バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー)
- 扶桑社 (1989年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594004538
作品紹介・あらすじ
近未来のアメリカ。そこでは選抜された十四歳から十六歳までの少年100人を集めて毎年五月にという競技が行われていた。アメリカ・カナダの国境から出発し、コース上をただひたすら南へ歩くだけという単純な競技だ。だが、歩行速度が時速四マイル以下になると警告を受け、一時間に三回以上警告を受けると射殺される。この競技にはゴールはない。最後の一人になるまで、つまり九九人が殺されるまで、昼も夜もなく競技はつづくのだ。体力と精神力の限界と闘いながら、少年たちは一人また一人と脱落し、射殺されていく。彼らは歩きながら、境遇を語り、冗談を交わし、おたがいを励ましあう。この絶望的な極限状況で最後まで生き残るのははたして誰なのか-。死と直面する少年たちの苦闘を描いた、鬼才キングの問題作、ついに登場。
感想・レビュー・書評
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こんな小説を大学時代に仕上げるなんて、キングはやっぱり天才だと思う。
100人の選ばれた少年たちがひたすらに歩き続ける。最後の一人になるまで。最後に一人になった勝者は、どんな願いも叶えてもらえる。
お互いがライバルで、嫌なやつもいれば、不思議な奴もいて、友達になる奴もいて、でも速度が落ちて警告を3回受けると銃殺される。なんのために歩いているのか、どうして参加したのか、考えながら歩き続ける一人一人のキャラクターが生き生きしていて、一気読みしてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストーリーがずっと歩きっぱなしで二つの意味で地続きなので、分からなくなる事がなく読みやすかった。
キング作品は初期の頃が面白いなぁとも思った。
臨場感があって、学生時代の頃の長距離走を思い出した。素晴らしい作品だと思う。 -
キングの作品の中でも
ベスト3に入るくらい大好きな作品です。
タイトル通り 最後の一人になるまで
歩き続けないと殺されてしまうーという
過酷なレースに参加した少年たち。
長い長いレースの間には
当然「友情」も芽生えてきます。
しかし 生き残ることができるのは
たった一人。
設定そのものは 常軌を逸していますが
ラストは 切なくて切なくて 胸を打ちます。
感動の奥底に横たわる 漠然とした恐怖と虚無感。
キングの魅力。 -
あとがきによるとキングのほぼデビュー作らしいが、ほんと最初から天才だったんだな。物語はすごくシンプルで、少年たちが歩き続けて歩けなくなると殺されるという競技の話。最後の1人になるまでの話なんだけど、主人公始め参加している少年たちの心の動きをそれぞれ書き分けられていて、どれもとてもリアル。またこの作品の舞台のアメリカは軍によって恐怖支配がなされているようで、その辺りがじわじわ明らかになるのも恐ろしい。やっぱりキング好きだなー。
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再読。
二十年ぶりぐらいに読み返した。
当時はそれほど衝撃を受けた印象はないが、ラストシーンはずっと記憶していたのでインパクトがあったのだろう。
背景の設定や主人公の目的が分からないが、キャラクター造形がしっかりしているので物語に引き込まれる。
ロングウォークで勝者になるには邪魔なだけのの仲間意識、それでも各々が助け合っていく姿にその後訪れる非情な運命にヒリヒリした。
また、いつか読み返すであろう1冊 -
過去2~3回読了。
平行世界のアメリカにはある行事が存在する。
100人の男子が最後の1人になるまで歩く『ロングウォーク』。
優勝すれば望む物が何でも得られるこの競技のルールは至って単純。
時速4マイル以下で警告3回で射殺。制限時間も休憩も、無い。
冒頭は競技者達の集合から始まり、競技終了で終わる。
背景も軍事国家としての仮想の国のイベントだしルールは簡素。
12~18歳、日本でいう中高生がとにかく歩くだけ。
至極シンプルな背景には内容で特に考察が出来る余地はない。
じゃあ何がこの小説には書かれているのか。
バラバラの地域から集まり、初対面の男の子同士が生を賭けて歩く。
最初はライバルでしかない、馴れ合いもない。
終わるまで休めず終わるまで生きられない死の椅子取りゲーム。
競う内容が歩くだけなのだから卑怯な争いなんか殆どない。
100人の仲間は、銃口を向けられ、TVに映り、見世物にされ、歩く。
そんな重圧の中で交流していく友情の物語なのだ。
だが必ず仲間は遠くない未来に自分が生きる限り死ぬ。
決められた終わりに向かって、全員が歩いていく。
終わりが近づく時、とても、とても寂しくなる。
ある小説のモデルだが、これは1979年刊行で書かれたのはもっと前だ。
古いありふれたデスレース小説と油断しない方がいいです。 -
これはもう、最初に読んだのは、中学か高校の時で、友達に貸されて読んだのですが、これは何と言うか…これってホラー?
サスペンス(これの定義がいまいち/苦笑)?
取り敢えず、この作者といえばスタンドバイミーとかが有名ですが(グリーンマイルとかも映画になったし)、私はこっちのがインパクト強いです。
今思えばバトルロワイアル(も読みました)にも共通性が感じられなくも無い。本気で元ネタなんだとか。
一定速度で歩き続けて、最後の1人になるまで歩く。生きてリタイヤは出来ません。
確か、最後の1人は何でも要求が叶うとかそんな話ではなかったかな。文字通り命がけ。
歩きながら、周りにいるのは皆ライバル…ある意味本当に敵かも…ながら過去や関わりによるドラマがあって…という感じ。
映画化されてもエグいだろうし、見たくは無いですが、これはもう1度読みたい本に含まれるかな。
文章で読みたいストーリーということで。-
私はまだこの作品を読んでいないのですが、かなり期待を持っています。
何しろ発想が面白い。
スティーヴンキングの作品はいくつかよみましたが...私はまだこの作品を読んでいないのですが、かなり期待を持っています。
何しろ発想が面白い。
スティーヴンキングの作品はいくつかよみましたが、この作品にもかなり期待をもっています。
・・・ただ、キングの作品は病んでしまう可能性が大なので、読むタイミングを見計らっています。
読み終わったらレビューを書きたいと思っています。2010/01/28
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07.01.04