- Amazon.co.jp ・本 (114ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622076445
感想・レビュー・書評
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誠実な思考。その積み重なり。
ひとことを導き出すために、多くの言葉が選ばれていることがわかる。
「特別にユニークなことが書かれているわけではありません」と著者がいうとおり、書かれていることは、すでによく知られていること。
それだけに、著者の論の進め方は、説得力がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山本 義隆氏の真骨頂だ。
いい反原発の論だと思います。
賛成派の本もぜひ出してください。
きちんとした議論が大切です。 -
元・東大闘争全共闘会議代表の山本義隆氏の著書ということもあって、骨太の反原発論を期待して購入したが、激しく後悔する結果となった。
その内容も視点も、従前から擦り切れたテープのごとく散々繰り返されてきたサヨクの言説の範囲を超えるものでない。その一言に尽きる。 -
20120122
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脱原発社会の立場。科学は万能ではない。
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3月11日の大震災、その後の福島の原発事故が発生し、いまだ自分の
中でもやもやした感情が残っている。
この著者は、今回の原発事故は科学技術幻想の肥大化が招いたものだ
と指摘する。科学技術とは、技術者が経験主義的に形成してきたもの
だが、原子力は純粋な科学理論のみに基づく点が異なり、それが人間
のキャパシティの許容範囲を超えた技術を生み出す結果になってしま
ったという。
脱原発社会に向けた説得的な批判を読み、腹落ちのする内容だったと
思う。 -
福島出張のお供にチョイスしました。
「福島の」とついてはいるものの、中身は日本の潜在的抑止力としての「核」としての原子力への取り組みからはじまり、誰も制御できないものになっていった過程、そして日本がアジアに、そして世界にどのような態度を示していくべきなのかということを訴えています。
福島にいる人々は明らかに被害者であったものの、この国は、世界的に見れば加害者なのです。なんともやり場のない… -
金曜日には本屋に寄るのが楽しみだ。
アマゾンでもずいぶん買うのだが、
本屋の空間が提供してくれる身体性、偶発性は
かけがえのないものだ。
山本義隆『福島の原発事故をめぐって
ーいくつか学び考えたこと』(2011)を読む。
山本の名前は『磁力と重力の発見』(全三巻)(2003)の著者として
僕の記憶にあった。
山本は事実や引用に基づき
丁寧に冷静に自分がなぜ原発に反対するか説いてゆく。
「16世紀文化革命」から始まる「3. 科学技術幻想とその破綻」は
人間の思考・営みを科学史の視点で俯瞰にとらえた著者の真骨頂。
歴史的事実の連続から現代の官民学一体の
反駁を許さぬ「原発ファシズム」の全貌までを明らかにしていく。
その筆致にはムダがなく、感情におぼれず説得力がある。
(デジタルノートが以前紹介した
平井憲夫『原発がどんなものか知ってほしい』(1996)からも
引用している。平井の原文を参照してほしい)。
福島原発事故から9ヶ月が過ぎ「終了宣言」のようなものが
政府から公式に出されたがその実態は疑わしい。
放射能汚染は数万年の単位で続くことが
科学的に証明されているからだ。
著者は現在学校法人駿台予備学校勤務。
こうした気骨ある在野の知性と対話し続けることで
僕も原子力問題について倦まず弛まず考え続けることができる。
雑誌『みすず』の福島原発に関する原稿依頼が
著者も予測しえなかった単行本の出版となった。
みすず書房の良質な仕事に感謝する。
(文中敬称略) -
論旨明確。理系の文章。章立てがちょっと読みにくいけど、虚飾がなくてわかりやすかった。