パパラギ: はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集

  • 立風書房
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784651930077

感想・レビュー・書評

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  • おっしゃる通りです。

  • 面白い

  • 皆、ツイアビの言葉は忘れてしまった

  • おもしろかったです。
    でも、早く読み終えてしまいたかった。
    的確で、悲しい。
    じゃあどうすればいいんだろう、と
    何度も考えかけて、やめて、考える。

    あたしがこの人に会ったら
    やっぱり、あたしは病気だと、
    思われるのかな。

  • 読み終わった後に、なんだか、いままでつまらないことにこだわっていたなという気分になった

  • 1930年代にドイツにわたり、フロイトを全否定している。
    「欲望と精神が戦っていると言うのはバカげている」だそうだ。

  • 西洋を訪れ、文明を初めて見たサモアの首長によるその批判演説集。
    モノ・思考・幸せ・生きることなどについて、考えさせられる一冊。

  • 学生の頃に読んで、7月末の「大人のブッククラブ」で再読した本。

    「パパラギ」に出てくる酋長ツイアビが実は実在しておらず、この本は「編者」を名乗るエーリッヒ・ショイルマンの「創作」であるという説は、最初に読んだ頃に鬼頭秀一『自然保護を問いなおす』で初めて知った。その時は「ふーん」と思った程度なのだけど、今回、幸運にもそこで引用されていた山本真鳥の書評記事(『民族学研究』59巻3号)も入手でき、それもふまえてあらためて再読してみると、やはり「創作」の線は色濃いのだろうと思う。

    これは、ショイルマンが、ツイアビという架空の人物を借りて、当時(1920年)の社会批判をした本と理解してよさそうだ。

    創作としては、「パパラギ」はずいぶんとオリエンタリズム色の濃い作品だ。最初の章がいきなり「肉体の解放」の主張から入る所などが典型的だが、当時の西洋社会を描写する以上に、その観察者としての「南国人」を、西洋人ショイルマンがどう捉えていたかを鮮明に映し出してくれる。

    また、ショイルマンの創作世界にも所々破綻が垣間見える。なぜツイアビが西洋人の夜の寝室にまで入れるのかとか、時間の概念を所有していないはずの彼が、なぜ時間を数量的に扱えてしまっているのかとか、あら探しをすれば怪しいところは意外にけっこうあると思う。

    しかし、である。そういう読み方がこの作品を面白くするかというと、あまりそうは思えないところが問題だ。

    パパラギを「文明批判」的に読むのは、全然面白くないと思ってる。あまりにショイルマンの仕掛けにそのまま乗りすぎて面白くないし、そもそもこの種の「文明批判」は結局「文明人」が自分の生活を時々振り返り、そしてまたいつもの生活に戻っていくための消費材であって、文明生活を見直すどころか結局その維持を強化する方向にしか作用しない(少なくとも、無数にある文明批判のうち、実際に社会を変革したものがいくつあるだろう?)。

    でも一方で、オリエンタリズム的にこの作品を読み解くのも、ちょっと気の利いた大学一年生がレポートで書くならまだしも、この作品を楽しく/面白く読むのにはあまり寄与しない。これもまたありふれた定型的な読み方であることは、この本を「文明批判」の書としてあがめてしまうのと大差ない態度だと思う。

    結局、僕にはこの作品を面白く読むことができず、行き詰まってしまったというのが正直な感想だ。だから評価★★は、この作品を面白く読めなかった自分への評価でもある。

    そんな気持ちで読んでいたこの作品だが、一番興味深かったのは、途中まではキリスト教の神と区別されていたはずの、ツイアビたちの神「おおいなる心」が、最終章にいたってキリスト教の神と一体化してしまうところだった。西洋文明を否定していたはずのツイアビが、最終章ではずいぶん敬虔なクリスチャンになっていて、どういうことよ?とこちらはびっくり。

    この最終章、「ツイアビの物語」としては完全に破綻していると思う。思うのだけれども、作者ショイルマンが自分の本音を隠しきれずに書いてしまった勢いが感じられて、おっと思わされた。結局のところ、ショイルマンの社会批判の根底にあるのは、敬虔なクリスチャンとしての情熱だったのかもしれない。それを軸にしてこの物語を再読すれば、「ツイアビの物語」とは異なる「ショイルマンの物語」を描けるのではないだろうか。

  • 文明批判にも取られる本だけど、ツイアビの目から見た文明と、それを説明する言葉に皮肉とユーモアがたっぷりで、楽しくも考えさせられる一冊。現代社会に疲れたら読んでみて。

  • その昔「ブッシュマン」という、大昔から変わらない生活を続けるアフリカの原住民の一人、ニカウさんの日常を笑いを交えて綴った映画があった(あれは今思えば差別的なニオイも感じるが)が、南国の一つの村を束ねる酋長・ツイアビもニカウさんと同じように文明社会とは一線を画した生活を続けていた。
    初めて目にした西洋の近代社会を目の当たりにして、彼は疑問に思った事を素直に、時に痛烈に述べている。
    それはある意味私達が忘れてはいけない事を教えてくれている様にも思え、非常に身の引き締まる思いで読み進めた記憶がある。
    現代人は読んでおいた方が良いと今だからこそ強く思う。

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