待ち遠しい

著者 :
  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108414

感想・レビュー・書評

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  • 世代が違う女性三人の不思議な交流の話。さきちゃんはあんまりにも春子に対して失礼じゃないか!?と思う言動しばしば。

  • 自分のことを卑下して話す春子にまっすぐ言葉を発するゆかり。
    「堂々としてればいいじゃない。自分が好きなものを、自分で作れるってすごいことよ」
    なんだか自分も鼓舞されるというか、背中をパンッと叩いてもらった感じがした。

    春子と同じで旅行はしないのかとゆかりに聞かれ、別に興味ないと言った沙希。- 育った環境で経験があまりなければその後も選択肢としてなかなか思いつかない - からの沙希と律子母娘に対する数行がなんとなく殺伐としている。
    でも、幼い頃からの経験がその後の行動に影響を与えるのは頷けるし、露天風呂での沙希の発言の仕方(思考の仕方)からも影響は考え方にも出るよなと思いながら読んだ。

    - 「みんな」から外れないでいられるか、そればかり気にしてわたしたちは生きてきた

    春子の会社での場面。男と女の考え方の違いなのか何なのか、「ギィーーーー」って奥歯を噛み締めて苛立ちを押し込める。

    角が立たないように受け流してきた春子も、ゆかりにははっきりと言えたことがあるのは嬉しい。
    果物狩り、子供の頃以来行ってないな。
    ある一定の年齢を過ぎて一人でいると、言われるあれこれ。感じる周りの目。それは結婚して子供ができてもそれなりに続く。
    普通とか当たり前とかはそれぞれにあるものだから、以前ゆかりが言ったように「私はわたし」と堂々としていればいい。(そう自分に言えるようになるにはなかなか苦労もするけれど)。

  • "「その子がね、なにがいちばん腹立つって、自分のために彼女は犠牲になった、って書いてたことや、って。わたしはなにひとつ減ってない、どこもおまえのためになんか使てないわ!って叫んでました」"(p.291)

  • 途中挫折

    何が言いたいのか、わからなかった。
    何もない日常を描いているのかな。
    ちょっと苦手。

  • *住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚の現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか噛み合わない“ご近所付き合い”、その行方は―。芥川賞作家の新たな代表作! *

    普通、ってなんだろう。

    子供がどうしてもほしいと思ったことがない春子に対して、「自分は親に育ててもらったのにそんなこと言うん、人として普通じゃないでしょ」「しかもそれを隠さんと人に言うってどうなん?」と責める若い沙希。

    え、そうなん??そんなに責められること??
    もし、自分がこれを言われたら相当ショックだと思うけど・・・春子のふわりとした返答に救われた。
    普通とかあたりまえとか、押し付けずに、お互いゆるゆると受け止められたらいいのにな・・・

  • 限られた空間に住まう人々。全く気にならないわけではないが、近すぎるのも考えもの。この距離感でこの住まい形態だと関係と距離を保つのが難しそうだ。

  • つまんなかった 何かあるのかと我慢しながら読んだけど 最後まで つまんなかった。
    大家さんとは言え 他人 入り込み過ぎ。あり得ない関係

  • 主人公と普段やりとりしている近所の人たちのやりとりの描写がとても細かく、「本当にそうだよね~」と思わずうなずいてしまった。私も含めて、一人で過ごすことが好きな人はこの小説に共感できると思う。

  • 男やから、女やから、結婚してるから、結婚してへんから、子どもいてるから、子どもいてへんから、仕事してるから、仕事してへんから…
    ◯◯やから××なんやろ?って決めつけられたり、自分も無意識に決めつけてしまっていたり、そんなことから自由になれたらきっとすごい楽なんやろな。
    昔と比べれば多様な生き方が認められていることは確かなのかもしれへんけど、でも物心つく前から刷り込まれているものは頑固に根深い。
    決めつけられたり、自分で自分を決めつけながらも、自分が自分でいられる暮らしをひっそり守って生きている春子がとても愛おしかった。
    そして、登場する人たちの関西弁がはんなりしてて気持ちよかった。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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