- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757303058
感想・レビュー・書評
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パイロットが書いたビジネス書、という体裁。
2時間ほどで読み終わるくらいの分量ですが、構成にも工夫があって飽きず、面白く読み通せました。
前に「査察機長」を読んだ時にも、エアラインの機長という仕事そのものに、他の様々な仕事にも普遍的に通じるような優れたノウハウが詰まっているなぁと感じていて、それを(「査察機長」のような物語でなく)ビジネス書的に明確に伝えてくれるのは有益な本だなぁと。
相棒となるパイロットやキャビンクルーがフライト毎に違って、でもその度に最高のパフォーマンスを発揮して、フライト毎に異なる目的(例えば路線ひとつ取っても、羽田ー伊丹線なら定時性、沖縄線なら快適なフライト等)を達成しないといけない。しかも1フライトは数時間で終わるので結果はすぐ出て、振り返りもしやすい。本当に興味深い環境です。
職人技に思われがちな機長の世界も、安全に飛ぶためにも今は「機長は副操縦士がものを言いやすい雰囲気を作らなければなりません」という時代だそうで、一般企業の日々の仕事にも通じる部分がありそうです。
フライト・シミュレーションと題したケーススタディも飛行機好きとしては楽しかった。良著です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あなたならどうしますか、というフライトシミュレーションのページが面白い。正しいことのない中で決定していく難しさが少しわかった。
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人に薦められて読んでみたんだけれど、面白くない。最後のほうに、パイロットになったつもりでクイズに答えるってのがあるんだが、それも面白くない。パイロットのことはビジネスでも利用できるかもしれないって書いているけれど、そうかなぁ。
要するに、面白くなかったなぁ。 -
人によって言うことが全く違うから、
それに上手く従うことが大事だ。
なんて先輩に言われたけど、そーじゃないんだ。
どういう前提があって、言うことが一致していないのか、
そこを探らなければならない。
探る大切さを再認できただけでも、この本には価値がある -
【概要】
「フライトはプロジェクトである」ということで、国際線のパイロットである著者の体験をもとに書かれた本。
空や宇宙に関連した仕事は、壮大なプロジェクト(コストも時間も、人の命もかかっています)なんですね。
【活かせるポイント】
・プロのパイロット(ビジネスパーソン)は、時に相手の意に反してでも目的を達成しなくてはならない→例:天気が悪かったら引き返す
・操縦席に座ったときには仕事の9割が終わっているように(プレゼンもフライトも準備が大事。)
・同じ仕事でもテーマを決める→例:朝一便の東京〜大阪の乗客にとって大切なのは時間!だから最短ルートを進むための手配をする
・パイロットは一人で飛んでいるわけではない→例:CA、エンジニア、天気予報士、管制塔…
改めて、仕事の全体感の大切さと、感謝を忘れないことと、「プロの仕事」とは…を考えました。
私は飛行機がすきです。
(あっき) -
パイロットとは500名の命を預かっており,その判断しだいでは乗客を危険に晒してしまうこともありえる。パイロットの判断力やものの考え方の基本を分かり易くまとめてある。
それを僕らの仕事に置き換え,ビジネスリーダーとしての応用にまで触れている。自分で考えること,人材育成の重要性を再度考えさせられた。 -
ウェイポイントを通過するごとにパイロットは通過時間通過速度次のコース、燃料の量、風の方向と速度、気温などをチェック。
最初に到達すべき目標を決めたなら、目標到達のためにとるべき手段、必要な資金、人材、時間の予想を紙に書き出す、一定の時間または仕事の区切りごとにチェックポイントを定めて予定時間、経費、資材、人員の予定を作っておく。
予想できない変化に対する分の燃料としてコンティンジェンシー燃料を積む。比較的多いのが目的地までに消費する燃料の5%という決め方。
自由な空気を作るチームビルディング
なるべくYes/Noで答えられない質問をして相手に話してもらう。
自分の頭で考える
日本の教育では正解が1つ教え、その通りで問題を解く人が優秀。
世の中の問題のほとんどが正解が一つでない。絶対的な正解/不正解
というものがない。
先生がすべての対処法を教えるのではなく、原理原則と考え方を教えてあとは各自が考える。
事前対策と事後対策
-火事が起こると真っ先に飛んで行って消火活動にあたる
→よく働く消防士と評価される
-火事が起きないように落ち葉を集めて処分したりしていた
→ 暇な消防士と評価される
プロの条件
操縦席に座った時点で仕事の9割が終わっていなくてはいけない。 -
現役航空パイロットが仕事に対する心構えを具体的エピソードを交えながら書いている本。
パイロットの仕事は何をしているのかほとんど知らなかったが、フライトまでの準備や、フライト中の作業等、パイロットの仕事がか垣間見れて面白かった。
読んでて感じたのは、やっぱりパイロットは一般の著者とは雰囲気が違うということだ。
感じた印象は
・第一にストイック
・動じない姿勢
・とっつきにくい?
・真面目
といった感じだ。
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この本はなんだか幸せな気分になりました。
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飛行機の操縦はもちろんのこと、突発的なアクシデントにもすぐに対処しなければならない危機対応能力や、安全を最優先した上で、状況に応じて時間や燃料の効率を上げることが求められ、さらにクルーのトップ・責任者として、人材管理や後継の育成まで、見かけ以上に様々な能力を求められパイロットが、これらのノウハウをどうビジネスシーンに活かせるかを提案した本。
プロはどんな状況でも必ず結果を出さなければならない、というプロとアマチュアの違いや、自分に都合の悪い情報を補うために良い情報を集めて勝手に合理化を図る「タイタニック症候群」、何か後輩から指摘されたらまず「ありがとう」といって風通しの良い職場作りに努める、など、仕事を円滑に、確実に進めるための多くのヒントが紹介されている。特に第6章の「技術を伝承する」の章は、OJTをする立場にある人にとってとても参考になる章だと思う。ちなみに、パイロットの食事の話は面白かった。表紙のきれいな写真も気に入った。(2008/08/10) -
著者の坂井さんは国際線のパイロット。
基本的には、どうすれば、安全が確保できるかについて書いた本なんです。
いったん、空に出てしまうと、安全に注意するといってもできることは知れている。
それゆえに、坂井さんは、「飛ぶ以前の準備」の重要性を説く。
それは人間関係の構築であったり、リスクマインドであったりする。
坂井さんは、フライトというのはひとつのプロジェクトであり、
プロジェクトを成功させるようとしたときに、何が必要かという点を実に判りやすく
実体験を踏まえ述べている。
プロジェクト思考の本質部分で学ぶことが多いので、ぜひ、皆さんにも読んでみてほしいと感じました。
妙に頷きながら読んでる私をアテンダントの方が怪訝そうに覗き込んでいたのは
また別の話。