優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575511932

感想・レビュー・書評

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  • ★2008年11月4日 82冊読了 『優しい音楽』瀬尾まいこ 評価B+
    表題の「優しい音楽」突然駅で声をかけられて、次第に付き合うようになったタケルと千波。なぜ千波は、タケルを両親に紹介しないのか? そして明らかになるその理由。重苦しさを感じながらも彼なりに努力するタケル。
    その他に「タイムラグ」不倫関係の彼の子供を1泊2日で預かる羽目になった深雪。そして始まる2日間。
    「がらくた効果」なんでも物を持ち帰る同居人はなこ。そしてよりによって持ち帰ったのはホームレス中年の男、佐々木さん。3人で過ごす年末年始はいかに。
    やはり優しい音楽が面白いですかね。すばらしい!!ていうほどではないのですが、何となく次が読みたくなるそんな作家です。

  • 瀬尾ワールド全開!
    と言う内容紹介を読み、初めて瀬尾さんの作品を読ませていただきました。

    3つのお話からなる短編集でした。
    どのお話からも、コレはありえないって思うところから、どれも読み終わると何故か共感が持てたり、なんか自分が踏み出せないでいるあと一歩をそっとあとおししてくれるような、優しいんだけど身が引き締まるような?
    とてもあたたかい作品でした!

    3時間位で一気読みしました(笑)

  • ★3.5
    全3編が収録された短編集。その全てに共通しているのは、設定がどこか現実離れしているということ。不倫相手の子どもを預かること、ホームレスを拾ってくることは、日常生活でそう簡単には起こらない。が、そんな状況であっても、登場人物たちが優しく温かく、自然と心がほっこりする。中でも、「タイムラグ」の深雪は同僚と不倫中で、その相手・平太もいい加減で酷い男だと言える。それでも、解説にも書かれていた通り、そんな平太でさえも最後には「そこまで悪くないかも」と思わせる不思議。「がらくた効果」の丁寧な三が日も素敵。

  • 瀬尾まいこワールド全開のやさしい短編集。

    表題作の「優しい音楽」は途中でオチが読めたけどウルッとするくらいほっこりする、良い話だった。
    「タイムラグ」も「がらくた効果」も面白くて読みやすかったけど、どれもその後が気になる…というもやっとした読後感。

  • 短編小説「優しい音楽」、「タイムラグ」、「ガラクタ効果」収録
    瀬尾まいこさんは言葉の一つ一つがきれいで、胸にすっとなじむ感じがする。
    もう会えない愛しい誰かにそっくりな人を見つけたら、私だって見つめてしまう。だめだって分かってても、その人を見るためだけに駅に行ってしまう。
    この小説の素敵なところは、タケルさんが誠さんだけで生きようとしなかったこと。千波ちゃんの家族はタケルさんを見ながら、ゆっくり、ゆっくり、誠さんの死を受け入れていくのだと思う。

  • ジムで林真理子や群ようこの
    本読んでるって言ったら
    女性に瀬尾まいこをすすめられた。
    というわけで早速図書館で借りてみた。
    こういう本との出逢いって大事だよ。
    予期せぬ出逢い=風流、ってこと

    前半千波とタケルのチグハグ感が
    大好きな映画監督ジム・ジャームッシュの
    作品に通じているようで心地よかった
    ------------------
    P25
    「そうそう私はタケル君の味方だよ」
    「今度は何?」
    「みんなが反対しても私は味方だから」
    「そうなの?」

    「嬉しくない?」
    「何が?」
    「何がって、私が味方だってこと」
    「いや、嬉しいけど
    でも俺、別にみんなから反対されるような
    ことしてないし」

    「じゃあ、やっぱり、
    タケル君だって辛いこといっぱいあるもんね」
    「何それ」
    「私わかる。そうやって明るく
    振る舞ってるけど
    本当は泣きたこといっぱいあるんでしょう」
    「いや、特に今のところは泣きたいことも
    辛いこともないし、
    俺って努めて明るく振る舞うといった
    芸風も持ち合わせてないしなあ」
    ----------------------
    P48
    「すごいね恋人って。
    何でもありになっちゃうんだね」
    ---------------

  • 駅でいきなり声をかけられ、恋人同士になった二人の話「優しい音楽」、不倫相手の子供を預かり、その祖父に会いに行くことになった「タイムラグ」、同棲してる彼女が拾ってきたのは、おじさんだった「がらくた効果」。3編を集めた短編集。
    著者ならではの、ほっこりする短編だが、イマイチ。

  • 2017.11.30 読了


    短編集。

    どれも 面白かった!

    特に タイトルにもなってる「優しい音楽」は
    ラスト じ~んとした。

    次の「タイムラグ」は 最初は
    若干 嫌悪感があるんだけど、
    だんだん 惹き込まれた!
    ラストはほっこりした。

    その次の「がらくた効果」も然り。

  • どれもすごくよかった。瀬尾さんの書く世界が大好き。

  • 3編の薄い本なのですぐ読めちゃう。表紙がほんわかしてとってもかわいい。ほんわかしたお話なんだろうなと構えず読んだら全編とも結果オーライとはいえ衝撃。タケルくんそれでいいのか。比べられるし身代わりにされる気がしてゾッとした。深雪さんそれでいいのか。所詮都合のいい女というフレーズが当てはまりすぎて悲しい。佐々木さん...奇妙な同棲すぎる。家帰っていきなり佐々木さんいたらパニックになる。その衝撃は面白かったかも。
    h29.7.6

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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