- Amazon.co.jp ・マンガ (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592145370
感想・レビュー・書評
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出色の出来。
死者の脳から記憶を掘り起こすという舞台設定をこれほど効果的に見せられるとは!
作品は有名なある事件を下敷きにしていますが、それよりも「復讐の為鬼になる」と決めた犯人の、周到に練り上げられた復讐そのものが恐ろしく、おぞましい。しかし、その気持ちに到るまでの思いを考えるとやり切れません。どんでん返しと伏線の巧みさに唸らせられ、サスペンス色も強い上に、薪さんの正義感や自分の職務への誇り等等、無駄な頁は一切なく、現存完全な作品と言っても過言ではないと思います。
グロもなく、絵柄で引かずに是非一読を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここまで読んできて、一番良い話だった。良いというのは、語弊があるかも。とても考えさせられる。
北朝鮮拉致被害者の家族、外国で反社会勢力に誘拐される日本人、よくニュースで見ていた事へ新たな視点で考えるきっかけを与えてくれる。
大臣への社会の反応と、実際の大臣の行動のギャップ。
どんな事もあらゆる角度から見ることが大事だと思った。 -
この7巻が作品的にも最もクオリティーが高い。
人違いと知ったとたん、人命より己の立場を優先させた大臣に静かにキレる薪さん。
閉じ込められたのがもし「薪さんだったら」と青木に言われハッとする薪さん。
無謀な青木に対し「僕がすべて指示を出す!」とリーダーシップを発揮する超カッコイイ薪さん。
総監に怒鳴られ一瞬ひるむも、外のヘリの音に命をかけて少女の救出に向かった青木を思い出し、毅然とした表情に変わり総監に進言する薪さん。
無事戻った青木を見て、思わず感情があふれだし、抱きついてしまった薪さん。
そこに雪子が来て、青木からすっと離れる薪さん。
雪子と青木の触れ合う手を見、二人を見、青木の表情を見てから目を伏せてエレベーターの扉を閉め去る薪さん。
薪さんはもとより、ここに来て青木の感情にも変化があらわれている。
親と子の絆をテーマにしているが、season0の原罪を読んだ後に読むと、薪さんの心情はいかばかりかと。
犯人である淡路にどうしても共感してしまう。
大臣には嫌悪感しかないが。
読むたびに あちこちに散りばめられた細かい心理描写に気づくので、マンガってすげえなと。
あ、清水先生がすごいのか。 -
犯人が怖いというよりも、最後の薪サンが一番怖いと思ってしまう巻でした。
どんでん返しが凄い!もう、魅了に魅了されて何度再読したことか!!
テレビの音声と現実の違いが、より一層この話を深くさせてくれます。 -
凄かった。
眠る前にと読み始めたけど、読み進めるとどんどん目が冴えてぐさぐさ突き刺さる感じで。
この話の薪さんの言葉や行動には賛否両論あるんだろうと思う。それは大臣の態度だけでなく、薪さん自身がプライベートでもぐらぐらしていたせいもあるだろうし、いろんな映像を見続けた影響がないとも言い切れないだろうとも思う。
でもホント、薪さんには幸せになって欲しいなと思います。
そういえば、地元の地名が出てきました。見たときは変な声が出ました。この世界にどっぷり浸りこんでいたはずが、一気に作品世界が身近なものになりました。 -
『今助けを求めている被害者があなたのお子さんだったとしても
同じ判断をしますか。』
1から10までこの理屈が通るわけではないのは重々承知。
それを全面に出し過ぎることを『公私混同』と呼ぶのも重々承知。
ただし、その質問にきっちり向き合って考えて、ハッキリ自分なりのYES/NOを言えるくらいの覚悟をもって事に当たっている人がそう多くなさそうなのもどうやら事実。
フィクションの中でのみ成立する胸熱シーンだと言われがちだが
胸熱だと思うなら現実の世界でもやったらいいじゃない。
ところで三好センセイが明らかに『バカな女』化しているのはどうしたらいいのでしょうか
恋しちゃうと女ってバカになっちゃうの的なキャラに変更なの? -
この巻を読んで、改めてこの作品の凄さが分かりました。
作品傾向としては社会風刺派だと思う。とにかく
裏の裏の裏をかいた凄い展開なので・・お勧め。
ちょっとつらつらなのですが
青木が何故あそこまで雪子先生をモノにしようと急ぐのか
納得がいかないというか・・なんというか、好きになる経過、
起「承転」結あたりを飛ばしまったと思うんです。(なので終始モヤモヤ
みんなそれぞれが薪という人間に(形はどうであれ)執着
し過ぎていて、事件やモラル等含めたがんじがらめの現実を
認めたく無いが故意地になっているというか・・うーん
というか同性愛的な要素があるので
うん・・ううん?となる。友愛なの親愛なのか恋愛なのか、
色々曖昧なのも魅力の一つなのでしょうか・・なんか描写が
変に色気あるんだよな・・8巻次回帰国時に。