19
    • かなさん
      なおすさん、おはようございます♪
      ブクログ始めた当初は、
      他の読書家さんに読まれることは全く想定しておらず、
      自身の記録としてのツール...
      なおすさん、おはようございます♪
      ブクログ始めた当初は、
      他の読書家さんに読まれることは全く想定しておらず、
      自身の記録としてのツールとして使っていました。
      でも、他の読書家さんのレビューを読ませてもらうと
      誰が見てもわかりやすく、しかもそれを読んだ私が
      読みたくなるようなレビューを投稿している方も多くて
      そんなレビューにあこがれて、今に至ります!

      でも、やっぱり私は語彙力も少ないし
      思うようにはいきませんけれど(^-^;
      でも、沢山のいい作品を読んで読みっぱなしはもったいない!!
      「自分を磨く手段として読書は有効…それだけでは不十分なので、
      そこから得られたものを自分なりにまとめる作業が大切…」
      これ、喜多川泰さんの「手紙屋」という作品にありました♪
      上手にレビューできなくとも、自分なりにでもいい、
      自分のためにこれからも
      レビューを考えていければいいと思ってますよ(^-^)
      この「告白」もいい作品で、私も大好きな作品です♪
      いい作品は、何年たって読んでも、やっぱりいいっ!
      なおすさん、コメントありがとうございます。
      2023/06/20
  • 湊かなえさんの著作、ブクログ登録は2冊目になります。

    湊かなえさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    湊 かなえ(みなと かなえ、1973年1月 -)は、日本の小説家。広島県因島市中庄町(現・尾道市因島中庄町)生まれ。武庫川女子大学家政学部被服学科卒業。2007年には金戸 美苗(かなと みなえ)の名義で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞した。
    現在、兵庫県洲本市在住。

    ちょっと興味をもったのは、生年月日。
    自分と同じ、丑年、山羊座生まれでした。
    私の方が、一回り年寄ですが。

    イヤミスという言葉があるようですね。
    どういう意味かというと、ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことをいいます。
    で、その代表作家が、湊かなえさんだとか。
    これって、非難されているわけではないようですが、ちょっと気になるジャンルですね。

    で、今回読んだ、『告白』。
    こちらは、イヤミス小説の代表作になるようです。
    心理描写というか、その辺が、良く書かれていると思います。

    この本の内容は、以下のとおり。(コピペです)

    「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

  • 10年位前、偶然図書館で見つけ、慌てて手にした本。湊かなえさんが好きになり始めた頃に読んだ本だったと思う。
    今考えると、私にとって初めましての
    湊かなえ作品だったと、貴重な1冊
    だと思うようになった。

    ふたりの男子学生の思い。
    女性教師の我が子への思いは、道はずれた方角へ向いてしまったのではないか?
    ――考え込んでしまう1冊だった。

    • sinsekaiさん
      自分も湊かなえ初作品が「告白」でした!
      あまりにも衝撃的な内容でショックを受けたと同時にものすごくスッキリもしました…

      侍の復讐劇の現代版...
      自分も湊かなえ初作品が「告白」でした!
      あまりにも衝撃的な内容でショックを受けたと同時にものすごくスッキリもしました…

      侍の復讐劇の現代版というか
      自分自身があの立場だったらきっと復讐を思い立つだろうから、非常に共感できました!

      綺麗事を言えば、ひどい話とも取れるし、救いがないとも言えますが…
      賛否両論あるからこその名作だと思います。
      2021/06/24
  • 怖かったけど読みやすくドンドン引きこまれ読み終えてしまいました。読んでいくうちにいろいろなことが繋がっていきそういうことか!とわかっていくのでそういう意味では、すごくおもしろかったです。
    映画化されていたようなのでそちらも是非観てみたいと思いました。

