あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • / ISBN・EAN: 9784575713831

感想・レビュー・書評

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  • フォローさせていただいているレビュアーさんの『仏果を得ず』のレビューを読んで
    「読みたい!」と勇んで本屋さんに行ったものの、置いておらず。
    せめてもと、こちらの本を購入。


    「文楽は三業から成る」とはよく言ったもので、実際に観劇に行くと、
    舞台で演じている華麗なお人形と人形さんの動きには当然ながら見惚れるし、
    三味線を習っていたこともあり、三味線さんの繊細であったり勇壮であったりの
    撥さばきや糸をはじく指が気になるし、
    好きな大夫さんが顔芸といえるほど(←失礼な言い草ですが、褒めてます)の
    熱演タイプなので目が離せないしー!!!
    と、あっちもこっちも観たくなるわたしはどこを観ればいいのか、毎回悩む。
    本書を読めば観劇のポイントが絞れるかも?などというムシのよい期待をしたのだけれど、
    むしろ注目したい箇所・観たい箇所が増えたという(笑)

    最初のほうに書かれている、舞台に出るときの「おねがいします」の挨拶の意味が、
    燕二郎さん改め燕三さん襲名公演の終章を読むと、さらにじんわりと胸に染みる。
    十四章の咲大夫さんの不思議なめぐりあわせのなかで『咲大夫』さんになったお話は
    文楽の神様、って本当にいるのかもしれないと思わせてくれる。

    しをんさんの読みやすい文体・わかりやすい解説はもちろんのことながら、
    文楽への溢れまくる愛で楽しく読める一冊。

    • 山本 あやさん
      九月猫さん、こんにちは[*Ü*]♡

      ワタシも積読本でこの本が本棚にあるので
      読むのがますます楽しみになりましたっ!

      三味線習われてたんで...
      九月猫さん、こんにちは[*Ü*]♡

      ワタシも積読本でこの本が本棚にあるので
      読むのがますます楽しみになりましたっ!

      三味線習われてたんですねっ!
      ステキですーーー♡
      三味線は昔からステキだなぁとは思ってたんですが
      去年からお着物にますます興味が出て、そこから
      三味線や文楽とどんどん興味が深まっていて
      じかに三味線の演奏を聴きたい熱は膨らむばかりで♡

      実際に三味線の音や手触りが分かる九月猫さんが
      読まれるとますますステキなんでしょうね~♡
      まったくの素人のワタシでも、しをんさんの文章なら
      入りやすくどっぷりと浸れるかなぁと買ってあるんですが
      ますますますます楽しみです♡
      2013/03/05
    • MOTOさん
      最近、年のせいか、視力が若干落ちてきたようでして…。

      「文楽は三業から成る」と、書かれてある言葉を
      「文章は三行から成る」と、読み違えたま...
      最近、年のせいか、視力が若干落ちてきたようでして…。

      「文楽は三業から成る」と、書かれてある言葉を
      「文章は三行から成る」と、読み違えたまま
      レビューを読み終え、

      もう一度、最初の3行に戻り、
      (なるほど!)と、
      (ん?)て、気持ちが入り混じり、
      ようやく今、気がついて、ひとりでウケてた所です!(^^♪

      でも、読み違えたお陰で、
      『仏を得ず』と、
      『文楽』の、興味がどちらにも沸いてきました♪

      すみません、
      こんなコメントで・・・(^^;
      2013/05/30
    • 九月猫さん
      MOTOさん、こんにちは♪

      楽しいコメントをありがとうございます!!
      思わず声を出して笑ってしまいました♪

      奇しくも先ほど名探...
      MOTOさん、こんにちは♪

      楽しいコメントをありがとうございます!!
      思わず声を出して笑ってしまいました♪

      奇しくも先ほど名探偵コナンの
      「絶海の探偵」 を
      「熱海の探偵」 と読み違えたところでした(^_^;)
      お仲間♪お仲間♪♪ ←とムリやりお仲間に(笑)

      って、わたしもこんなお返事でスミマセン(^_^;)
      2013/05/30
  • 文庫になったので3回目。
    いやぁ、何度読んでも笑っちゃうんですよねw

    今回は文楽の世界で使われている「うつりがいい」「うつりが悪い」という言葉が印象に残りました。
    例えば、料理と器が合っていなかったら「うつりが悪い」というそうです。
    調和がとれているか、求められることに自分の中身やレベルが追い付いているか。
    ついつい、見栄をはって我が身に不釣り合いなものを無理にもってみたくなるときもあるのですが、そこで一度冷静になって自分を見つめてみます。
    はたして「うつりがいい」のかどうか。
    身の丈に合ったものをもちながらも、今の自分に満足せず、成長していきたいものだなぁ、と思うのでした。

    この本との出会いは、私に初めて文楽の舞台を観るきっかけを作ってくれました。
    今後も本書片手に文楽劇場に足を運びたいと思います。

    文庫版あとがきまでも貫かれる、しをんちゃんの三好松洛への愛がひしひしと伝わってきました。
    あ、もちろん文楽に対する愛も伝わってきますよ!

