卵一個ぶんのお祝い。 (東京日記)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582832822

感想・レビュー・書評

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  • 電車の中では声を出して笑えないので、顔面だけで笑ってたら相当苦しかった。「電車の中無理っ」て思った。とにかく、つぼにはまりだすと笑い発作がおこる本です。川上さんちの観葉植物になりたいかも。

  • 再読。
    つくりものとほんものの間をいったりきたりが気持ちのよい『日記』だ。
    こういう、すっとぼけた表現がとても上手な作家さんです。
    門馬則雄氏のイラストも、文章の邪魔な位置に入っていて、それもまた面白い。

  • 2006年7月28日読了。

  • 何も考えずおもしろく読めた。
    とてつもなくめかぶを調理したくなって、一時間に3回くらい「めかぶ・・・」とつぶやきながら仕事をする話と、「オクラの気持ち」に投入して両手をつぼみの形にあわせ、こきざみに体を揺らす子どもの「おくらごっこ」と、猿について友達から注意を受ける話がお気に入り。
    雨の日はさみしいと随所に書いてあるが、私も共感。

  • 川上さんのエッセイが好きで、よく読みます。ノンフィクションかフィクションか、境界線があいまいなところが好き。

  • (2005.10.05読了)(2005.10.05拝借)
    川上さんのエッセイです。雑誌「東京人」に2001年5月号~2004年4月号に掲載した分をまとめたものです。東京日記ですので、日記風になっています。五分の四ぐらいはほんとのことです、というので20%は嘘ということになります。話をおもしろくするにはしょうがないことだし、もともと嘘の話ならいくらでもできるといっていた人なので、そのほうが書きやすいのでしょう。
    エッセイ第一作「なんとなくな日々」は、どうしようもなくつまらなかったけど、この本は川上さんがそこはかとなく出ていてのんびりした気分になれます。気を抜いてのんびり過ごしたい時にでもお読みください。挿絵も入っているし、空白も多いのですぐに読んでしまえます。難しい本で難儀している時の息抜きにするのもいいかもしれません。

    ●待ち合わせ(14頁)
    「三越のライオンの前で待ち合わせましょう」と連れの人に言われ、銀座のライオンの前で待つ。五分前になっても待ち合わせの相手は来ない。もしや日本橋三越の前だったんじゃないか、と思い、地下鉄に飛び乗って、三越前まで行く。息を切らせながら階段を上ると、やはり待ち合わせの人はそこにいた。
    ●電車で(29頁)
    中央線に乗っていたら、隣に立っているおばあさんから、「体格がいいのねえ」と話しかけられる。(続きは、本の帯で)
    ●締め切り(35頁)
    「そろそろ原稿の締め切りなんですが、いかがですか」という電話がかかってくる。ものすごく驚く。引越しをしたので、原稿の締め切りというものがこの世の中にあることを、しばらく忘れていたのだ。一度に一つのことしか考えられない質なのである。
    ●めかぶを料理することのよさ(51頁)
    1.熱湯をかけるとさあっと色が変わりこと
    2.包丁を入れるとぬるぬるがたくさん出てくること
    3.皿に切っためかぶを移したあと、まな板にたくさんぬるぬるが残ること
    4.食べたあとの皿を洗う時ぬるぬるが残って洗いにくそうに思えるのに、実は少し水に漬けておくだけで、うそのように簡単にぬるぬるが落ちること
    ポイントは「色変わり」と「ぬるぬる」だな。
    ●寒い日(67頁)
    前の日が凄く暑い日だったので、今日も暑いのかと思って、半ズボンにゴム草履で買い物に行く。しばらく歩いているうちに、ものすごく寒くなってくる。着替えに戻ろうかとも思ったが、それも忌々しい。私はちっとも寒くありません、という表情ですたすた歩く。
    ●風邪が治らない(108頁)
    まだ風邪が治らない。薬も切れてしまっている。でもお医者さんに行くのは面倒なので、かわりに「総合ビタミン剤」を、定量の二倍飲んでおく。それだけではなんだか心もとないので、ご飯も、いつもの二倍、食べておく。夜、胃が苦しくて、寝付けない。

    ☆川上弘美さんの本(既読)
    「神様」川上弘美著、中公文庫、2001.10.25
    「ゆっくりさよならをとなえる」川上弘美著、新潮社、2001.11.20
    「パレード」川上弘美著、平凡社、2002.05.05
    「龍宮」川上弘美著、文芸春秋、2002.06.30
    「溺レる」川上弘美著、文春文庫、2002.09.10
    「光ってみえるもの、あれは」川上弘美著、中央公論新社、2003.09.07
    「ニシノユキヒコの恋と冒険」川上弘美著、新潮社、2003.11.25
    「古道具 中野商店」川上弘美著、新潮社、2005.04.01
    著者 川上 弘美
    1958年 東京生まれ
    「蛇を踏む」で芥川賞受賞
    「センセイの鞄」で谷崎純一郎賞受賞

    (「BOOK」データベースより)amazon
    おおむね楽しい、ちょっぴりさみしい。からだ半分、ずれている。カワカミさんの、5分の4はホントの、日々のアレコレ。

  • 本当に感情を丁寧に綴る人だなあと思う
    しかも食いしん坊なところと酒飲みなところが私も同じなので笑、そういうシーンの話はさらに楽しい。

  • 再読。
    この日記好きだなー。
    悩み事やトラブルもあるけど、派手な起伏とは無縁で落ち着いているようで、好き。

  • 川上さんのこの独特の世界。
    好きな人は、大好物だろうし、
    苦手な人は、面倒だろう。
    私は、こういうのが大好物であります。

  • -吉祥寺のやきとり屋「いせや」の前を自転車で通る。暮れの空気の中、タレのいい匂いがただよってくる。明日はクリスマスだ。立ち飲みの人たちが寒そうに焼き台を囲んでいる。走りながら眺めると、普通のやきとりに混じって、鶏をまるごと一羽焼いている串が何本かある。さすがクリスマスイブだ-

    ↑には続きがある。大晦日には「普通のやきとりの串に混じって、鯛の尾頭つきを焼いている串が何本かある。さすが師走だ」。ゆ、ゆるい。最初はこんなゆるい本ありかなーとちょっと懐疑していたが、なんだかだんだん川上ワールドに引き込まれてしまった。東京武蔵野近辺、というか、中央線近辺の街の空気が、川上ワールドでフンワリ再現される。地方にお住まいの少年少女よ、こんな東京もあるんだよ。六本木や青山や西麻布よりも、こっちがリアルな今の東京かもよ。

    選書:小日向

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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