京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517750

感想・レビュー・書評

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  • 寺町にある骨董屋が舞台のライトミステリー。京都や日本文化に関する薀蓄の目の付け所やストーリーへの組み込み方が上手いので、読んでいて楽しく、人気があるのも頷けます。
    惜しむらくは、登場人物のキャラクター設定が「いかにも女子ウケを狙いました」という感じがするところ。作品の品を損なっているのが残念ですが、一方でそれも間口を広げるのに貢献しているのだろうな。

  • 第四回京都本大賞受賞作

    京都を舞台にした、女子高生古城葵と骨董品店「蔵」の店主の息子家頭清貴のライトミステリー

    葵は、埼玉から京都に転校したばかり。
    埼玉でつきあっていた彼が親友とつきあうことになったという噂を聞き、大ショック。
    自らの目で確かめるために、埼玉までの交通費を作ろうと家の骨董品を売ろうとしたのがきっかけで、通称ホームズの清貴と知り合い、「蔵」でバイトをすることになる。
    「蔵」に持ち込まれる相談事を次々に解決していくホームズは、京都府大から京都大の大学院に進学したイケメン。
    天才と呼ばれる国選鑑定人の祖父の血を継いだと思われる鑑定の才能の持ち主。

    京都本大賞に選ばれるにふさわしい、京都の見どころをさりげなく紹介されていて、京都が身近に感じられることうけあい。


    望月麻衣(もちづきまい)
    https://ameblo.jp/maimotiduki/


    P36
    「下鴨本通り」は「河原町通」という名前に代わる
    この今出川通りは、高野川と賀茂川という二つの川がひとつになって「鴨川」となる交流部分を臨むことができる。賀茂川は高野川と合流してから「鴨川」と漢字が変わるらしい

    P38
    「御池通」まで来たことを確認して、上の通りへと出た。少し西に移動すると、京都市役所が見えてきた。市役所とは思えないレトロさと重厚さがとてもすてきだ。

    P56
    京都の桜の名所は仁和寺というイメージがしっかりついた

    P58境内正面に見えるのは巨大かつ重厚な「仁王門」

    p73西行法師の歌
    「願わくば花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃」2/15の釈迦の命日に死にたいと思っていたが、2/16に亡くなった
    如月の望月

    P76
    斎王代(さいおうだい)~p80

    p96京都の花街
    先斗町 祇園、上七軒、祇園甲部 祇園東、嶋原、宮川町の6つを「京の六花街」

    P135
    糺の森 祭神 賀茂建角身命かもたけつのみこと

    P136
    賀茂祭

    P148百萬遍 知恩寺

    P159知恩寺の善阿ぜんなさん有名僧

    P189
    鞍馬寺の仁王門 義経の育ったところ

    P280
    かくとだに、えやは伊吹の、さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを

    契りおきし、さしもぐさ

  • 結構本屋さんに行くと取り扱いが多いし、表紙もかわいらしいので気になっていた作品。
    女子高生の真城葵は、ひょんなことから骨董店「蔵」でアルバイトをすることに。店主の息子の家頭清貴はホームズと呼ばれるほど洞察力が鋭い。
    清貴や周囲の人間とのかかわりの中で、遠距離をしていた恋人と親友がいつのまにか付き合っていた心の傷が癒されていきます。
    最後、その元彼と親友(と前の学校の友人達)が現れて葵を傷つけますが、ホームズが鮮やかに葵を助けてくれるのがいいですね。たぶん友人達に悪気はないんでしょうが、無邪気な親切心で葵を傷つけていることに気付かないのよね。
    清貴も元カノとの関係を清算するし、これからの二人が楽しみ。

  • 半身浴中の暇つぶしに。私には合わなかったです。ノリがふた昔前の少女漫画。主人公は男に振られたため他人のものを盗んで売っ払おうとしたと言うのにひたすらいい子扱いされるのが不思議だった。骨董×ミステリという着眼点はとてもグッときたのですが。

  • 京都、骨董屋、女子高校生のバイト、
    頭の切れるイケメン院生。

    これでもかっていうくらいの
    トッピングをつけた甘ーいドリンクみたいだ。

    軽いミステリーで飲みやすい、
    いえ、読みやすい。

    和歌のやりとりがお気に入り。

    上代文学の万葉集が一番お気に入りの授業だった。
    和歌ってお洒落で知的。
    この時代、通い婚で女子のほうが
    結構強くてよよと泣くのは男子なのだ。

    ハッキリ言わないけれど
    意味を知ると物凄い打球が飛んでくる感じ。

    昔の人はこんな風に和歌にのせて、
    お断りしてたのね。カッコイイ!!

