- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764666
作品紹介・あらすじ
人類は「青」という色に何を感じ、思い、また表現してきたのだろうか。聖なる色であり、天空・宇宙をあらわす「青」。オリエントの青から、聖母マリア、ジョット、セザンヌ、ピカソ、IKB、そしてアナザー・ワールドまで、画家が描き、表現した「青」の世界の旅を試みる。それは、存在からの自由と超越の「青」を発見する旅。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
美術史的に画家が作品に用いた青色について記した本。
著者は東大卒の東大大学院教授で、表彰文化論の専門家ということなので、学会で発表できるような華麗な論説が展開されるだろうと思いましたが、最後までとりとめのない語り口という印象を受けました。
ひと夏で書き上げたということが納得できる類のものです。
心引かれるテーマですが、まだあくまで荒削りの習作段階のような出来栄えです。
青色について細かく論じられていますが、あくまで絵から著者が受けた印象を元に述べているに留まり、彼の論を学説的に支える根拠に乏しく思われます。
単に著者が、作品の青色に着目して、感想を軸にまとめた文章のような気がしてなりません。
文章の相性でしょうか。全編を通して内容の深さや著者の情熱が感じられず、著者が伝えたいことが頭に残りませんでした。
もっとタイトルに即した、きちんとした論説を期待していたので、残念です。
また、文庫本なのに1260円という金額も、お高いと思いました。
確固とした論文ではなく、講義用原稿なのか、エッセイ風なのかもはっきりせず、多分に散文的です。
解説も、画家や美術学者ではなく、詩人が書いているのが、むべなるかなと思いました。
後日また読み返したら、おもしろく読めるのかもしれませんが、今の私には、この本から刺激を受けた点は特にありませんでした。 -
すごく興味深い本でした。
美術史が好きな方は読んでみるのもいいかもしれません。 -
うーーーむ、どうにも図版が少なすぎる。あと小林康夫の文体は好き嫌いが分かれるような気がする。