ボビー・フィッシャーを探して

  • みすず書房
3.75
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本棚登録 : 159
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078524

作品紹介・あらすじ

◆チェスの非凡な才能をもつ少年ジョッシュとその父親である著者が、伝説的棋士フィッシャーへの憧憬を胸に歩んだ全米学童チャンピオンへの道のりを描く。ハリウッドで映画化もされた、チェス・将棋ファン垂涎の傑作ノンフィクション。◆6歳でチェスを始め、子供らしい無邪気さでチェスに取り組みながら加速度的に強くなっていく息子ジョッシュ。その眩ゆいほどの素質に父親は深くいれ込んでゆくが……。◆親子はチェスの高峰をどこまで登っていけるのか? ライバルたちとの息詰まる対局の行方は? チェスの奥深さと、“頭脳の格闘技”に魅せられた人々の興奮と苦悩をこの上なく切実に伝える感動作。

感想・レビュー・書評

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  • チェスの天才少年といわれ、IMになりその後引退して違う道に進んだジョシュ・ウェエイツキンの父親の手記。
    映画化もされている。映画のほうでは子供のほうにスポットライトがあてられているが、原作は父親の目から見た子供とのチェス漬けの日々の思い出の手記といった感じ。個人的には映画の話よりもこの原作の話のほうが好き。

  • 160227 中央図書館
    ステージ・パパの正直な告解? 子供に期待をかける心理は、わからなくもないが、息苦しい。

  • チェスには詳しくないですが、この親子関係は興味ぶかいです。親にとって子はスペシャルなもので、かつ子供が特別な才能を発揮した場合には、特別な高揚感、幸せ、期待をもってしまうのは自然だと思います。
    そこで、どうするかですよね。子供の才能を伸ばすのは親の努めではあるけど、それは子供の幸せのためであり、親の幸せのためであってはいけない。親にとって幸せとは、子供の幸せなのだから。
    そーいった主題の脇にあるのはチェスの世界であり、その得意な知的ゲームの世界は魅力的である。そしてボビー・フィッシャー。次は「完全なるチェス」を読んでみます。

  • 【目次】
    献辞 [i]
    目次 [iii-iv]
    注釈について [v]

    1 チェスの神童を育てて 002
    2 フィッシャーの遺産 015
    3 ワシントン広場 025
    4 ブルース・パンドルフィーニ 039
    5 大ニューヨーク・オープン大会 051
    6 モスクワに向けたトレーニング 058
    7 列柱の間 068
    8 マルク・ドヴォレツキー 085
    9 ヴォロージャ 096
    10 記者室 113
    11 改修中につき休校? 127
    12 ボリス・グルコ 136
    13 チェス専門店 152
    14 ジョッシュとブルース 157
    15 タイトルを賭けて 172
    16 ビミニ島チャンピオン戦 179
    17 やる気をなくす 199
    18 チェスファンの覚え書き 218
    19 チェス親 233
    20 ロマン 254
    21 ボビー・フィッシャーを探して 263
    22 全米選手権 305
    エピローグ 339

    訳者あとがき(二〇一四年七月) [345-354]
    チェスプレーヤー覚え書き〔若島正〕 [i-iii]

  • 痛々しくて読むのが辛かった。最後に泣かされるとは思ってもみなかった。

  • かなり前になりますが、偶然「ボビー・フィッシャーを探して」という映画を見て、なかなか面白く見ました。そして今回その原作が翻訳されたということで、楽しみにしていました。
    著者はライターとして記事やエッセイを書く仕事をしていますが、息子ジョッシュが6歳の時にチェスを教えたら、あっという間にルールを覚えてしまい、父親を負かすようになってしまいます。ボビー・フィッシャーに憧れてチェスを覚えた著者は息子のチェスの才能を伸ばすことに生きがいを覚え、先生をつけたり大会に出したりと熱心なチェス親になりますが、まだ小学校低学年のジョッシュ少年には負担になることも多かったのです。
    この本ではチェスですが、スポーツを子供にさせる親、ダンスや勉強でもいいですが、子供によかれと思ってする親の愛と子供のすれ違いというものは、どこの国でも同じではないでしょうか。熱心だが子供を愛する親と、親のために頑張ろうとするがプレッシャーに押しつぶされそうになる子供がいます。
    そして、著者はライターなのでチェスに関するレポートにもなってます。80年代のソ連に行き、チェスプレイヤーや学校教育の様子のレポートはなかなか貴重かもしれません。当時のソ連がいかに監視社会であったか伝わってきます。
    天才少年だったジョッシュがどうなったのか、この本では訳者のあとがきに書いてあって、映画を見て数十年たってますが、知ることができました。
    チェスというゲームへの愛、そして苦しみや切なさが詰まった本でした。

  • アメリカの天才チェス少年ジョシュ・ウェイツキンの2年間をその父親が記した本.映画化もされたらしい.面白い部分は多々ある.アメリカのチェス界には常にボビー・フィッシャーの影がつきまとうこともわかった.しかし,読後に思ったのは,「なぜ今ごろになって翻訳が出版されたのか?」である.ソ連は崩壊しているし,ジョシュはすっかり大人になっている.

  • チェスに没頭
    日本で言う麻雀のようなもの?

  • ボビー・フィッシャーのドキュメンタリーを見て、この伝説のチェスプレイヤーに興味があった。この本のタイトルを見た時、ボビー・フィッシャーに関する本と思っていたが、内容は著者の自慢の息子がチェスプレイヤーとして成長する姿を追ったノンフィクションで、期待したものとは多少違っていたけれどとても面白く読めた。著者の息子ジョッシュは6歳でチェスを始め、わずかな期間で同年代や年上の子供は勿論、やがて父親や大人の棋士達に勝てるほど強くなる。
    著者は息子の能力に惚れ込み、コーチをつけてトレーニングをさせ、海外に遠征し、学童チェス大会に参加して実戦経験を積ませる。幾多の挫折を経て、学童の全米大会に出場する。
    70年代の冷戦の時代に、米ソはチェス競技で国家の威信を賭けて戦った。ボビー・フィッシャーは世界チャンピオンになったアメリカの伝説の英雄であり、当時のチェス人気を背負っていた。チェス好きの親は子供にチェスを教え、未来のボビー・フィッシャーになることを期待する。息子に惚れ込んだ著者も同じ「親バカ」としか思えなかったけれど、それは子供を持つ親に共通する感情なのだろう。この本の大半は、アメリカのチェス環境と息子に対する想いが綴られたものだが、遠征で訪れたソ連については、社会環境、チェス教育の仕組み、アメリカのチェス棋士の環境の違い(アメリカのチェス棋士は不遇で比較にならない)、ソ連の伝説のプレイヤーの過去と現在(と言っても80年代の状況だが)やボビー・フィッシャーのプレイなど、著者の体験やエピソードが多く語られていて興味深かった。
    チェスの世界でも戦略や定跡に名前があるのだが、チェスの場面で出てくる用語の意味が判らなくて、いま一つイメージが湧かない部分があった。事前にチェスの予備知識(駒の名前や動き)を知っておいたほうがより楽しめると思う。ゲームには興味が無い自分だが、この本を読んで少しだけチェスをやってみたくなった。

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