  • 2020/08/05読了
    #このミス作品38冊目

    まさにイヤミスという作品。
    娘を殺された女教師の復讐劇。
    最初から最後まで淡々と重い展開。
    そして誰も幸せにならない。

  • 娘はこのクラスの者に殺された。
    衝撃の始まりからこの事件に関わる人達のその後。真相。
    そして女性教師の最終目的。
    物語の終わり方もまた驚かされました。
    全体的に嫌な気持ちしか残らないけど、それがこの本の醍醐味。
    読んでいて暗くなるけど続きが気になる。
    まるで毒が侵食するようにじわじわとのめり込んでしまう。
    そんな1冊でした。
    湊かなえさんの世界が凄まじい。他の作品も読んでみたいと思います。

  • いつか書こうと思っていたが、あまりにも、「読後感が悪い」というレビューが多いので──

    四年前、帯に魅かれ発売直後に購入したのだが、稀に見る衝撃的な作品だった。

    モノローグで淡々と始まる文章。
    春休み前の終業式での教師から生徒へのメッセージ。しかし──
    ──愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。
    この語りで一気に魅きこまれる。

    こんな小説があるのか!! という驚愕を覚えたのがこの作品だった。
    しかも全体で六つの章から構成されているこの小説。
    元々は第一章『聖職者』だけで完結していたというのにも驚いた。
    もちろん、この第一章の教師の語りだけでも作品としては充分に成り立つのだが、そこから敢えて、他の人物視点でのモノローグを追加し、最終的にまとめあげた。
    他者の告白を追加し、その後の展開を繋げることによって物語はいっそう凄みを増した。
    『聖職者』で一度終わっている話を、流れもインパクトも壊さずに、章を展開させていくのは簡単なことではない。
    それをいとも容易にやってのけた。湊かなえ、並大抵の才能じゃないと思った。
    この本を読み、その切れのある文章とストーリー展開に驚愕し、凄い作家が現われたと思ったものだ。

    だから私には、この小説の読後感が悪い、と評する方々の気持ちが全く理解できない。
    何故に読後感が悪いと感じるのだろう。
    逆に爽快じゃないですか?
    スカッとした終わり方だと感じる私がおかしいのだろうか。
    何故に悪いかなあ……。不思議だ。

    天に向かって吐いた唾は巡り巡って自分の顔に落ちてくる。
    『因果応報』『目には目を歯には歯を』悪いやつは当然、それなりの報いを受けるのだから。
    自分の犯した罪を反省することもなく、さらに悪業を重ねればこんなことになるのだと少年に諭す。
    復習劇ではあるけれど、これは当然の報いだろう。
    愛する娘を何の理由もなく殺されてしまった母親の悲しみの深さを考えれば。
    最後に救いがないと書かれる方もいるが、何とか希望を与えてあげたいと共感するような人物なら救いも必要だろうが、全く反省していない自分勝手な男の子。
    無差別連続殺人鬼を懲役三年執行猶予ニ年というような軽い懲罰にして、救いを与える必要がいったいどこにあるというのか?

    最後、自らの浅はかな行動によって、最も愛する人を理不尽にも殺されてしまったつらさや悲しみを、ようやく気付くことができるのですよ、修哉君は。
    そのような他人の悲しみを実感として知ること。
    自分の犯した過ちがどれほど人の心を傷つけたかを知ること。
    これこそが甘ったれた考えを持った修哉君にとって、今後の人生の中で厚生に繋がり、救いになると私は思うのだけれど。

    自ら犯した罪はやはり必ず償わなければならない。
    その償い方が、これほど強烈で凄まじいものだとしても。
    彼を本当の意味で救うのなら、このラストのような方法しかないと思うのだ。

    だって考えてもみてください。
    最愛の娘を遊びまがいで殺され、どうしようもない絶望感と悲しみを胸に抱え、その犯人を知りながら法で裁くこともできず、本人に反省の色もないと気付いた森口先生の立場になったら、あなたはどんな感情を抱き、どうしたいと思いますか?