    普通に
    言葉で言われるよりきついかも。

    こういう話も
    鞍馬の話も好きだなぁ。

    シリーズものかぁ、しかも
    もうだいぶ出てるよねぇ。。
    ま、いいか、追いかけよう。

    ホームズさぁん!!!!!

    2016年最後の読了でした。

    来年も楽しい読書を♪

  • 携帯小説だったとは思えないほどの出来栄え。とても面白かったし京都という身近な場所が舞台とあって情景や場所も想像できてとても楽しめた。この調子で続きも読みたい。

  • えっと、これは“ミステリー”ですか?
    ライトノベル・ラブコメの典型のような気がしますが?
    シリーズ化されているので、他の作品で、もう少しミステリーが入っていると面白いかな

  • 京都の寺町三条商店街の骨董品店「蔵」、ひょんなことから
    そこでアルバイトをすることになった女子高生の葵は、店主の息子でホームズと呼ばれている大学院生 清貴とともに、客から持ち込まれる謎を解決していく。

    京都に行きたくなるが、謎解きに関係する部分が少なすぎ。
    男女関係の見方は好きだ。

  • ホームズさんの性格がよくわからなく・・・
    でも主人公の女の子が素直でかわいかった。
    勢いに任せた感はあるけど、わかりやすいし、楽しめました。

  • こちらも本屋パトロールでチェックしていた本。

    でも、半年ほど前に図書館で検索をかけたら蔵書にはなかったのであきらめていたのだけれど、たまたま、図書館の新着図書を(ネットで)見ていたらリストアップされていて、
    「うひょー」
    と、なって予約しました。
    新しい本なのに予約したタイミングが相当早かったようで、予想よりもずっと早くに私の手元に届きました。

    先日からの「オーダーは探偵に」シリーズといい、新刊を図書館で借りて読めるなんて・・・!
    新刊なんて、そうそう買えないからねー! ほんと、ありがたい。

    さてこの本は、読む前から、「おおっ」と、前のめりになったり、「えー」と、引いたりの設定がチラチラでてきていて、半分くらい読むまではだいぶ警戒していたと思う(笑)。

    そもそも、

    京都
    骨董品屋の店主
    イケメン

    ちゅうあたりで前のめりになりますやん。

    でも、そのイケメンが大学生と訊いて、それが院生だろうが京大であろうが
    「えー・・・(学生さんかよぅ)」
    と、引いた。

    まあまあ、落ち着いているなら学生でもアリか、と、思ったら、ヒロインの子が女子高生。

    「えー・・・・・・」わかりやすくテンションダウン

    大学生でも引くのに、女子高生て。
    もう少し年齢をあげてはくれんか・・・。

    せやけど、店主の「ホームズ」さんは、ちょっと難癖があるらしいのね。
    ほおほお残念なイケメンか!
    と、ここでまた前のめりになったのだけど、冒頭を読む限り

    ふつうにええニイチャンやけど・・・。

    それこそ、毒舌キャラでいえば「オーダーは探偵に」の悠貴や真紘さんの足元にも及ばない。
    ほんまにふつうに草食系のええニイチャンぽい。

    まあまあ、毒舌キャラも若干食傷気味やから、生粋の草食系がイイよ。なんやねんソレ
    硬派なんもビブリアで散々読んでるから、ほどよく緩い草食系でシ・ク・ヨ・ロ~(カルッカルやな)、なんて思っていたら、ヒロイン女子高生が重い過去を持っているようで、そのあたりをきっかけに、骨董品屋でアルバイトすることになったのね。

    ほうほう、その重い過去とは何ぞや

    と、思ったら、(京都への引っ越しを機に)彼氏に振られたんですとー!
    しかもその元彼は、ヒロイン女子高生の「親友」と、付き合いはじめたんですとー!

