忘れないよリトル・ジョッシュ (文研じゅべにーる)

  • 文研出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784580821125

作品紹介・あらすじ

イギリスの農場にすむベッキーは、二〇〇一年の一月一日から日記をつけはじめた。その年、ベッキーは初めて自分で羊のお産をさせ、生まれた子羊を「リトル・ジョッシュ」と名づけてかわいがる。そのほかの動物たちや、友だち、家族と楽しい日々を送るベッキー。ある日、農場に恐ろしいニュースが入った。家畜たちをおそう病気、口蹄疫が発生したというのだ…。

感想・レビュー・書評

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  • コロナ禍で読みました、必ず人類は打ち勝ってきた事を確信していきましょう‼️

  • リトル・ジョッシュがしんでかなしい

  • 豚や羊、牛などに感染する口蹄疫という病気によって、家畜を殺処分せざるをえなくなってしまったチーズ農家を描いた物語である。物語は、13歳の少女ベッキーが1週間に一度書いた日記の体裁をとっている。
    物語は、2001年、イギリスで実際に起こった口蹄疫感染拡大を背景にして書かれた作品である。作者のモーパーゴ自身、自分の家の農場で口蹄疫が発生し、その経験を基に書かれたフィクションのようだ。

    口蹄疫に感染した動物たちは、まず、銃殺され、その後、穴の中で焼かれ、埋められる。家の外からかすかに聞こえる銃声や、動物の死体の臭い、何日ものあいだ燃え続ける火葬の火と煙。家族同然に可愛がっていた動物たちを殺処分にされる家族の悲しみが、五感に訴えかけてくる生々しい描写で表現されていた。主人公のベッキーが、人生で初めてお産を手伝った子羊、リトルジョッシュを助けようと隠すものの、見つかり、殺されるところなどは、本当に悲しくやりきれない。

    ただ、以前、同じ作者の『ゾウと旅した戦争の冬』を読んだときにも感じたのだが、悲しい出来事が起きてから、登場人物たちの立ち直りが、どうしても早く感じてしまう。もう少し悲しんでいてもいいのでは……、とも思うが、当事者は、つらい現実の中でも、生きていくためにこういったものなのかもしれない。

  • #忘れないよリトルジョッシュ #読了
    13歳のベッキー一家は家畜を家族のように大事に育てている。そんな幸せな家族を口蹄疫が襲う。家畜を全て銃殺され、焼かれ、それでも生きていく。希望を失わないラスト。児童書すごい!多くの人に読んで欲しい。#マイケルモーパーゴ #児童書 #渋谷弘子

  • 口蹄疫をテーマにした物語を初めて読んだように思います。
    児童書では本当に珍しいのではないでしょうか。
    もともとそんなつもりはなかったのに、この本が出版された2010年、宮崎県で口蹄疫が猛威を奮いました。
    そして鳥インフルエンザ、SARS、MERSさらには今この新型コロナと、ウィルスの猛威は、この口蹄疫の頃からとても身近に感じられるようになってきたような気がします。
    それまでもインフルエンザや風邪は普通にあったのですけどね。
    誰が悪いわけでもない、そしてどんなにウィルスが猛威を奮っても、私たちは明日を生きて行かなきゃならない。
    いつか本当の光は見えるのでしょうか。

  • 考えさせられる優しいお話!

  • イギリスで発生した口蹄疫。
    13歳のベッキーが見たこと、感じたことが、日記として綴られています。
    日本でもおきてしまった口蹄疫。記憶が薄れないうちに読んでほしいなぁ。
    挿絵がとってもステキです。
    特に動物たちの表情の可愛らしさと、おこる悲劇、人の苦しみが対照的で胸が痛いです。

  • 2011年中学年課題図書

    口蹄疫の流行によって家畜を全て失った一家の話。

  • 小学中学年向けの課題図書です。
    イギリスの牧場の娘が主人公で、口蹄疫が遠くの町で発生してから、自身の牧場が被害に遭ってしまう経過を主人公の日記形式で書かれている、という内容です。

    課題図書だなぁという感じ(笑)。
    同年齢の女の子が、口蹄疫という厳しい現実にぶつかるという部分や、それでも希望を失わないとか、大人が子供に読んで欲しいと期待する意図がよくわかります(笑)。
    確かにいい本ではあるなぁと思いますね。だけど、実際の小学生の感想を見ると、自発的にそれらの感想が出てくることを期待するっていうのはなかなか難しいなぁと思います(そういうのを読む機会があるので)。というのも小学生というのは、場面の一つを切り取って何か思うことはできても、抽象的なメッセージというか、物語の眼目をとらえるのにはやはりまだ少し早いみたいです。もちろん、大人から丁寧に発問して導いていけばできるでしょうし、そうすることによって彼らの読みを深めることや、深める術を伝えることはできるけれど、実際にはそんなことできてないですよね(笑)。てか、学校の先生、課題図書どれだけ読んでんだよ。
    なんてことを読みながら思いました。いや、物語としては考えて欲しいなぁと思う部分はたくさんあっていい本だなぁと思ったんですよ。だけど、それを上手く活かすっていうのはまた難しいと感じたわけです。

  • 訳者あとがきにもあるように、昨年末から今年にかけて起こった宮崎県の口蹄疫問題と見事にかぶる内容の作品です。主人公の牧場の少女が日記形式でイギリスで起こった口蹄疫の始まりから終焉にかけてを振り返ります。ベテランの著者による安定した作品です。東北の震災でも言えることですが、家畜、とはいえ大切に育てた生き物を生かしておけなくなった畜産農家の姿に胸が痛みます。
    今年度の課題図書とのこと。

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著者プロフィール

1943年英国ハートフォードシャー生まれ。ウィットブレッド賞、スマーティーズ賞、チルドレンズ・ブック賞など、数々の賞を受賞。作品に『ゾウと旅した戦争の冬』『シャングリラをあとにして』『ミミとまいごの赤ちゃんドラゴン』『図書館にいたユニコーン』(以上、徳間書店)、『戦火の馬』『走れ、風のように』(ともに評論社)他多数。

「2023年 『西の果ての白馬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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