    • MOTOさん
      初めまして。
      読後、又は観賞後、他の人はその作品に触れてどう感じたのだろうか?
      とは、とても気になる所ではありますが、
      それがあまりにも同じ...
      初めまして。
      読後、又は観賞後、他の人はその作品に触れてどう感じたのだろうか?
      とは、とても気になる所ではありますが、
      それがあまりにも同じような感想ばかりだと
      (こんな風に思う事が正解で、それ以外は間違いなのか?)なんて、読んだ本に対して、非常に失礼な思いで心が痛む事があります。
      Koshoujiさんの書評は大変興味深かったです。
      著者が実際目にしたら、きっと大喜びするのではないか?と、思いました。

      2012/10/31
  • 面白かった。読む手が止まらず一気読み。告白は有名な作品ですが、初めて読みましが、衝撃でした。ラスト、そうきたか…といった感じでした。こういうのすごく好き。

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ゆりさん、初めまして(^o^)

      私もこの作品、気に入っています
      テンポ良くて、どんどん引き込まれてしまいますよね
      ゆりさんの感想を読んでい...
      ゆりさん、初めまして(^o^)

      私もこの作品、気に入っています
      テンポ良くて、どんどん引き込まれてしまいますよね
      ゆりさんの感想を読んでいたら、再読したくなりました
      2023/09/03
    • ゆりさん
      k村さん、はじめまして。

      遅くなり、すみません。私もどんどん引き込まれましたー(笑)
      k村さん、はじめまして。

      遅くなり、すみません。私もどんどん引き込まれましたー(笑)
      2023/09/18
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      大丈夫ですよ、お返事ありがとうございます♪

      これからもよろしくお願いします(^O^)
      大丈夫ですよ、お返事ありがとうございます♪

      これからもよろしくお願いします(^O^)
      2023/09/18
  • 女は怖いと思う方にオススメしたい一冊です。
    女である『母』がテーマの作品だなと読後、感じた。

    母親の愛情や過保護、または虐待からの子供の人格破綻を呼んだ悲劇が読みどころである。
    各章に『母』の強さ、『女』の強かさを感じた。
     とても冷静沈着に目的を果たすラストの復讐劇は身震いがした。

    ただ、残念なのがHIV差別と取れる様な復讐の手段にした事である。それを違う手段であれば☆5の作品でした。イヤミスの手段と方法としては、とても嫌悪を感じた。そう言う意味合いも含めて、読者に課題を出していたならば、ある意味凄い。





    • koshoujiさん
      初めまして。koshoujiと申します。
      フォロー、或いは私のレビューに“いいね”をいただき、ありがとうございます。
      10年ほど前、ひた...
      初めまして。koshoujiと申します。
      フォロー、或いは私のレビューに“いいね”をいただき、ありがとうございます。
      10年ほど前、ひたすら本を読んでいた時期があり、ブクログに掲載しているレビューも、その頃のものが殆どですが。
      その後、故郷の同窓生探しのためにmakopapa77という名前で、歌うYouTuberに変貌し、小遣い稼ぎしていました。
      この2023年2月に、めでたく「前期高齢者」の仲間入りを果たし、4月からは、週に6日は日曜日状態(笑)になり、今後はようつべとブクログの両立も可能で、新しいレビューも書けそうです。
      ただし、海外旅行が増えるので、無理矢理そちらにかこつけたレビューが多くなるかもしれません。
      それでも、読んで楽しくなるようなレビューを書き続けたいと思いますので、読書仲間として末永くよろしくお願いいたします。<(_ _)>
      まーさん。1733348番目の読書家さんのレビューも楽しみにしております。

