- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575527179
感想・レビュー・書評
-
誰にでも18歳の時はあったんだよなぁ
自分の周りが世界の全てだと思えるような、狭い等身大な生き方をしていた18歳はもういない
犬が出てくる時点で最高な本詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の18歳の頃は(優香より一つ上です)こんなに苦しくて、こんなに爽やかで、こんなにキラキラしていなかったな…と、彼らに憧れながら読みました。でも、読後、「この子たちにも、そんなに特別な何かが起きているわけじゃない」「私の18歳も、これといって何もなかったけど、あれでよかった、あれがよかったんだ」と思えました。一見、無為に思える、惰性のように流れたあの日々があったから、今の私がいるということ。そして、今もさほどパッとしないにしろ、このぬるま湯の中でたゆとう感じ、この日常が幸せなんだということなのでしょうね。コーシローも、18歳たちも、18歳だった私も、みんな愛しい。
-
誰でも読みやすく心温まる作品。
30代も中盤に差し掛かった今、高校時代のことなんてもうあんまり覚えてなかったりするのだけど、友人関係、恋人とのこと、進路のこと、いろんなことで悩んでたなーと思いだした。
私は小中高大と全てを通して楽しいと言える学生生活ではなかったし、自分には青春なんて縁遠いものだったなと思ってる。
しょーもないことに時間割いて悩んで、でも今思い返すとそれも含めて「青春」ということなのかな。
重めのミステリなどを好んで読むため、少し刺激が足りないなと思ったりもしたけど、たまには純粋に心が温かくなるような作品を読むのも良いなと思った。 -
新聞広告で見つけた作品を図書館で借りて。2021年本屋大賞3位。とある高校で飼われることになる犬を通した高3生5世代の物語。アオハル。おっさんも高校生に戻りたい。優しい登場人物たちに感化され自分も優しい気持ちになれた。自分が高校生の頃はこんなに大人じゃなかったけど、第一章のユウカやコウシロウと同じ世代なのでその後の章も含めて登場する出来事や芸能人や楽曲などがとても懐かしかった。
-
あたたかいお話。
高校生って大人になってから振り返るとあっという間だけど、いろんな感情だったり経験が詰まっている3年間。そんな高校生たちをコーシローはどういう気持ちで見守っていたんだろう。 -
ひょんなことから学校で飼われることになった捨て犬のコーシーロー。生徒たちと出会いと別れを繰り返していく十二年の連作短編。
私はパパ活の女の子の話が好きだったな。
どの主人公も思春期であり、人生の帰路にあるからこそ思い悩むし、その最中も呑気なコーシーローが密かに彼らのキューピット的役割を果たしていてほっこり。
その後の話はじんわり良かったとなりました。 -
中盤からダレるかなと思ったけど
最後盛り上げてのラスト
歳を重ねれば重ねるほど、あの頃って儚くて美しい -
本作は高校で世話をすることになった犬の「コーシロー」が見つめた昭和から平成の12年間+αの物語だ。時代は移り変わっても変わることのない18歳という特別な一瞬を切り抜いた5つの物語と、「コーシロー」の死後20年後、高校創立百周年でそれぞれが大集合する最終話で構成されている。
共通一次、アイルトン・セナ、阪神・淡路大震災、スピッツ「スカーレット」、ノストラダムスの大予言。どれか一つでも青春時代にドンピシャな人にはきっと刺さるはず。
個人的には、目次にある犬の足跡がとても可愛いことと、各タイトルの下に◯◯年度卒業生と書かれているのも高ポイント。 -
読み応えがありました!
年度は違っても、どこかで繋がっていて、時の流れを感じながら読み進めることが出来ました!