(P[に]2-1)私の大好きな探偵 仁木兄妹の事件簿 (ポプラ文庫ピュアフル に 2-1)

著者 :
制作 : 戸川 安宣 
  • ポプラ社
3.47
  • (16)
  • (44)
  • (67)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 445
感想 : 61
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591114452

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 時系列が分散した短編集。いろんな時期の仁木兄妹が楽しめる。
    兄が好きだけど、兄がいない絵本話が好きです。

  • 今や伝説の仁木悦子作品が、戸川安宣さんのセレクトとポップな表紙で、10代にも手に取り易く登場とは、なんかうれしい。

  • 短編集。収録作品が作中の時系列に並べられているのは良いですね。未刊作品も収録されてるし。
    ジュブナイルっぽい雰囲気もありますが、ミステリのツボを押さえたお話で、収録作品どれも手堅く面白いです。軽く読めるところも良い。
    見取り図付きの作品も2編ほどあるので、見取り図フェチにもオススメ。
    植物オタクのお兄さんも良いです。

    巻末に収録されている戸川さんの解説も素晴らしいです。それと「昭和30年代、40年代を読み解くキーワード」ということで、巻末で金銭価値の換算などをしてくれてて、理解しやすいですw

  • 仁木兄妹シリーズ。
    短編が5編収録されています。
    最初の話では、悦子が中学1年で、最後の話では
    子持ちのお母さんになっている。
    この状況の変化についていけなかったけれど
    十分に楽しませていただきました。
    これが昭和30年~40年代に発表されたというから驚きです。
    いい作品っていうのは、時代関係なく楽しめるんですね♪

  • さくさく読める話。トリックは難しくは無いが面白い。小物の使い方がいい。 「ただ一つの物語」が一番好き。

  • ふつうに最近刊行された本だと思って何の予備知識もなく読み進め、
    時代設定がわりと古めだと感じてはいたものの…まさか昭和の、しかも自分が生まれるよりも前の作品だとは!
    読み終わって著者近影を見直すまで気付かなかった。
    確かに単語なんかはちょくちょく現在あまり使われないものが出てくる。
    けど、センスは少しも、ちっとも古めかしくない。
    "児童文学"という感じはするけども、かと思えば動悸付けがわりと生々しかったりもして、とても面白かった。満足。

  • “言いかけて兄は、不意に口をつぐんだ。濃い茶色の両眼を、またたきもさせず宙に見張って、じっと息をつめている。
    「どうしたの?にいさん。」
    「わかったよ。わかった。きっとそうなんだ。」
    兄は笑いだした。
    「こんなことがわからなかったなんて――。悦子、ちょっと行って民ちゃんを呼んで来てくれないか。」
    「民ちゃんを?」
    「彼女に聞きたいことがあるんだ。僕より悦子の方がいい。早く行っておいでよ。」”

    あっさりと読める。
    見た目凸凹な主人公二人が楽しい。

    “「どうですか、事件。」
    警部はマユをしかめた。その耳もとに口を寄せて、兄は一言二言ささやいた。警部の顔には、激しい驚きと緊張の色が現われた。ふたりの真剣な表情に気押されて、私は五六歩離れた所にたたずんでいた。長いひそひそ話が終ると、ふたりは初めて私を手招きし、連れだって歩きだした。
    クリーニング店の連中は、びっくりした面持で、私たち三人を迎えた。
    「やあ、顔がそろいましたな。皆さんは、ここにいてください。わたしはちょっと、フロがまを見せてもらいます。」
    家の者にうむを言わせず、警部は奥へはいって行った。兄は黙って立っていたが、その目が、時々ちらりと亮さんの横顔を見やるのを、私は見逃さなかった。杉本警部は、五分ほどで出て来た。
    「では、事件について検討したいと考えますから、四人の男性は奥の間へ集まってください。御婦人方は、ここで待っていただくことにして――」
    「わたしもここにいなければならないんですか?」
    私は直ちに不平を唱えた。これでも事件解決のために、幾分の尽力はして来たつもりなのに、仲間はずれとは承服できない。兄がそばから、
    「妹だけ、入れてもらえませんか。こいつは御婦人方なんてがらじゃないですよ。」
    と言うと、警部は快く承諾してくれた。”

  • 読みやすい。本格…というか、プチ本格、みたいな雰囲気。さっぱりとしていて本当に謎解きをしている気がする。もうすこしどろどろしてくれてもいいのに。
    2011/2/18

  • 初出年代→時系列順に並び替えられていたのは嬉しい配慮。短編の謎解きはわりかし簡単めですが、総じて悦子の語りが魅力的です。「何だ、へただな。」なんて言わないで、と図についてメタメタな弁明をするところが実に微笑ましい。

  • マイペースな兄と行動的な妹との掛け合いが殺人の血生臭さを忘れさせてくれます。セピア色の昭和の情景を思い浮かべながらどうぞ。

全61件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

仁木悦子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×