フィールドワークの技法と実際:マイクロ・エスノグラフィー入門

制作 : 箕浦康子 
  • ミネルヴァ書房
3.52
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本棚登録 : 149
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623030040

感想・レビュー・書評

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  • スキルとして
    観察
    問いを立てる
    をあげている。なるほどと思った。

    研究倫理についても詳しく述べているのは実際上の課題だと思われる。

  •  マイクロエスノグラフィーについての入門書。物理学や統計学、(古典的)社会学、政治学、経済学を読んでいると、社会情勢分析や実験などのより客観性を目指す分析は、目の前のちょっとした変化に反応するのが難しい事が多いし、マーケティングなどの実務的にも応用が難しい面もある。
     正直、難しいなー。。結局観察眼にかかってくるが、そう簡単によくできないしな。。少しずつ身につけるようにしないと。でも、どうやってすりゃいいんだろ?


    <基本>
    ■何のために観察するのか(検証したい仮説)、を抽象的でいいので決めておくこと。実際に観察する際は、確認のためなのか、気になるポイントを探すのかのどちらかになり得る(仮説生成法の仮説検証法どちらかがあり得る)。
    ■アプローチ:解釈的アプローチ、実証的アプローチ

    <基本的枠組み>
    ■観察:「見る」という超主観的行為
    ■面接:リサーチ面接:データ採取
    ■問いを立てる:問いを考える→観察する→より詳しい・発展した問いをつくる→…という良いスパイラルを創る。
    ■フィールドでの役割と倫理:観察者の立場:現場にいかに関わるか(ex.幼稚園でフィールドワークをする→子供達と普通に遊ぶべきか?職員との関わり、父母との関わり)。匿名性etc.

    <実際の現場で>
    フィールドノーツへメモ→観察後にノートへ再現・考察しながら書きとめる→エスノグラフィーへ。。
    ・いかにノーツから書き起こすか、いかにより良い問いにつなげるか。

  • 研究方法としてのフィールドワークに関しての本。なんで、1年生のときとかに読まなかったんだろーって思う、とっても良い入門書。方法論だけではなくて、指導を受けた実際の研究やフィールドワークの試行錯誤まで、掲載されています。研究計画書を書く上でも助けられました。

  • 文化人類学をはじめ、心理学、教育学、社会学などで重要な研究方法である「フィールドワーク」の中でも、特に人間の行動を扱い、それを生きている文脈ごと理解しようとする「マイクロ・エスノグラフィー」。本書は、その技法と実例を扱った入門書です。箕浦先生の語り口が巧妙です☆

    フィールドワークの基礎的な技術、フィールドで気をつけるべきことや問いの立てかた、倫理的な問題や陥りやすい誤りについて丁寧に書かれているうえ、フィールドワークの流れを?フィールドサイトの選定、?フィールドの全体像の把握、?問題設定、?焦点観察、?理論枠組みの探索、?選択的観察、? データの分析・解釈、?エスノグラフィー作成の8段階に分け、段階を追った説明がされているので、実際にフィールドワークをする際のイメージがしやすいです。

著者プロフィール

京都大学文学部(心理学専攻)卒業後、京都家庭裁判所に調査官として11年勤める。
1967より1968年にかけ、ニュージャージー州臨床心理インターンシップ・プログラムに参加、臨床心理士としての訓練修了書を得て帰国。1973年にヴィクトリア大学(カナダ・ブリティッシュコロンビア州)に留学しM.A.(社会学)、1975年にUCLAに移り、1979年にPh.D.(文化人類学)を授与される。
1980年1月より岡山大学文学部(社会心理学)、1993年4月からは東京大学教育学部(比較教育学・心理人類学)、1999年4月よりお茶の水女子大学大学院人間文化研究科(社会臨床・文化心理学)で教鞭をとり、2004年11月よりお茶の水女子大学名誉教授。
主著として、『子供の異文化体験――人格形成過程の心理人類学的研究』(思索社、1984、増補改訂版、新思索社、2003)、『文化のなかの子ども』(東京大学出版会、1990)、『地球市民を育てる教育』(岩波書店、1997)、編著として、『フィールドワークの技法と実際――マイクロ・エスノグラフィー入門』(ミネルヴァ書房、1999)、『フィールドワークの技法と実際Ⅱ――分析・解釈編』(ミネルヴァ書房、2009)、監訳として、『質的研究のための理論入門――ポスト実証主義の諸系譜』(ナカニシヤ出版、2018)がある。

「2020年 『EPAインドネシア人看護師・介護福祉士の日本体験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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