ハレのヒ食堂の朝ごはん (ハルキ文庫 な 15-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440035

感想・レビュー・書評

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  • 最悪の始まりから、すがすがしい朝を迎えられるようになるまで。
    「ハレのヒ食堂」は、とても縁起の良い名前。

    やることなすこと上手く行かなくて、人生どん詰まり。
    どんくさい、自信がない、陰気でコミュ障な、大家深幸27歳。ついにホームレスか?

    一方、最高に美味しいごはんを作る、朝食専門の「ハレのヒ食堂」の店主、晴子は美人でスタイルも抜群だが…なんだか切羽詰まった雰囲気と影がある。
    加えて、彼女もコミュ障だった!

    人生が生きにくく、重い石を背負った様な二人。
    しかし、ただ者ではないホームレス・アラン会長や、貴重な常連さんたち…
    高校生・茜、読書リーマン、職人・川崎さんなどとかかわるうちに、物事は次第に良い方に転がって行く。

    下ばかり見ていないで、きれいな空を見なくちゃ損だよね!
    と思えて読み終わる。

  • 上半期の心がほっとする物語No.1に決定(わたしの中で)。人生転んじゃって、傷だらけで、めそめそしたっていいじゃない。どんな傷もいつかは癒え、その傷跡を誇らしく思える日がきっとくる、と思わせてくれる素敵な本です。
    カバーもかわいいけれど、目次や章の扉もすごくかわいい(そしておいしそう)。

  • 雨が降っていてもハレのヒ食堂。
    朝ご飯専門店のお話です。

    主人公は何をやっても失敗ばかりで間が悪い女性。
    会社もクビになり、ホームレスに片足突っ込んでる27歳。
    お腹が空きすぎて野良猫の朝ご飯を奪おうとしてハレのヒ食堂の従業員に助けられます。

    一方ハレのヒ食堂では「みんなを笑顔にしたい」と思いつつも頑張りすぎて思いつめちゃうオーナーが一人。
    緊張が伝わり常連客には笑顔がなく…。試行錯誤が続きます。

    失敗ばかりしていて考えかた後ろ向きな主人公と、生真面目で頑張りすぎなオーナーが、自分たちから「変わろう」と考えた時に全てが動き始めます。

    とにかく出てくる朝ご飯が全部美味しそう!!
    こんな焼き魚定食を朝から食べてみたい!!と思わせます。
    近くにこの食堂があればいいのに。

    お休みの日にちょっと頑張って朝ご飯に手間暇かけてみたくなるような一冊です。

    図書館スタッフ(学園前):ema

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    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410004767

  • 読み始め、主人公の行動に嫌悪感を抱き、途中で読み諦め、長らく積読状態となってました。久しぶりに手に取り読み進めていくとスルスル読めました。あともう少し読み進めていれば…と後悔しました。おいしく、ゆっくりと人生の再生ストーリーでした。

  • 手元に読む本がなくなって
    買い物ついでにブックオフで
    気紛れに手に取った本だった。

    この本の存在は知っていた。
    舞台に一風変わった食堂を
    設定した作品にはいくつも出会い
    そのうちのほとんどに失望したから
    新刊の時には手を出しもしなかった。

    読み進めるほどに自分の中で
    にやにやが止まらなくなっていた。

    コミュ障の2人組 晴子や深幸の変化が
    たまらなくうれしくて。
    ハレのヒ食堂が変わっていくのを
    子供の成長でも見ているような気になって。

    最後までやさしい気持ちと
    美味しい朝ごはんへの食欲とよだれが
    止まらないままで読みきりました。

    他のご飯もの小説とは違い
    シリーズ化をねらう
    商業主義的なあざとさも
    この作品からは感じませんでした。
    思い切りよく描き切った、という
    潔い物語のラストです。

    だからこそ。

    もう一度 晴子と深幸には会いたいと
    思っています。

    他の方のレビューはなかなか辛口のものが
    多いようですが
    私は気持ちが落ちがちな夕暮れに読んだのに
    とても元気になりました!

  • テンポ良く読めました。主人公の不器用さは自分にも重なるところ多し、で、泣きました。周りがみんな良い人たち。雅志君の存在感がちょっと切ないけど素敵です。いつか気持ちが届くことを願います。

  • ブクログの献本企画で当選したもの。同じ著者の「東京すみっこごはん」を読んでみたいなぁと思ってたので、当たって嬉しかった♪

    家なし職なしでホームレス寸前だった深幸が、ひょんなことから朝ごはん専門店「ハレのヒ食堂」を手伝うことになる。
    店主の晴子も深幸も人付き合いが苦手なんだけど、そんな2人がお客とコミュニケーションをとることによって変わっていく様子が、嬉しくてにやけちゃった。
    さらっと一日で読めました。

    出てくるご飯がおいしそうでおいしそうでたまらない!
    朝採れ野菜のサラダ、炭火で焼いた魚にガス炊飯器で炊いた白米なんて……朝から食べられたら幸せだろうなぁ。
    通いたいなーハレのヒ食堂。

    今の家では無理だけど、ゆくゆくはガス炊飯器を使ってみたい!

  • 気持ち良く読み終わりました
    こんな朝ごはん食べたいなあ
    登場人物がそれぞれ悩みを抱えながら前に進んでいきます
    吉祥寺の公園
    いいなあ
    おなかがすきました
    文庫なのにカットや装丁がおしゃれです

    ≪ ハレの日は 晴れとは限らず 空見上げ ≫

  • 読後感がとてもいい。

  • 日本食の朝ごはん。というだけなのに、なんて美味しいそう。ちゃんとした朝ごはんを作りたくなった

著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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