食堂かたつむり

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591100639

感想・レビュー・書評

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  • ご飯を作って食べるって、人間の根本なんだね~と思う。

    ちょっびっとだけ、読み手に「察してよね」というような描写不足感があったような気がして残念。
    もう少し、登場人物やエポソードをじっくり描いて欲しかったかも。

    出てくる食べ物はどれも美味しそうです。

  • インド人の恋人に逃げられ全てを奪われた倫子。
    唯一残された宝物のぬか床と10年振りに故郷に帰り、「食堂かたつむり」を始める。

    食物に宿る生命の尊さ、それをいただくことのありがたさ。
    倫子の作る料理から、大切なことを教わった気がします。
    ふくろう爺に込めた母の優しさ、思わず涙が出ます。

  • 優しくて大好きなお話もたくさんあったけど、
    もう二度と文字として見ることはできない本かも…。

    自分も他の動物の命を食べて生きているので
    動物がかわいそうっ!と全面的に批判するキモチではなくて
    おいしいおいしいと何も考えることなく食べているのは
    とても罪深いことだと思うので、こんなにも残酷なことを繰り返して
    人間は生きていることを改めて考えることは大切だけど
    やっぱり自分の大切な家族であるエルメスを食べるのは
    苦しすぎて嗚咽が止まらなかった。

    偽善を振りかざして言うのではなく、やっぱり家族は食べられない。
    倫子ちゃんとエルメスに姉妹のような関係を見ていたので
    とても悲しくて苦しかったです。

    でも、他のお話はふんわりとあったかくて
    本ならではのファンタジーと食が交じり合った優しい食事でした。
    大好きだけど二度と見れない、ワタシにとっては甘くて苦しい恋みたいな1冊でした。

    • kuroayameさん
      お母さんのキャラクター&飼われている豚ちゃん、とっても大好きですーっ。
      主人公が食堂を通じて出会う人々に対してのおもてなし料理。
      読んで...
      お母さんのキャラクター&飼われている豚ちゃん、とっても大好きですーっ。
      主人公が食堂を通じて出会う人々に対してのおもてなし料理。
      読んでいると心がぽかぽか温まり、この本の世界に浸る心地よさを今もまた思い出してしまいました。
      2012/07/10
  • ほんわかして、グロテスク。ジビエ料理はあんまり好きじゃないけど、スープとかデザート美味しそうだな~。最後のお話も好き。

  • かわいい表紙だけど、かわいくておいしそうなだけの話じゃない。
    自分が食べることの大切さを忘れてたことに気付く。
    食べることは生きることで、食べ物はいのちそのものっていう、普通のことを忘れてた。

    文章は女の人らしくふんわりしていてとっつきやすい。でもちょっと書き慣れない感じもあって、小説としては展開がちょっと強引だったりしなくもないんだけど、このテーマがすごくいいので面白い。
    エルメスの運命は出てきた時点でだいたいわかってるんだけど、いざそのシーンはさすがにヘビーだったす。でもここが一番書きたかったことなんだろうから、目をそらしてはいかんのだよな。

  • さらさらっと読めておもしろかった。
    料理を作ることで 1人前になっていく女の子のお話だと思っていたけれど 母子の確執と再生をうまーくかいてあった。
    料理はどれも美味しそうだけれど ぶたさんまるまる1頭ぶんの
    料理をぜひ味わってみたいものです、

  • 食べ物を成仏させてあげたい。食べ物にも命があって、そこには気持ちがあって、物語がある。小さな食堂を通して、小さな奇跡を起こして行く主人公。心が優しくなる本だった。

  • ≪内容覚書≫
    トルコ料理店のアルバイトから帰ってきたら恋人は去り、
    部屋の中は空っぽになっていた。
    残されたのは祖母のぬか床だけ。
    声を失った主人公は、故郷の村に帰り、
    一日に一組だけのお客様のための食堂を開く。

    ≪感想≫
    フクロウ…!!!
    まさか時計とは。
    最後の最後に母親の愛を感じた。
    そのために、主人公の娘は、愚かで頼りなくては
    ならなかったのかも。
    …あれ、なんか、似たような感想を
    辻村深月の作品でも書いた気がする。
    この感じのストーリーパターンは、最近の流行?

    とりあえず、主人公の女性には、正直共感できなかった。
    …そもそもアルバイトから帰ってきたら、
    部屋が空っぽ、って。
    前兆のようなものがあっただろうに、気付けよ!とか、
    そんな最低男に惚れてた馬鹿な女のお話なの?と、
    先入観を持ってしまったせいだろうか。
    しかも、それで声を失うとか。
    そこは声を荒げて怒ろうか!と個人的には思う。

    レストラン自体はすてきだな、と思った。
    自分のためのおもてなし。
    理想のレストラン。

    ただ、この主人公の女性に、
    他人をハッピーにするだけの力があるかと言われると疑問。
    自分がしあわせじゃないと、
    他人をしあわせにすることはできない気がする。
    「四十九日のレシピ」のおっかさんみたく、
    私はしあわせだったよ!という
    前向きでパワフルなエネルギーがないと、
    相手には届かないんじゃないだろうか。
    そういった点で、最後までしっくりこなかった。

    個人的には、あんな馬鹿男に惚れてた自分が許せないわー!
    見てなさい!私、しあわせになってやるー!くらいの、
    活力あふれる女性が、失敗を繰り返しながらも、
    しあわせについて考えながら、
    レストランを作り上げていく方が受け入れられたかも。

    読む時の体調にもよるかな。

    疲れた時、落ち込んだ時に読むと、
    ホッとできる作品かもしれない。
    そんな時が来たら、この本を思い出したいと思う。

  • 話題になっていたので、気になっていた本。文庫になるのを待とうと思っていたのだけれど、お気に入りの図書室で発見。もう夏休みに借りる子はいないだろうということで借りてみた。

    どう考えても現実にはありえないお話だけれど、小説だからいいのだ。

    大切な台所の道具をはじめ家財一式とともに消えてしまった恋人。
    りんごに残されたのは、おばあちゃんのぬか漬けどころだけ。
    そんな彼女が、故郷に戻って、1日1組のためだけの食堂を始める。

    メニューはなし。お客様と事前に話したり、メールのやりとりをしてその人にふさわしいメニューを考える。いいなぁ、いいなぁと連呼しそうになるほどうらやましい。
    お料理をすることが好き、自分の料理を食べてもらうことが好き。
    そんな人のお料理は絶対においしい。そして、安心できる。

    でも、それがテーマではない。
    人は、気がつかないだけで、気がつかないところで、
    いろんな人のほんのちょっぴりの「やさしさ」に囲まれて、支えられて生きている。
    そんなささやかなものに気づくためには、これまたちょっぴりの心のゆとりが必要。
    それにさえ気づけることができれば、こんな殺伐とした世の中とはさよならできる。
    そんな当たり前のことを書ききった物語だったように思う。
    (2008.7.25)

  • 何だかほっこりする話しです。
    出てくる料理がいちいち美味しそうで食べたくなります(笑)

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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