- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591155691
感想・レビュー・書評
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物語が愛おしくなる物語。
駅の遺失物係で、物語を探す物語。
私たちは物語をなくしていて、そして物語を探している。
人の物語と出会うことで、自分の物語を思い出すこともある。
やわらかで、あたたかくて、やさしい物語でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
誰かが失くした物語は「ゆめみの駅の遺失物係」に届けられるそうです。7つの拾得物語はどれも切なくもほんのりと暖かく、それを読み聞かせてもらう訥々と語るのが特徴的な少女と一緒になってあれこれと思索を巡らすのが楽しくありました。
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小説と児童書の間のような本。
静かで、あたたかいけど、寂しくて。
「かたくてあたたかくてつめたくてやわらかいもの」の空気感を思い出しました。 -
★4.0
誰かが忘れた"おはなし"を読み聞かせてくれる、ゆめみの駅にある遺失物係。各章で読まれる"おはなし"は、まるで絵本を読んでいるかのように情景が目に浮かんでくる。そして、忘れられていくものに儚さを感じるだけでなく、静かに寄り添う優しさと温かさもしっかり健在。中でも、一番のお気に入りは最終章の「青い人魚とてんとう虫」で、切なさと希望のバランスが絶妙だったと思う。少女のその後は分からないけれど、大人になった彼女=著者のような気がした。ただ、唯一の欠点はページ数が少なく、読み足りなさを覚えてしまうこと。