地の星 なでし子物語: なでし子物語

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156056

感想・レビュー・書評

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  • なでしこ物語の続編ですが、母になった燿子さんを中心とした、凋落の一途だった遠藤家立て直しにつながりそうなところで終わっています。この後どうなるのかな?続編はあるのでしょうか?気になるところです。

  • 少し終わり方があっけなく感じた
    また、わりとあっさりと成功してしまったかな
    この作家の作品は家族関係のものをいくつか読んだ
    何も読みやすくわかりやすい
    人生の道標になることも多いと思う

  • 口コミで次作を先に読むべきか、
    出版順に読むべきかが議論されていたので悩んだが、
    出版順に読んでみることにした。
    そこに作者の意図があるのかも。

    まず、18年も経っていて、
    燿子は結婚し子どももいて(しかも相手は立海ではなく)、
    スーパーで働いていることにしばらくついていけなかった。
    燿子は高校生の頃かなり優秀で、海外で働きたいと思っているくらいだったが、
    あっさり結婚したらしい。
    そして自身が「おあんさん」に。
    遠藤家は更に没落していて、以前に働いていた人々は今は皆いない。
    まだ若いのに、何回も転回している人生だなあ。
    1作目のなでしこ物語から時間をあけずに読んだので、
    あまりにも違うストーリーで「えーっ!」となったが、
    おなじみの登場人物たちが出てきてほっこりしたり、
    昔、隆盛を極めた常夏荘のゴージャスな埋蔵品たちに驚きながらも、
    パートの主婦が起業するまでのストーリーとして楽しめた。
    かつての青井先生の教えが燿子の中にずっと生きているね。

    それにしても、燿子はなぜ龍治を選んだのだろう。
    いろいろ疑問が残るところもあったが、次作でそれが解決されるのだろうか。
    そしてこの後、龍治や立海との関係性に変化があるのか。
    この話自体は明るく終わったが、とても気になる。

  • 8月-27。3.5点。
    なでし子物語、続編。
    大人になった耀子中心に描かれる。
    娘と共に常夏荘にきた耀子。スーパーで働き始めるが。

    前作のメンバーも多く出てくる。読みやすい。

    ここに至るまでのストーリーが少なく、情報が欲しかった。
    次作で穴が埋められるのかな。

  • なでしこ物語の続編。
    前作から随分と時間が経っていて、状況理解するまでに少し時間がかかったし、読み終えても分からない部分があるけど、それは3作目で分かるのかな。

    伊吹有喜さんの描く食事はとても美味しそう。素朴で身体に良さそうで、そんなお弁当私も食べたい。

    女性の自立しようと言う気持ちの一番の壁は身内。そういう時代だったなぁ。

    莫大なお金が儲からなくても、楽しく働ける場があって、利用してくれる方が笑顔になって、みんなが同じように幸せになる。そういう成功もある。

  • 皆さん高評価なのですが、わたしはちょっと。。。
    没落過程とは言え膨大な資産を持つ遠藤家。母の育児放棄にあっていた少女・耀子は林業で財を成した遠藤家発祥の地・峰生に建てられた広壮な常夏荘で働く祖父の元に引き取られ、病気療養のために転地していた遠藤家の孫・立海が出会う。ちょっと『秘密の花園』等を思い出させる少年少女を主人公にした良い話『なでし子物語』の続編です。
    前作から一気に18年。なんと今度は”お仕事小説”でした。
    遠藤家の家長・龍治の嫁になった28歳の耀子が、何故か過疎化が進む峰生のスーパーのパートです。大手スーパーの傘下に下り、東京から来た店長が遠藤の分家の娘。閉店に追いこまれようとするスーパーを耀子たち従業員が建て直していきます。そして。。。
    ただねぇ、お仕事小説としての出来は良くない。美味しくて健康的で安いお弁当、一口食べた人から直ぐに口コミで広がる可愛らしいスイーツ。確かに登場人物の中に腕っこきの料理人を配しているとはいえ、そんなものがたちどころに生まれて、しかも大量に作ることができる。そりゃ成功します。しかも、作るところは常夏荘の巨大で何故か最新設備を備えた台所。「苦難を頑張り抜いた果ての機知」がお仕事小説なら余りにご都合主義という気がします。
    では人が描けているかと言うとそうでもなく。全国模試10位という頭脳明晰なはずの耀子は28歳になった今でも何故か愚図キャラですし、他の登場人物もどうもキャラが不安定な気がします。

    『秘密の花園』的な話が「お仕事小説」に、資産家の嫁がスーパーのパート、そんな木に竹を継いだような無理な設定です。
    いっそ別の話として切り出した方がすっきりする気がするのですが、物語のバックには遠藤家の物語が流れ続けます。娘の喘息治療の為と言いながら長く別居し、会話の無い耀子と龍治夫妻。何故か避けあうような幼馴染の立海と耀子。そのあたりの謎が最終編『天の花』で明かされるのかもしれません(どうも話は遡り耀子の結婚にまつわる物語の様です)。
    とは言え、手を出すかどうか・・・・。

  • しまった。こっちが先だったか。おかげで変化は受け入れられた。

  • まず言いたいのは、第2冊目だけれど、順番的には3作目「天の花」から読むことをおすすめする!

    耀子はおあんさんとなり、一児の母に。
    耀子、控えめながらも芯のある、大人の女性になったねえ。昔の面影もちゃんとある。
    今作では耀子が自分の力で、道を切り開いていく様子が中心。耀子の決意や奮闘が、しっかりした文章で丁寧に描かれているが、立海や龍治の登場はわずか。(そこが個人的に少し残念)。立海も立派な青年になっているみたいだけど出番も少ないし、“リュウカくん”の印象が未だ強くて、読んでいてもあまりイメージが沸かなかった。

    さて、2人はこれからどうなるんだろう。
    後半の2人のシーンはドキドキしたし、こうなってほしいとずっと思ってたけど、結ばれないからつらい……
    理瀬もいるし、不倫が見たいわけでもなし。もやもや。(立海のお別れの言葉も気になる)

    う〜〜こうなってくると1巻目に戻って、懐かしくて尊いあの頃の2人に会いたくなってしまう…

    大人になって、現実はより重く、複雑に。
    守られる存在から、“守る”存在へ。
    なかなかめでたしにはいかないけれど、まだ続くとのことなので最後まで2人を見守ろう…


  • 女の子だったはずの耀子が、一児の母になっていることに動揺。前作から時は流れ、名家だった遠藤家も凋落し、常夏荘を売り払う話も出ている。耀子はそんな常夏荘の女主人・おあんさん。結婚もして子どももいて、小さかった耀子とは別の人のように感じるけど、耀子を支えているのは、あの時に言われた言葉たち。自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること。「どうして」ではなく「どうしたら」できるか考えること。時が流れても、変わらないものがある。お仕事小説っぽさもあった。最後の終わり方が好き。やらまいか!やらまい、やらまい!

  • 龍治と結婚し、かわいい子をもうけ、おあんさんとして生きる燿子。
    大人になるまでの肝心な部分はおあずけだけど、
    自立しようとする燿子の姿、由香利、千恵、女性の生きる姿がよい。

    立海との間も気になるし、
    これはまた3冊揃ったら最初から読み返したい。

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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