贖罪 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515039

感想・レビュー・書評

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  • 続きが気になって前のめりで読み進めました!
    湊かなえさんの本はどれも
    良い意味で余計なことを考えず、
    その作品のドロドロと負が渦巻く作品の中に没頭できるので好きです。

    言葉の威力って、
    良くも悪くもその後の人生に影響を与えるくらいの力があるという恐ろしさ、
    人を憎んでも、負の連鎖が続き、救いがない。

    人間の様々な欲望や憎悪など
    いろいろな視点で嫌というほど味わえた作品でした。

  • 再読だつた。実は、まだ読んでいなかったと本棚から取り出して読み始めて気づいた、読んだことあると。

    湊かなえさんらしさが出ている、後味の悪い作品だ。でもなぜか古本屋さんに持っていけない。
    決して読んだことを忘れて読み始めた事の言い訳ではない。

    どこか、パクチーのような、八角のような、私にとっては後味が悪いけど口に運びたくなるもののような感覚だ。決して読んだことを忘れて読み始めた事の言い訳ではない。

    15年前の女子児童殺害事件の当事者たちひとりひとりがその後の人生を語っていく。
    その人生は決してハッピーではない。ゾクゾクする怖さを醸し出してくる。
    誰にでもありそうな心の奥底にある黒いモノを表現により顕在化させている。それが怖くて、でも理解できるから、湊かなえさんの作品を時々読んでみたくなるのかもしれない。決して読んだことを忘れて読み始めた事の言い訳ではない。

  • 小学生の頃同級生が殺害された。殺された少女の母親から「贖罪」を求める言葉を受けた4人の15年間を描く。
    悍ましくて重たくて怖いのに先が気になる。
    読ませる小説だけど後味が悪い。
    「償い」ってなんだろう。

  • 湊かなえさんは映画で『告白』、ドラマで『リバース』と『夜行観覧車』を観たことがありましたが、小説は初めて読みました。

    昔言われた何気ない一言をいまだに覚えてる経験は私にもあります。全く関係ない場合もあるでしょうが、何か無意識に個人の抱える悩みに結び付いている言葉だったりするのでしょうか。

  • 湊かなえさんの本は、精神的に追い詰めるものが多く、読んでいてつらくなるが、途中でやめられない。
    最後どうなるんだろう、という好奇心から読むスピードもどんどん速くなり、今回もあっという間に読み終わった。
    悲しい話だった。

  • 初めての湊かなえ。妹の薦めで読み始め。

    最初は結構グロいなと思ったけど、それぞれの語りから紡がれる過去と殺人までの過程に引き込まれ、最後までどんどん読み進めてしまった。

    面白かった。

  • 重松清の「十字架」を思い出した。
    言葉には、ナイフの言葉と十字架の言葉がある。
    ナイフの言葉は胸に突き刺さる。なかなか立ち直れなかったり、そのまま致命傷になったりするかもしれない。だけど、一番痛いのはナイフで刺された瞬間だけ。
    対する十字架の言葉は、背負わなくてはならない。それがどれだけ重くても、途中で降ろすことができない。歩みを止めることもできない。生きている限り、背負って歩かなければならない。

    エミリの母は、四人の女の子に十字架の言葉を浴びせた。
    しかし、それは本人にしてみれば感情的になってつい口から出てしまっただけのものであって、十字架の言葉だなんて思ってもいなかった。

    "贖罪"とは、善行を積んだり金品を出したりするなどの行動によって、自分の犯した罪や過失を償うこと、だという。
    四人の少女の罪は、いったい何だったというのだろう。

    エミリの母は、一時の感情で少女たちに十字架を背負わせておきながら、事件の原因は自分であることを知った。それでいて特に悪びれた様子もない姿にはゾッとする。
    彼女なりに四人に償わなければならないと、過去の罪を告白したようだが──そんなことで、四人が解放されるというのだろうか。
    そもそも何をしたら贖罪になるのだろうか。
    そんなことを考えさせられた。

  • 前に読んだ話。
    本を読んだ後にドラマ?か何かの映像を再放送とかで見たからか子供がボールで遊ぶところに男が来るシーンは今も映像記憶が残っている。

  • 湊かなえさんの第3作品目。
    著者の本に関しては、色んな本を読まさせているが、やはり心理描写が上手い!
    誰にでも感じたことがある、
    妬み、嫉み、嫉妬それらをさらに深堀りして
    一つの作品として完成されている。
    読んでいくうちに徐々に感じる、
    ゾクゾク感は、
    やめられないね笑

  • 倫理観の欠如した大人、癖が強いでは済まない異常者が続々と登場し、気が滅入る思いになった。
    あと、本筋ではないが、田舎特有の閉鎖性・排他性、相互監視社会は、自分も感じたことがあり、共感してしまった。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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