      この「告白」は稀に見る衝撃的な作品で、当時、凄い新人が現れたと思ったものです。映画も、松たか子、岡田君、など適材適所に役者がはめられており、原作の期待を裏切らない作品でしたね。
      2023/04/07
    • まーさん。1733348番目の読書家さん
      koshoujiさん
      初めまして。コメントありがとうございます!
      早速、YouTubeを聴かせて頂きました。
      凄く、歌がお上手ですね!!
      音...
      koshoujiさん
      初めまして。コメントありがとうございます!
      早速、YouTubeを聴かせて頂きました。
      凄く、歌がお上手ですね!!
      音痴の私には羨ましい限りです。
      私の辞書には音程とかリズムと言う言葉がない様です。笑
      湊かなえ作品は近日中には全てを読破したく思っております。
      今後とも宜しくお願いします(^人^)
      2023/04/07
    • koshoujiさん
      お聴きいただきありがとうございます。<(_ _)> 年には勝てなく、声も声量も音程も耳も喉も(笑)劣化し続けており、自分で聞いても「これ、ア...
      お聴きいただきありがとうございます。<(_ _)> 年には勝てなく、声も声量も音程も耳も喉も(笑)劣化し続けており、自分で聞いても「これ、アップしていいのかなあ」と迷うものが多くなってきています。どこまで行けるのか、可能な限り頑張ってみますが。
      湊かなえさんは、いつになったら直木賞取れるのでしょうね。何となく、受賞させる時期を逸してしまったような気がして、仕方ありません。
      2023/04/07
  • 憎しみからは憎しみしか生まれないとよく言うけれど、自分の子をくだらない理由で殺され、加害者を憎まない親がいるのかな。

    同じ目に遭わせたい。それ以上の苦しみを味合わせたい。なんの解決にならなくても、私はそう思ってしまう。

    目に見えない恐怖を与える。加害者が自分より大切に思っている人を奪う。
    それを見事にやり遂げた森口先生に拍手を送りたいくらいの気持ちになった。

    これはイヤミスなのかなー...暗い気持ちにはなるけれどスカッとしてる自分も。
    被害者の親の気持ちで感情移入してしまったけれど、加害者の親だったらどうするのか、何ができるのか...
    各章、語り手が変わり独白していく流れに引き込まれ、親として子への愛情とはなんなのか...考えさせられる作品でした。

  • 引き込まれて、どんどん読めました。
    ポイントは母。
    大切な人を奪われた母の復讐。
    最後まで息がつけない

  • 大学生の頃映画を観たときは正直良さがよく分からなかった記憶があるが、最近湊さんにハマりあらためて手に取ってみた。

    良かった。
    最初からグイっと物語に引き込まれる。ストーリーを語る視点を変えながら、真相、それぞれの思惑に近づいていく手法、さすがです。
    学校生活が思い描いた通りにいかない憤り、焦り、不安、親から愛されたいという願い、誰かから褒められたい承認欲求…その大きさに違いはあれど、誰もが抱く思いを抱えて生きる子どもたち。なんとも言えない気持ちになるけど、イライラするときの自分の気持ちを見つめ直すきっかけにもなる。

  • 最初からどんどん引き込まれていった。あっという間に読み終わりました。

  • まさに原点にして頂点。この人の本、まだこれしか読んでないけど。
    細かな人間の心の動きを、全くの無感情で書き上げるという一見矛盾した手法で進んでいくのが不気味だった。
    これって最終的には森口悠子先生は殺人者になるのだろうか。

