珈琲屋の人々

著者 :
  • 双葉社
3.17
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本棚登録 : 513
感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236538

感想・レビュー・書評

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  • もっと『珈琲』に関わる物語かと思ったのですが、殆ど作中に出て来なくてちょっとがっかり。一応、特製ブレンドを気に入っている人は色々出てきますが、常連としてのもので、あまり読み手に伝わってくるものはないですし。ヒロインである冬子も、あまり魅力的には思えないので、ラストの登場シーンはむしろ空気の読めない女…という気がしました;

  • つの連作短編集。
    とあるちっぽけな商店街の喫茶店「珈琲屋」のマスターが
    キーパーソンとなり 心に傷を持った人々が
    様々なドラマを覗かせてくれる。


    必ずしもハッピーエンドではなかったり、予想していた

    終わり方ではなかったりする所が良い味を出していました。


    初恋

    主人公のマスター行介の人物紹介などを含め、結末にはハッと驚きました。


    シャツのぬくもり

    物語に登場する夫婦間だけではなく、エゴイズムに関して考えさせられる作品でした。
    今後の人生において私は胸に刻もうと思いました。


    心を忘れた少女

    省子ちゃんが本当の自分を知るまでのプロセスが面白い。
    行介だからこそ説得力のある言葉が印象的でした。


    すきま風

    登場人物のほとんどがお年寄りや年配の方という背景が、
    よりいっそうと切なさや苦境に味わい深い色をつけている。
    この人間ドラマはある意味、泣けてきました。


    九年前のけじめ

    ややすると暗くて重いテーマですが、青春のような爽やかな風が吹きました。


    手切れ金

    この作品集の中でいちばんユニーク。プッと笑えました。


    再恋

    最後はどーなるの?という感じがジワジワ広がり楽しめました。



    この本も凄く良かったです

    作者の池永陽さんに感謝したいです。

    この本を読むと珈琲が飲みたくなりますよ。

    とびきり熱い珈琲が。。。

  • さびれた商店街で、一人喫茶店を経営する主人公。彼は過去、悪徳地上げ屋を殺してしまった罪で服役したことがあった。そんな彼のことを知ってか、知らずか喫茶店に訪ねてくる人々を描いた連作短編集。

    読んでいて、リアルさを感じられなかった。殺人を犯したマスターがいるからという理由で喫茶店に訪ねてくる人がほとんどだったからだ。喫茶店とは一杯のコーヒーを求めるためにあってほしいと思う。

    とはいえ、主人公の淹れる珈琲は飲みたくなる。

  • 2009.06
    珈琲屋に来る人々のほろ苦い話。

  • 2009/5/16 読了(2009-028)

  • 装丁がカフェじゃなくて喫茶店なのがお気に入りです。
    お話は珈琲のように、スッキリという感じではないけれど。
    ちょっと読んでみるには、いいかも??

  • 2009/05/23-2009/05/24

  • とある商店街の珈琲屋にフラリと立ち寄る人たち。訳ありの店主に、昔その恋人で出戻ってきた同級生など、手の届く範囲の世界で起こる、さまざまな愛憎劇。穏やかなんだけど、起こっていることは穏やかじゃない。お店のイメージは『マンハッタン・ラブストーリー』って感じだなぁ。

  • 3月27日

  • 暗い過去を持つ男が営む喫茶店「珈琲屋」。亡き父親がつくった店だ。そこに、心に傷を負った人々が集う。7つの連作短編。

    登場人物たちが傷を負った経緯にいささかぎこちなさを感じたが、人間心理を描こうという著者の筆致に、多くの人がどこか自分にも引っかかるものを感じるのではないだろうか。

    人の心の中にある湖。大きいのか小さいのか。いずれにせよ深く、底は見えない。本人でさえわかるのは透けて見えるところまで。
    ところが、何かをきっかけに、心の湖に漣が立つ。大きなうねりになる。すると、本人さえ見たことのなかった深いところが一瞬見えたような……。

    「自分にできることなら何でもする」、心の底からの謝罪の言葉。しかし、「好きになれ」ということには……。
    浮気している亭主を非難する妻。亭主に浮気の理由を問いただすと……。
    荒んでみえる少女の心。でも、本当は……。
    恋愛経験の少ない60代男性の心に吹き込んだすきま風。

    7つの物語に、人間の二重底的な心を再認識させる小さな事件が描かれている。二重底的というのは、単純な本音と建前というのとは違う。もっと心の奥の奥にある本心。実際に追い込まれないと出てこない、心の奥底にしまいこんでいる感情というものを意識させる作品だった。

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著者プロフィール

1998 年「走るジイサン」で第11 回小説すばる新人賞受賞。2002 年「コンビニ・ララバイ」で注目を集める。06 年「雲を斬る」で第12 回中山義秀文学賞受賞。その他著書多数。

「2021年 『おっさんたちの黄昏商店街 それぞれの恋路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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