半夏生: 東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-25)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433921

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  • アラブ系の男が行き倒れ。
    東京湾臨海署安積班が捜査に乗り出す。
    アラブ系の男ということで、テロの疑いが濃厚な中でも原因不明の病名での行き倒れということで、バイオ・テロ疑惑が深まる。
    介抱したり、接触の疑いのある人間の割り出し、追跡。お台場という一過性の強い現場での捜査は難航する。
    あれやこれやの勘違いが緊迫したなかでもおかしい。
    極めつけは・・・
    問題の病原菌とは、警視庁のキャリア、の仕掛けた・・・
    えっ? そんなこと有り?という結末。
    現場を知らないキャリアというのは何を考えるのやら、という典型という終わり方。

    バイオ・テロ・・・恐ろしいです。炭疽菌や天然痘やワクチンが常備されていない伝染病に自ら感染して入国するというテロ。
    どれほど拡散されるのやら想像もつきません。
    しかし回りまわって、また仕掛けた国に戻るという危険性もあり、恐ろしい事態の覚悟がいるのです。

  • 東京お台場のビルの狭間で、アラブ系と思われる外国人男性が倒れているのが発見された。事件性の疑いはないと考えられたが、男性は原因不明の高熱を発し、間もなく死亡。それを機に、東京湾臨海署の安積班にただならぬ空気が流れはじめる―本庁公安部が動きだしたのだ。海外からウイルスを持ち込んだバイオテロなのか?地域・道路封鎖に奔走する安積たちの不安をよそに、事態はさらに悪化の気配を見せはじめた!大好評長篇警察小説、待望の文庫化。(「BOOK」データベースより)

    バイオテロに対して日本ってこんなに弱いんだ、とちょっと心配になりました。
    なんていうか、お役所仕事っていうか、ルールに縛られているのってダメですよね。
    柔軟に対応していたら、もっと早く収束できたんだろうなあと思います。

    安積班シリーズでいつも気になっていた、ハンチョウの村雨さんに対する感情が、少し和らいだのがうれしい。
    須田さんの登場シーンでは常に塚地さんの顔が浮かんでいます(笑)。
    病院から少しずつ情報を送ってくる頼もしい須田さん。
    みんな無事でよかった。

  • 文章は読みやすく、内容も面白かったが、オチがつまらない。
    続き物とは知らずに読んだが書き下ろしなので、問題なかった。
    再読はない。

  • TOMさんからの借り本。
    半夏生っていう題名が、刑事モノ

  • 実際にテロがおきた時、海外でおきた時、法律が整っていないのが現状。

  • 再読。お台場でバイオテロが発生した。しかし、それは日本の危機対応を試すためだった。
    もう一つの筋は、ホームレスになった男の立ち直り。
    悲しくないエンドがいい。
    半夏生とは、夏至から数えて十一日目の七月二日頃のこと。この日は、天から毒気が降ると言われる。

  • 久々に読む安積班シリーズの長編。
    淡々とした展開で半分くらい進んでしまって、どう収束させるのか心配だったが、なるほどそうなるわけか。
    派手にしようと思ったら、いくらでも派手にできそうな題材だが、やはりそこは安積班シリーズ、地味です。そして、その地味さがいい。桜井の口から村雨の意外な部分が知れて、なんだか微笑ましい気分になった。

  • バイオ・テロを題材に、ニッポンの抱える見えない問題を浮き彫りにする、そんなところでしょうか。今野敏の作品は、根底には人間を信じるという気持ちがあるように思われ、今回も一般には悪者に描かれるキャリアが、実は・・・というラストで、毎度の事ながら読後感がいいよね。

  • 安積班シリーズ好き

  • 今回は長編でした。あいかわらず安積班の信頼関係がいい感じ。かなり勇気の要ることをきっぱりと言う班長。こういう人はあこがれます。内心は結構神経質なところもあり、人間味を感じる。そこも魅力的。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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