  • 読みやすい。
    おもしろい。
    予想外。
    良かった~。

  • それぞれの深い人間模様が描かれていて、とても面白く読めました。
    あとから いろいろ考えさせられる本です。
    ミステリー好きにはおすすめです。。

  • 「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
    我が子を校内で亡くした中学校の女性教師森口によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。
    語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、イヤミスの女王・湊かなえのデビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
    自分だけの世界に浸り肥大した承認欲求をもてあまし命の価値を実感出来ない思春期の生徒、娘を殺した生徒に対して巧妙に仕組まれた復讐を仕掛ける担任教師森口、犯人生徒、犯人生徒のひとりに片思いする女子生徒の視点から描かれる森口の復讐から浮かび上がるのは、思春期の生徒の独り善がりな正義感や自分の感情と承認欲求しか大事に出来ず命の価値を実感出来ない歪んだ心理(特に自分の才能を発揮して自分を捨てた母を振り向かせたい一心で起こしたのが殺人だった主犯の生徒のサイコな心理や女性教師森口に操られているとも知らず主犯の生徒をいじめる生徒の独り善がりな正義感など)、息子を美化するあまり本性が見えず悲劇的な結末を迎える犯人の一人の生徒の母と熱血教師でいようとするあまりクラスの実態に気づかない熱血教師ウェルテル、復讐の果てにあるとことん救いのない結末まで、アンチ学園ドラマイズムで描き抜く、逆説的命の授業的な傑作イヤミス小説です。
    「あなた方は嘘をつくのが上手いですから」「誤った生徒に自分の罪を認めさせ命の大切さを実感して欲しい。自らの犯した罪の重さを知り、それを背負って生きて欲しい」「法律が許しても私はあなたを許しません」「これが私の復讐です。本当の地獄。ここからあなたの本当の更正が始まるんです」

  • 我が子を校内で亡くした中学校の女教師が今日付で辞めるというときの最後のホームルームで長い長いそれでいて冒頭のような一言が飛び出す衝撃的な独白から始まり、ショッキングに終わり、そこからもさらに異なる複数人からの視点の物語が続き、最後にもう一度女教師からの電話による独白でやはり衝撃的なラストで終わる物語。

    最初の長い独白を読み始めた時、これは長いぞ。。。と思ってたら、衝撃的な文章が続き、気が付いたら最後まで一気に読み進めていた。昼休みの間に読み終えてしまったぞ。
    すげぇぞ #湊かなえ さん。

    告白は #森たか子 さんで映画化されてたのがAmazonプライムにあったので後で字幕あったら見てみよう。

    (※Amazonプライムにもたまに日本語字幕がついてる邦画があったりする)

    登場人物全員に救いのない終わりになるエンディングなので、それが嫌な人にはお勧めしないです。
    例えば悪い夢を見たら尾を引いてしまうぐらいだとやめといた方がいいかもね。

    そうでもない人なら私が感じたようなスパッとした最悪の幕切れ感が味わえるので間違いなくお勧めです。
    ホラーではないけど、まあある意味最悪なエンディングになるホラーなのでそれが平気なら?というレベル。

    そして、独白のような長い文章苦手なんだよなと思う人もいるかもしれないけど、最初の2ページか3ページは我慢して読めばあとは最後まで一気に読めちゃうと思うよ。

    子どもを殺された女教師が受け持つクラスに犯人がいたとしたら。
    教師としての責任を貫くのか、それとも復讐を企てるのか。

    最後の最後まで目が離せない物語なのでぜひ。

    私ははっきり言ってこのエンディングの展開は読めず、最後まで読み切ってこう来たかーと思った。

    子どもは残酷と言うけどそれが如実に現れた小説だったと思う。

  • 6章だての小説だが、それぞれの章がほぼ独立した短編としても読める。というか、最初の3章は月刊雑誌に1章づつ間を置いて書かれたもので、あとの3章は全体を1つのストーリーとするために書き下ろされたもののようであり、もともと連作作品として書くことをイメージしていなかったのかもしれない。最初の1章は素晴らしく面白い。ミステリーというかスリラーというか、そういうカテゴリー分けはどうでも良いのだけれども、読んだあと、少し背筋が凍る感じがある。それに比べて、最後の3章、書き下ろしの部分は、少し設定やディーテイルに無理がある感じがあって、前半ほどの面白みには欠ける。たぶん、この人は短編の書き手として才能がある人なのだろう、と思った。

  • 始めて湊かなえさんの本を読みましたが、とっても面白かったです。そりゃ、有名になるわけだ。
    色んな視点から見れるのはやっぱり面白いですね。やっぱり子供が犯罪を犯すのは環境が大きいですよね。ただ、認めてもらいたいだけなのに、、。それが違った方向に行くことで犯罪を犯してしまうんですね︎(涙)
    まぁ、そうは言っても最後の終わり方は大好きでしたね!よくやった!!!って思っちゃいました笑
    自らの手で最愛の人を殺させる!うん、最高の復讐ですね。ただ、母親の周りにいたであろう他の研究員たちも巻き込まれちゃってるよねたぶん。そこだけはなんかなぁ、、ってなりました。さすがイヤミス。すっきりだけで終わらせてくれない。そういうの大好きです。