  • しをん嬢の「語り」を読むと文楽に興味が湧いてきた。よく落語を聞くので、義太夫には少しく馴染みがあった。しかし、「寝床」では義太夫語りというよりも素人太夫の破壊力に焦点が当てられた話。「どうらんの幸助」の下地にあった『桂川連理柵』も知らなかった。本書でとても良かったのは『仮名手本忠臣蔵』の解説だった。年末となれば時代劇でよく放映され、話の筋もよく知っているものと思っていたが、文楽として上演される忠臣蔵はとても面白そうだ。落語「蔵丁稚」では芝居見物での忠臣蔵だったんだな〜

  • 文楽を見に行くと言ったら、娘が進めてくれた本。
    文楽鑑賞にも役立ったが、何より、三浦しをんさんへの印象がガラリと変わった。今まで何冊か読んでいるが、これからはますます傾倒してしまいそう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「三浦しおんさんへの印象がガラリと」
      他のエッセイ読んだ時に、何なんだコノ人は?と思いましたけど、、、観察眼の鋭さに吃驚しました!
      「三浦しおんさんへの印象がガラリと」
      他のエッセイ読んだ時に、何なんだコノ人は?と思いましたけど、、、観察眼の鋭さに吃驚しました!
      2013/02/18
  • 「仏果を得ず」の主人公健の、文楽に対する気持ちはほぼしをんさんの気持ちなんだなと思った。特に、演目の解釈について持つ疑問はそのまんましをんさんが持っている疑問だったので、微笑ましかった。
    倫理観や価値観は、おそらく現代の若い人が思っている以上に違っていると思う。今の価値観で判断するから理解に苦しむのであろうし、若いしをんさんならではの懐疑というのもあるように思われる。
    特に心中物に対する解釈とか(笑)。

    なんにしても、古典芸能に対する熱い思いがひしひしと伝わってきて楽しい。
    もしかしたら、実際に見るよりもこれを読んでいる方がよくわかって面白いかもしれないとすら思う。
    都会に住んでいる人や身軽な人ならともかく、そうおいそれとチケットを取って歌舞伎だの文楽だのを見に行けるものではないんだよなあ……。
    しをんさんの文章を読んで、脳内再生している方が幸せかもしれない。

  • すごーくすごーく面白かった!文楽がそれほどツッコミどころ満載だなんて知らなかった!文楽の魅力がすっごく伝わってきた!しをんさんのミーハーっぷりもかわいい♪絶対文楽観に行くゾ!しをんさんありがとう!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ツッコミどころ満載だなんて」
      アレ?と思いつつ了解ゴトだと思っていましたが、素直な目で見ると、やっぱり、、、
      昔の人は、どんな風に観ていた...
      「ツッコミどころ満載だなんて」
      アレ?と思いつつ了解ゴトだと思っていましたが、素直な目で見ると、やっぱり、、、
      昔の人は、どんな風に観ていたのかなぁ?と別な興味が湧いてきます。。。
      しかし、三浦しをんって観察眼鋭いですねぇ~
      2012/12/20
    • mao2catさん
      nyancomaruさん
      ほんとすごい観察眼と妄想力です!
      nyancomaruさん
      ほんとすごい観察眼と妄想力です!
      2012/12/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「妄想力です! 」
      おっと、肝心なコロを忘れてましたね!
      「妄想力です! 」
      おっと、肝心なコロを忘れてましたね!
      2013/01/11
  • 読み終わってからは、「文楽観に行ってみたいわぁ」とそわそわしっぱなしである。早く行けよ、という話だが。あと、三好松洛が気になってくる。どんな人物なんだ、本当に。睡魔との戦いを悪いこととみなさない姿勢は、素晴らしいの一言に尽きる。かくいう自分も、度々クラシックのコンサートへ行けば、たいてい寝てしまう。これがいい心地で、疲れも吹き飛んでしまう薬なのだ。『女殺油地獄』の解釈もよかった。周囲にいる人物にも、『殺人などには、魔が差すということもあるから』『動機を求めるようになったのは最近の話』と声高にしつこく主張する方がいる。あの人より説得力があったと感じたのは内諸にしておこうと思う。

  • 最初に読んだのは高校生だった。模試に出題された仏果を得ずを読みたくて図書室に行ったらそれはなくて、この本があった。それで一読。あぁ〜文楽観てみたい!と思ったものだ。

    時は経ち。大学で歴史を専攻したせいか、日本文化、伝統芸能への興味は深まるばかり。文庫版発売を機に手に入れて読んでみたら、また面白い面白い。やっぱり文楽観たいなぁ。淡路人形浄瑠璃なら観たことあるんだけど…。

    内子座に行きたいです。
    この本片手に、文楽観に行っちゃおうかな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文楽観に行っちゃおうかな。」
      きっと、三浦しをんの観察眼の鋭さに驚きますよ、、、
      「文楽観に行っちゃおうかな。」
      きっと、三浦しをんの観察眼の鋭さに驚きますよ、、、
      2013/02/25
  • 格式高いと敬遠してた伝統芸能に興味を持てました。
    「こんなに文楽は面白い!」「文楽が好きだー!」という思いが詰まった一冊。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「格式高いと敬遠してた」
      敷居も料金も高いですからね。それから聞き慣れない「浄瑠璃」で、シャットアウトしちゃう人が多いみたいですが、面白いで...
      「格式高いと敬遠してた」
      敷居も料金も高いですからね。それから聞き慣れない「浄瑠璃」で、シャットアウトしちゃう人が多いみたいですが、面白いですから機会があれば是非!!!
      しかし三浦しをんって凄いねぇ~やっぱり並みの物書きじゃないね。
      2012/12/08
  • とっつきにくいイメージだった古典芸能を身近なものとして噛み砕いて書いてくれている感じ。演者さんの人柄まで描いていて親しみ深し。謙譲の美徳、独立独歩の気風。うーん、すてきです。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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