    ・・・・・つ・・・・・。つまらん・・・・・!

    (と、思ってしまうのは私がアラフォーやからか)がくっ・・・

    文章は読みやすいけれども、1章があっけないほど短くて、また著者の筆が乗ってきたのかな、と、いうところはてにをはが抜けていたり、若干
    「読者をおいてけぼりにしてはるなあ」
    と、思わなくもない。

    読みやすい反面、見せ方のわかりやすさが、
    「著者は普段児童書を書いているのかな?」
    と、思ったりもした。

    (ジュブナイルは大好きですよ)

    それでも、一気読みするほどには、面白かった。


    そうなのよ! この本、面白かったのよ。
    上記の設定で、正直なにも共感できるところはないし、
    「うーん、もう少し、こう!」
    みたいな設定が多すぎる。

    多すぎるのに、面白かった。(二回いうたで)


    まー、とにかく、葵ちゃんには何も共感しないはず(笑。しつこいな)なのに、彼女の辛さがドン、と、くる。
    最後の旅館のシーンなんて、見事やったわぁ。

    そこまでに、元彼と親友が付き合いはじめたことに対して、葵ちゃんは
    「馬鹿にすんな」
    と、怒っているわけではなく、
    「裏切られた」
    と、ショックになるわけでもなく、自分の居場所や存在そのものを否定されたように感じるのが、つらかったんやろうなあ。

    自分がそこにいたという事実すら「なかったこと」に、されているような気持ちがたまらなかったんやろうなあ。

    ・・・と、思うと、「蔵」でのバイトを勧めた「ホームズ」さんって、
    「そんなことよりも、未来に目を向けなさい」
    と、いうてくれてるわけで、

    ああ、いいなあ・・・!

    と、垂涎ものでした。

    葵ちゃんと「ホームズ」さんが恋愛関係になったらなったで、
    「女子高生相手に!?」
    と、これまた引いてしまうんやけど、まあまあ、葵の上的なアレですか。

    このまま甘酸っぱい関係を続けてほしいところ。

    ・・・って、そうなのよ。続編があるのよ。もちろん図書館でリクエスト済です。
    一体いつになったら手元に来てくれるのか・・・。

    あー、それにしても、京都に行きたくなりましたよ!
    貴船はずっとずっと行ってみたいなあって思ってるんやけど、床と合わせてより一層その思いが強まったわ!

    貴船神社を巡って、床でランチするとか・・・。
    祇園祭を案内してくれるとか・・・。

    そんな人がいてたらそらーもう、幸せやろうなあ・・・!


    葵ちゃんも素直でいい子だよね。
    彼女のアルバイト先が、私の職場と重なってしょうがない・・・(笑)。いやいや、私は留守番役で雇ってもらっているわけではないけれども。


    ひつこいようやけど、文章そのものが
    「きれいなあ! 読ませるなあ!」
    と、うなるものでもないし、設定や展開が
    「目が離せない・・・!」
    と、ドキドキするようなものでもない。

    でも、1冊を通して葵ちゃんの心境が痛いほど伝わってくるのが、とてもいいと思う。
    「蔵」の店主さんがいうたように、
    「小説に自分の思いをぶつけている」
    と、いうのはまさに著者なんやろう。

    著者の思いを文章にぶつけているから、読んでいるこちらとしてはどんどん惹かれていく。
    上手なだけのものや、あたりさわりのないものよりも、どこか欠けているけれども体当たりなもののほうに目がいってしまうみたいな、そんな感じやろうな。

    なんかもう、著者の文章や設定がイマイチなんかっちゅう話やけど、そういうわけでもないのよ!
    ただ、この本はもともとは電子書籍やったということを奥付で知って
    「ああ、なるほどな」
    と、合点はいった。

    なんか、昔のコバルトを読んでるみたいかもな。

    (2015.10.16)

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著者プロフィール

北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第二回電子書籍大賞を受賞し、デビュー。2016年「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。「京都寺町三条のホームズ」「京洛の森のアリス」「わが家は祇園の拝み屋さん」「満月珈琲店の星詠み」「京都船岡山アストロロジー」シリーズなど著書多数。

「2023年 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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