  • 個人的にはハッピーエンドの話以外は嫌いなんだけど。

    なんかもぅ嫌な話ばっかり淡々と色々な視点から語られていくばかりなのになんか異様に引き込まれて読み進めてしまっていた。

  • いつもはほっこり系が好きな私ですが、たまにはミステリーをと思って手に取った。
    読み出すとなんと止まらない。作者の筆力に引き込まれ、4時間くらいで一気読みだった。

    色々と怖いな。
    身勝手で自分だけ良ければいいという人間がこうやって事件を起こす。

    ラストがまた衝撃で、なるほどそこまでやって本当の復讐なのねと。
    子どもを持つ同じ親として、被害者の母親である森口先生の気持ちは痛いほど分かるけど、ゾクっとした。

  • 幼女の事故死に関わるの人物のそれぞれが独白、告白していく物語展開。
    本当の加害者はいるけれどそれぞれの思いが絡み合って全員が加害者でもある、物の見方や立場によっても変わってくる…複雑な思いで読みました。
    中学一、二年生は、大人じゃないけど子供とも違う。とても多感な時期。
    でも母親からの愛情が欲しいし、褒めて貰いたい。
    母親の愛情は幾つになっても必須。
    そして、その両親(特に母親)の子供の教育についても考えさせられる部分です。

  • イヤミスにのめり込んだきっかけの作品。

    読後のもやもや感は何度読んでも味わえる。
    湊かなえさんの作品はほとんど読んでいるが、個人的には一番お気に入り。

  • 湊かなえ作品11冊目にしてやっと本書を読んだ。
    なぜなら本書だけ、家族が購入して家に有った為、私にとって「いつでも読める積読本」となってしまったからだ。
    貸し出し期限付きの図書館の本ばかり読んでいると、このように手元にある本は長年積読本となってしまう。
    そして読書習慣が無いのに何故か購入してきた家族もまた、当時読んでいた様子は微塵も無かったし、存在すら忘れていると思う。

    そんな積読本の内の1冊だが、今読んで良かった。
    直近に読んだ湊かなえ氏の3冊とは比較にならないほどに、本書は断然凄かった。
    森口先生の復讐を「痛快であった」とまで言ってしまうのはいけないことなのかもしれないが、我が子を殺された彼女の言っていることにほぼ賛同してしまう。
    ただ森口さん、あなたのやった復讐は、ピンポイントではなく、建物を半壊させるほどの威力であった。
    なんなら当のターゲットはその時そこに居なかったかもしれない。
    巻き添えになったであろう多くの無関係な犠牲者(おそらくは大学の学生達)の命とその親のことを考えることができなかった貴女に、そこで失望した。

  • イヤミスとは思わず、私はスカッとした。

  • 母と愛

    登場人物の頭脳が明晰なこと
    心理作戦というか

    タイトル通り真実や想いというのは本人の口から
    嘘偽りなく聞かないと伝わらない
    それを受け止めることができるか、、、

  • 全く予想していなかった結末だった。
    殺人を考えたA君は母親からの虐待と、次の家族から疎外されていた。マザコンといった同級生を殺した。
    最後に殺したB君は母親から失敗作といわれて母親を殺した。
    事件が起こる背景にはなにか原因がある。あった。
    なんだか、ただの娘を殺した生徒と、殺された先生の話だと思っていた。でも違った。
    悔しくなったり、涙したりいろんな感情が溢れ出た。
    加速して読み切ってしまった。
    血液を牛乳に入れるのを阻止した夫のような行動を、殺人犯に対する更生を望むことが自分だったらできるんだろうか。
    最後、先生は爆弾を移動させた。
    先生は罪に問われるのだろうか。

全3104件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×