四十九日のレシピ

著者 :
  • ポプラ社
3.98
  • (420)
  • (659)
  • (337)
  • (43)
  • (9)
本棚登録 : 3078
感想 : 614
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591115350

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いろいろあるけれど
    生きてりゃ
    まぁ なんとかなるさ

    見事な ストーリーテラー
    としての本領を
    この一冊でも発揮

    物語終盤に
    挿入されるファンタジー要素も
    不自然ではなく
    ゆったり心に沁みてくる

    どんな人にも
    「四十九日の大宴会は あり」だな
    と 本気で思わせてもらえる

    自分の中の元気を
    確認させてもらえる一冊です

  • 祖父の四十九日がもうすぐで、思わず手に取った一冊。
    百合子と父、ふたりの両面から紡がれていく物語は、それぞれの乙美や相手に対する想いが愛おしくて、切ない。

    ふたりが感じた後悔は、失って初めて気が付くこと。
    その後悔はずっと自分を苦しめるし、決して消えることはない。
    服のボタンは外してやり直せばいいけれど、人生の掛け違いはやり直せない。

    百合子が日常のふとしたことから感じる「もっと日々の暮らしを大事にすればよかった」という後悔や、父の妻や娘に対する苦悩に、胸が苦しくなる。
    作者の描く”後悔”は妙にリアルで残酷で、だけど苦しみながらそれに立ち向かい、ときに寄り添って、前を向くことができたときの未来へ向かう力みたいなものは、清々しくて勇気をもらえる。
    ふたりにとってその力は、乙美の残した処方箋だった。
    「どう生きるのか。どんなことを自分の年表に書き付けていくのか」

    年表の空白を埋めようと前を向いた娘に対する、父の想いに涙が止まらなかった。
    「笑顔でいてほしい。できることなら、幸せな事柄で埋め尽くされていって欲しい」

    そして、夜中に読むとお腹が空くこと請け合い。
    バターたっぷりの塩ラーメンと、コロッケサンドがたまらない。
    とりあえず今日はスーパーで、「パトカープラス信号」を実践してみようと思う。

  • これも再生の物語。

     愛情を注いで育ててくれた継母乙美が急死。でも、生前はその継母に心を開くことができないでいた娘百合子。結婚して東京で暮らしているが、夫の浮気、浮気相手が妊娠したことをきっかけに、実家に戻る。

     妻が急死した朝、出かけに、些細なことで怒りをぶつけてしまい、そんな自分の言動を悔やんで悔やみきれない良平。「あの日が最後だと分かっていたら・・・」。

     そんな二人が、乙美の書き残した願い事に応えて、49日後に宴会を開くために、準備に取りかかる。その過程で、二人はそれぞれの哀しみ、後悔等から立ち直っていく。

     その再生には、やはり人との繋がりがあった。人は一人では生きていないし、家族だけで生きているわけでもない。必ずそこに、誰かが関わり、繋がっている。いつも一緒にいるわけではないけれど、大切な必要な誰かが必ずいる。

     そんな誰かの人生は、それまで苦しみや哀しみが多かったかもしれない。でも、だからこその出逢いもある。

     そして、その出逢いが、いつしか他の誰かを励ますことにだってなる。

     その美しさを感じることのできた一冊。良かった。

  • 途中あんまりかなーと思っていたけど、最後とても感動しました。
    とても良かったです。

  • 家族のつながりについて、すごく考えさせられた。
    旦那がいて、その旦那との子供がいて、そういう血の繋がった家族だけが正解じゃない。

    最近、万引き家族を見たせいか、そういう視点でいろいろ考えてしまいました。

    人と人とのつながりや、あたたかさに、読み終わった後は胸がいっぱいになります。

    映像化されていることは知らなかったけど、すごく有名な名作だったんですね〜

  • 悲しいけれど、前向きに少しずつ進んでいこうとする人たちの姿に心が温まる。

  • 全体的に登場人物がクズすぎて引いた
    乙美さんは素晴らしい人なのだが

  •  妻を亡くした夫が、一人でどうやって生活して行くか。そんな指南書的なものと思っていました。

     彼女が残したものは、人との関わり。イモちゃんのゆるぎない使命感。イモちゃんが連れてきた、ハルミの優しさ。不器用な父と子が、癒され、前を向いて一歩を踏み出す。

     暖かく、優しいお話でした。

  • 12.最初から泣きました。読んでいて、え?私、各章でないてるじゃんって思いました。おかげで今日は目がポンポコポン。誰かの人生に大きな影響を与えていたという乙母さん、本当に素晴らしい人だなあって思いました。それを誰にも知られていなかった所がまた素敵。そしてお父さんも、剽軽な部分があって、元気を出させてくれたり、娘もとっても真面目で純粋で。それが裏目に出てしまった事もあったけれど、この家族は乙母さんが亡くなった事ですれ違っていた部分をそれぞれが知ることになったのだけれど、それでも本当に素敵なだぁって思いました

  • テレビもドラマもみていませんが
    話題になっていたので読んでみました。
    登場人物が魅力的で話のテンポもよく、スイスイ読めました。
    涙、涙でしたが、スッキリ、心がきれいになるように泣けて
    読み終えたあとに、あたたかい気持ちになりました。
    どんな人にもオススメ!

全614件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊吹有喜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×