- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620107110
感想・レビュー・書評
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亡くなった父の家にかかってきた電話から、父が「めぐらし屋」という何かをやっていたことを知った蕗子さん。めぐらし屋って何?という謎をといていくお話。
メインとなるこの、父をめぐる話は良い。
でも、同じくらいの割合で蕗子さんの体調不良がかかれていて、なんだかめぐらし屋に集中できない感じが否めないお話でした。
なんだろう、こう、あちこちにお話が飛んじゃって自分の中でまとめるのが大変だったというか。
蕗子さんの気持ちの変化なんかも読み取りづらかったなあ。
テーマは好きな雰囲気だっただけに、ちょっと残念な気持ちになってしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
亡き父の部屋で見つけた、表紙に「めぐらし屋」と書かれたノート。記憶と謎に蕗子さんが導かれる先とは――。
ああ。堀江さんも苦手だぁ・・・(この本の前に読んだ、小川洋子さんも苦手な作家さんなのです)。
私は本当に本当に、滅多に読み始めた本を途中で挫折しないのだけれど、堀江さんは2度も途中で挫折しているという、私にとっては「ありえない」人なのである。
でも、なんか、一度「読んだ」と言いたくなる作家さんなのだ(笑)。自分でも矛盾していると思う。けれど、なんとなく雰囲気がいいなぁ、この人の本を読んでる、と言えたらいいだろうなぁ、って作家さんいません? (いないものなのかなぁ・・・)
一度読み通してみよう、一冊きちんと読んでみよう、というわけで本書。
そして、結果は・・・玉砕。やはり、苦手でした(涙)。
だめだ、本質的に合わないんだ。リズムだとか、体温だとか、ものの見方だとか、何もかもが根本的に違う人なんだ、と思った。
だって、さっぱり心地よくならないのである。この本の主人公の蕗子さんにも、やきもきしっぱなし。はぐらかされっぱなし。彼女の生活リズムやら、感覚のずれやら、さっぱり共感できない。むしろ、もどかしくて堪らなくなってしまい、これまでの挫折した2冊と同じく、何度も「やっぱり読むのやめようかな」と思った。
ではどうして、この本に限って読み終えることができたのかというと。普通はこうは読まないだろうなぁ、という読み方で読んだためではないかと思う。
つまり私は、この本をミステリーだと思って読んだのだ。謎の提示、伏線、そして理論的帰結。かなり無理やりだし、純文学読み(?)の人には怒られそう(??)だけれど、この話、ミステリーとして読むことも可能ではないでしょうか。
別にこの本がエンタメだと言いたいのではなく、そういう要素があるな、そういう読み方もできるな、と思ったのである。北村薫さんが、「きょうはなんのひ」という絵本を「立派なミステリーだ」と言っていたように、この本も見方を変えれば、立派な「謎」の物語だな、と思いながら読んだからこそ、私はこの本を読み通すことができたのだと思う。
とはいえ、こういう本をしみじみ味わうことができないとなると、自分はガツガツした人間なのかなぁ、と、とてもがっかりした気持ちになる・・・。 -
会社勤めをしながら一人でひっそりと暮らす蕗子さん
母を亡くし、子供の頃に離婚して家を出て行った
父も亡くなる。父が暮らしていたアパートに寄り
遺品の整理をしていた中から見つけた「めぐらし屋」
と書かれたノート。そして父宛にかかってきた1本の電話。
自分が幼い頃の両親の暮らしはどうだったのか?
子供の頃の自分には知らなかった両親の生活。
とても謎めいた感じで物語りは始まります。
でも蕗子さんのキャラがおっとりしているせいか
文章が淡々としているせいか大きな展開があるわけでもなさそう。
まるで五月雨?みたいな雨がシトシトと降り続くような
物語でした。
作中に出てくる黄色い傘
表紙にある黄色がなんとなく頭の中に残りました。
ゆるゆるな感じです
「わからないことはわからないままがいいんだよ」
確かに…
私にとってこの本はまさにそんな感じでした。 -
【蕗子さんは亡くなった父親の部屋で「めぐらし屋」と大書きされたノートを見つける。記憶と謎に導かれ、蕗子さんが向かった先は…】
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<br>初、堀江敏幸作品です。
<br>父が生前やっていた【めぐらし屋】。
<br>「めぐらし屋って何?」という、主人公と同じ疑問を持ちながら
<br>のんびりと読み進めていける一冊でした。
<br>亡くなったお父さんのことをもっと知りたいと思っているところで
<br>不思議な繋がりがうまれ、身近に居る人にまで繋がる。
<br>こういう繋がりってなんだかいいな。
<br>クスッと笑えるエピソードなんかも良かったです。
<br>でも主人公を【蕗子さん】と[さん]付けで書いてあるところには
<br>最後まで慣れなかったなぁ。 -
単に異様に低血圧で未婚のおばちゃんの体調不良の物語ではないのか、これは。脆弱すぎてイラッときてしまう。
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堀江敏幸さんの小説。
静かな物語だった。
亡くなった父の残したノートにあった「めぐらし屋」の文字。
普通の生活を送ってたと思ってた父は本当は何をしていたのか・・・
まぁ、たいした謎は出てこなくて、語り口もとても日常っぽいゆるやかなもの。
僕がよく読んでる荒唐無稽な小説に比べるととても上品な部類だ。
なぜこんな本を手にしたかと言うと、雑誌「ダ・ヴィンチ」で本屋の店員さんが薦めている小さな記事を見たから。
僕は本には詳しくないので、ダ・ヴィンチの記事をすごく参考にしている。
面白い本はたくさんあるんだろうけど、自分に合ったもの、とりわけその時々の気分に合ったものを見つけるのには苦労する。
僕はSFやファンタジーといった非日常の世界が好きなので、読む本も限られてくるのだ。
「めぐらし屋」は読後感がほとんど無かったくらい、さらりとした作品だった。
まったりしたい時にはいいかも。
僕には品が良すぎたかな・・・ -
いろいろなエピソードなど、良いんだけど・・・なんだか物足りない・・・
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何故だろう、これはそれほどしっくりこなかった。一人称ではなく、三人称だからか。主人公が女性だからか。何かが足りない。何だ何だ。と考えているうちに読み終えてしまった。パンチのない川上弘美。的。だと思った。空気ふんわり、話もふんわり。(07/8/23)
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わからないことはわからないままにしておくのがいちばんいい。記憶と謎に導かれ、蕗子さんが向かった先は…。
・・・可もなく不可もなくという感じでしょうか・・・依頼人探しのところは面白いかなぁと思いましたが、結局良くわかりませんでした(汗)