四十九日のレシピ

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591115350

感想・レビュー・書評

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  • すごく心温まる本。
    映画が見たくなった。

  • よかったよ、よかった。
    読んでる最中、ぐわっと心を鷲掴みされる感じがたまりませんでした…
    それぞれが、時間をかけて、だけど確実に前に向いて進んでいく姿は涙を誘いました。
    それぞれが踏み台をもとに前進していく。
    思い出は大切に、過程は大事に。だけど振り返らないという勇気は何よりも難しい。
    それぞれいろんなものに別れを告げる。だけど、いちいち未練を感じている場合じゃない。
    自分が進むことが何よりも、大切。

    そんな前向きに、自分を大切に感じられる小説(^ω^)

  • 涙が止まらなかった、という感想を聞いて手にとったけど
    個人的には泣けず。

    途中の不倫シーンが最後まで苦々しい想いが拭いきれなかったのに対し、お話自体はほんのりハッピーエンドを迎えるのがアンバランス。

  • 金木犀が香るいま、この本に会えたことに
    不思議なご縁を感じます。

    遺された人が、悲しみを乗り越え、
    健やかに過ごしていけるように、と
    手書きのレシピを残した乙美さんの
    家族への深い深い愛情に涙しました。
    血縁だけが家族ではない。
    いとおしく思う気持ちと、相手を思いやる心、
    そしておいしい手料理が
    家族のつながりを強くしていくのですね。

    平凡に見える人生であっても、
    誰かの踏み切り板になっている、という部分にも
    すごく心を動かされました。
    惜しみなく、見返りをもとめない愛情。
    私は周りの人たちにそういう気持ちで接しているだろうか。
    改めて考えさせられました。

    乙美さん特製のコロッケサンドとカレーうどん、
    食べてみたいです。

  • (レビュー後半に若干ネタバレがあるので、”続きを読む”にはご注意を)

    長年をともに過ごしてきた夫の浮気、子どもをつくれない自分が存在する価値に悩む百合子。
    生前の後妻は幸せだったのだろうかと悩む良平。

    自分の生き方に迷い、乙美に対する後悔をそれぞれ抱いていた二人。四十九日の法要に明るくて楽しい大宴会を・・・・・・という乙美の願いを叶えるために四十九日を過ごし、それぞれがそれぞれの悩みに立ち向かい、それぞれがそれぞれの生き方を見つけてゆく物語。

    みんなそれぞれに悪いところがあるのだけど、日常のなかで自分や他人と折り合いをつけながらだんだん前へ進んでゆく優しい物語。「日常のなかで」というのが大切で、迷いながらゆっくりと、でも確実に前へ進んでゆく。


    以下は書きなぐりのメモなので読む意味ないです(とかいいつつ、外向けの”ですます調”)。

    ○考えたこと

     乙美に世話になったという派手な格好をした女の子の井本、さらに熱田家がかつて所有していた乗用車ビートル(タートル)に乗って現れたハルミ。彼らは四十九日の大宴会のための”手伝い”でありながら百合子と良平を導く存在でした。「四十九日のレシピ」とは、残された家族が悲しまないようにと乙美が残していたものでしたが、彼らもまたレシピのひとつだったに違いありません。

     乙美の四十九日を盛大に祝うためのひとつの大きなイベントとして「自分史(あしあと帳)」を完成させるというものがありました。最初は年表が埋まらないものの、最後は大宴会を訪れた人びとによって見事に完成に至る。人が生きた証しというものは、個々人のなかにあるのではなく、死んだ人が関わった人たちの記憶のなかから浮かび上がってくるもので、結局のところ、生きる意味とは何を遺すことができるかという問いなのだと思います。

     人はみんな踏切板だという言葉がありました(p. 219)。踏み切って跳び箱を飛んだら、飛ぶ前のことは思い出さなくてもいい。そうやって誰かの踏み台になって、後の世代を押し出してゆく。乙美の生き方は”最後まで”まさにそうだったんです。
     人は持ちつ持たれつ、誰もが踏切板になって、誰かの人生を押し出している。それは、どれだけ尽くしても踏まれるばかりで返ってこないということ。どう生きたらよいのかと悩む百合子は「では、踏切板のまま忘れられてもよいのか?」と問いかけます。けれどこの答えは明らかにされません。
    その答えは、年表にあったのではないでしょうか。忘れられていない。人は行動して、踏み台になることで自分の年表を埋めてゆく。
     物語の終盤、娘の百合子が東京の夫の元へ戻ろうかと迷っているときに、父親の良平が「行け」と声を張り上げる場面があります。このとき良平はまさに、娘の百合子を夫の元へと飛ばすための踏切板になったのだと思います。ほかにも印象に残る場面はたくさんありますが、この場面では考えていたことが全て一本筋でつながったような、感動と閃きの衝撃(トリックの仕組みに気づいたコナンくんのように、笑)がありました。

     読み直してみると、「ありがと、良平さん」というセリフに底知れない深さを感じます。井本とハルミは、「ヒッコンドレン、カタ」のですね・・・。

  • 亡くなった後妻で継母である乙美さんの四十九日に開く宴会の準備をしながら主人公の父娘が再生する物語。人生で直面する様々な家族のしがらみや夫婦のトラブルなど重たい問題が描かれています。全体に語り口が軽いのでさらっと読めますが、読む側の経験や抱える問題によっては胸をえぐられるような思いを抱く人もいるかもしれない。誰もが誰かのテイクオフボード(跳び箱の踏切台)であればいいという考え方は印象的だったけれど、死後にやっと気づいてもらえた乙美さんは、それで寂しくなかったのかい?と、なんだか私は寂しかった。

  • 図書館で何回も見かけるもんだから借りてみたけど。今年の秋映画公開なんですね
    知らなかった~

    NHKでもドラマやってたんだ
    なんとなくこっちの配役の方が私は好きかも(見てないのでどっちとも言えないけど 本を読んだ感じのイメージに近い気がした)

    子供を産まない人生
    継母であった乙母と、百合子。そして自分が重なる気がして 通勤中読んでたけど続きが気になって一気に読んでしまった

    OTOMI ⇔ IMOTO
    産まれなかった子供 ⇔ ハルちゃん??

    川はあの世とこの世の境目

    リボンハウス ⇔ リボーン(生まれ変わる??)

    丁度お盆の季節で あの世とこの世が交わる季節
    出会うべくして出会った一冊・・・かな

    ドラマ&映画もちょっと見てみたいな~

  • 映画『四十九日のレシピ』公式サイト || 11月9日(土)新宿バルト9、有楽町スバル座ほか全国公開
    http://49.gaga.ne.jp/

    石橋蓮司って好きは俳優なんだよね。。。

  • 乙美さんみたいな素敵なお母さんっているのだろうか。

    生活のあれこれを書き留めて、自分の死後の事まで考えて、
    残された者にレシピ(処方箋)を残す。

    井本は本当に乙美だったのかな~
    でなきゃ若いのに偉いよ。

    いいお話だった・・・
    でも亀だったの?浩之頼りないよ。

  • 百合子にまとわりつく人の泥臭さに苛立ったが、乙母さんとimoto、ハルの心の暖かにぐっとくる作品だった。
    それにしても、最後の展開には、いい意味で裏切られた。ダーリン熱田の乙母に対する質問の答えが井本の名前だったとは感動しました。他の作品を読んで見たくなったです。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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