待ち遠しい

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.31
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本棚登録 : 820
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108414

感想・レビュー・書評

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  • ドラマ化したら話題になるかな、と思った瞬間、それはないな、魅力的な男性が誰も登場しないから。
    読むと、異なる世代の女性同士の話題作りになるかもしれない。でもそれこそが地雷だったりして。

  • なんか、他人の生活を覗き見しているような気分になって、読んでいてあまり心地が良くないので、途中で放棄。起源前に図書館に返却。

  • 初めのうちは、ご近所に住む世代の違う人たちの日常が淡々と描かれていくのかなと思ったけど、きれい事で終わるわけではなかった。
    3人それぞれの生き方や考え方の違い、春子の思いとか、沙希の辛辣な言葉とか、結構深くて、いろんなことを考えさせられながらとても興味深く読めた。

    一番年齢が近いはずのゆかりには共感できなくて、むしろ春子目線で読んだけど、あんなにご近所さんとガッツリ関わるのは、私は避けたい。

  • 39歳の独身女性・春子の借家の大家さんが代替わりし、63歳のゆかりが来たことから、親しい近所付き合いが始まる。ゆかりの甥・拓矢の若奥さん沙希と3人の世代が違う女性の考えの違いが面白い。女3人の天橋立旅行など、春子の人生が大きく変わったかのよう。ゆかりの幅広いお付き合いから交流の輪が広がり、五十嵐という不思議な独身男性が登場するなど、変化に富む展開で飽きずに楽しめた。一方では春子が独身でいることの意味合いが力説されており、著者自身の考えがかなり出ているように感じた。

  • 2019 10/13

  • いや、どう考えても一人のがいい。
    巻き込まれたくもない。

  • 63歳、39歳、25歳と年代も置かれている環境や価値観もまるで違う、同じ敷地内に暮らす三人の女性たち。

    親として自分の価値観を娘に押し付けてしまったゆかりの気持ちは、良い事ではないのかもしれないけれど何となくわかるし、結婚していない、子供がいない一人暮らしの春子の事も。沙希の図々しさ、したたかさ、我儘は呆れるけれど、自分も25歳の頃は年上の人からそう見えていたのかなと顧みる。

    世間的に普通だと言われている事は昔々から続いている保守的、多数派の考え方なだけで、一人一人の人生は全く別物。他人から強制される事でもなければ焦る必要もないけれど、とらわれてしまうのも仕方のない事。

    今まで寂しいと煩わしいは背中合わせで、どちらか一方を撰ぶしかないのだと思っていた。しかし人と一緒にいるのはエネルギーがいるから、一人の時間にそれを貯める“一人でいるのも好きな人”と、一人で過ごさないといけない時間のために、人と賑やかにしてたくさん力をもらう“一人でいるのは寂しい人”がいて、他にも一人でいる時間と大勢の人といる時間を上手に楽しむ方法があるのだとしたら、自分に合うようにアレンジして生きて行けたらいいのかなと思う。

    でも私がもし春子だとしたらあまりこの家では暮らしたくないかな。いくら住み心地が良くても、噛み合わないお付き合いは何だか色々と煩わしそう。

  • 柴崎友香さんは、優しい。
    女が結婚せず働くってまだ風当たりがある。(たぶん)
    妊娠しても離婚しちゃった場合、苦しいのは女性の方。
    死別で残されるのは断然女性が多い。
    嫁ぎ先の両親のことも、たぶん女性の方が関わる。
    (伴侶が死んでも、義理の両親の面倒をみるのは、女性だけじゃない?)
    そのことで、もやもやし、悩み、怒り、泣いたりしながら、
    女性同士の繋がりを優しく描く。
    怒りながらも女性たちは、男性にも相変わらず残る風当たりがあるんだろう、と、慮る。

  • 本書は、いろんな年代、いろんな人格の女性の気持ちについて書かれたユートピア小説と思いきや、それを崩す内容だった。不本意にも、単純に、泣いた。それは本書が持つ良い点ではなく、単に、自身の想像力の欠如に、泣いた。

  • 春子に対して共感の大連発。

    もう、分かる!分かる!分かる~っ!!

    私は結婚もしてるし子供もいて立場は違うけど
    もし春子のような人生を歩んでいたら
    まさにこういうふうになったのだろうと
    自分のもう一つの人生を読んでるようだった。

    自分ひとりで責任を持って生活できてれば
    それで自分なりに幸せであれば
    外野はいろいろ言うけれど無視ですわ。

    女はどんな立場であろうが、堂々と生きたらええねん!

    ご近所付き合いができるようになったり
    誰彼構わずすぐ飴ちゃんをあげる
    お節介なおばちゃんになるのって楽しいよ。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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