- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575236538
感想・レビュー・書評
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服役を経験した行介が営む珈琲屋。
幼なじみの冬子を始め、ここを訪れる人々との交流を描いた連作短編。シリーズ化しそうだ。
『田村はまだか』なども店主の視点で訪れる人々が語られていくが、この物語はオーナーの特異な経歴を知ったうえで、引き寄せられる人々を描いているところに独自性がある。
行き着く先は見えているようにも思うが、冬子との関係が遅々として進まないところなど、不器用な感じに好感を持つ読者は多いだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池永作品にあるときからはまりました。本作は、珈琲屋というコーヒー屋を営む行介さんをめぐる人々の短編連作です。ちょっと無理があるかなあ、という感じがしますが。
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総武線沿いの小さなまちの商店街にある、喫茶店「珈琲屋」。その主人と客のお話が7つ入っている。第一章は、思わぬことで大きな罪をおかした過去をもつ主人の物語。彼の刑期の間に他の人と結婚した元恋人は、彼が出所したころに離婚していた。彼女の浮気が原因だという。
いろいろな悩みごとがでてくるけれど、なんとなく展開が予想できるものが多かった。きれいさっぱり解決!とはいかないですね、何事も。
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題名に釣られて借りてみた。何処かにも書いたけれど、以前は生業にするほど、珈琲そのものに凝っていた。生豆を仕入れ、焙煎して淹れる、カップにも凝り、好きな様に遣っていた。唯、雇われ店主だったので、売り上げや利益にも気を遣わなければならず、オーナーからの突き上げもツラく、友人に代わって貰い、手を退いた。後の事は知らない。さて、この話はどうなのだろう?結果、☆3つ半かな。古い商店街の其々二代目の、三人の幼馴染に纏わる七編の恋物語。紆余曲折を経た不惑間近の男女の恋愛って、自分自身も、とおって来た道、全く解らない訳ではない。あの頃はああだった、自分の時はこうだった、とか。若い人にはオジサンの恋愛はこういうモノなんだと、過去に通り過ぎてきた方には、笑い飛ばして、苦虫を噛み潰して、時には微笑んで読んでほしい。本当は、☆5つ以上挙げたいが、戒めのつもりで3つ半、作家さん、ごめんなさい。
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装丁に惹かれて読みました。
雰囲気の良い作品ですが、若干古臭い。で、共感しにくいなぁという印象。罪を背負った主人公と、彼の出す珈琲には惹かれるものがあったけど。