- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652004784
感想・レビュー・書評
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再び図書館で本を借りて読むなら、小学四年生だった私を読書好きにしてくれた本をもう一度読みたいと思い、探しました。大きな市立図書館には無く、小さな分館にて見つける事ができました。静かな分館は、この本に似合っているなと思いながら借りました。
学校帰りに見つけた不思議なお店〈レベル21〉。ちりん、ちりん……。ひんやりとした店の中。ポプリのいいにおい。小箱やアクセサリー、ミニチュアのお茶セット、さまざまな陶器や木彫りの人形が、ところ狭しと並んでいる。シルクハットを被った全身赤い服を纏った金色の巻毛のハンサム人形のネジを巻くとーー部屋の奥の黒いカーテンがさっとあいて、髪の長い、色の白い、きれいな女の人が現れてーー。
店を出ようとすると、何かがキラキラッと、まぶしく光った。小さな銀のスプーンだった。女の人は言う。「ちょっと、くわえてみて。」戸惑いながらもくわえると、なんともいえない安心感、幸せな気持が胸の底からわき上がってきた。「やっぱり、あなたのだったみたいね。」
「あなたはあなたよ。この世でたった一人の、かけがえのない、すばらしい存在よ。」
アンジュさんの言葉を長らく忘れていました。
ハーブティーは親に買ってもらわなければ手に入らなかった子供の頃に感じていたワクワク感とは違う角度から読めた気がしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん、「アンジュさんの不思議ショップ」とあったので、勝手に「おジャ魔女ど〇み」みたいな話を想像していたのですが、結構ガチなスピリチュアルな内容だった。
結局、主人公の受験は? 両親はどうなったんだ?(これはちょっと想像はできるけど、その後は描かれていない)と個人的には「?」が残る作品でした。
でも、文章は読みやすくて一、二時間もあればさっと読めてしまいます。 -
ちょうど主人公と同じ六年生のころに、この本を手に取った。
そのときの感覚を、いまの言葉で表すのは難しい。
内容も七割くらい理解したと言えるかどうか。
でもずっとこの本のことを覚えていた。
大人になってから、私と同じ時期にこの本を読んでいた友人が、古本屋でみつけた、と私に送ってくれた。
正直、同じ時期にこの本を読んでいたっけ、その話を私はしていたっけ、と思った。
そのときに再読し、改めてこの本のすごさが分かった。
やはり子供のころに読んだ本はよく覚えている。
そのことにもビックリした。
今年、久しぶりにまた読んだ。
お兄さんの天使のこと、お母さんがぶどうを持ってアンジュさんに会いに来たこと、アンジュさんの言い回し、どれもささいなことだけど、胸に残る。
この本の終わり方は、あらゆる本の終わり方でもベスト5に入るくらい好き。余韻で涙が出そう。
今の子供達にもこの本を知って欲しいと思う。 -
私の人生において心の一冊
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小学生のときに読んで、不思議で少し不気味な雰囲気に夢中になった。
この度ネット書店で購入して再読。
主人公の瑠璃子が銀色のスプーンをくわえるところが印象的でよく覚えている。
読んでるこちらの口の中にも甘くて酸っぱい優しい液体が広がるようだった。
再読した今もやっぱり瑠璃子と一緒に、アンジュさんとレベル21のお店の雰囲気に呑まれながら夢中になって読んだ。
作品違うけどアニメ「おじゃ魔女どれみ」主人公の小学生のどれみが未来さんっていう不思議な女の人と出会ってそのひとの工房にひとりで通う話があった。わたしはその話が大好きだったんだけどこの作品に通じるものがあるな。
(2016.6.27) -
不思議なアンティークショップ「レベル21」が舞台のお話。心がしんどい時、こんなお店にふらっと立ち寄れたらいいな。
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新たな主を待っている骨董品。空間に満ちるポプリの香り。魔女であり天使でもある店主。断片的に見る過去と未来。内なる自己との対話。淡くなる夢と現実の境界。
私の好きなものいっぱい。抽斗の奥のお気に入りを琥珀に閉じ込めたような物語。この本は図書館で最も陽の光から遠い書架に収まっている。気づいた人にだけ開いてもらえればいい、という趣はわざと目立たなく佇んでいる〈レベル21〉そのもの。
『いつでも、どこへでも行けるから、どこにも行く必要がない』
アンジュさんが示す精神世界の概念もとても好き。
銀のスプーンにちょこんと腰掛け三日月を背に夜空を飛ぶビスク・ドールと、マザー・グースの歌 "Hush-a-bye, baby, on the tree top" が描かれた表紙も素敵。
《2013.07.16》 -
おもしろそうだと思って読みはじめました。思春期の子がちょっとドキッとするようなエピソードもあり、全体的にミステリアスな雰囲気の本でした。さらりとした読み心地。
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小学生のころ、すごく好きだった本。また読むことができて、すごく嬉しい。懐かしい。今改めて読んでみると、えっ、もう終わりなの?と、物足りない気もするけれど、大事な本のひとつです。ハーブティーとクッキーが食べたくなる。挿し絵もなかなか素敵です。