あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (ハルキ文庫 た 19-18 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2017年8月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758441100
感想・レビュー・書評
-
幸さん...あなたの強さに慄くわ。
3回よ。3回!それもタイプが違う3兄弟よ!?
凄いわ。いや、もしかしたら羨望もあり...?
まあ私は始めから、智ぼん推しでしたが。まんまと作者の思うツボですな。
物語後半になればなるほど「これは半沢直樹?」「作者池井戸さんの間違いじゃ?」と勘違いするような場面が多い!
江戸時代でも現代でも、あきないというものはきっとこういうことなんでしょうな。(ざっくり)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
六代目のご寮さんとなった幸、本格的に商い参入ですね。あっ、これ前作でも言った記憶が。
そしてなんと続きが気になる終わり方… -
納まるべきところに納まった幸と智蔵。
いよいよ、幸の胸のすくような活躍が始まる。
一巻で、四代目徳兵衛に嫁ぎながら夫に愛想をつかし、実家に戻った元ご寮さんの菊栄。その立ち居振る舞いが魅力的で、一巻だけでこの物語から姿を消してしまうのは残念に思っていたら、前巻で幸と5年ぶりの再会。この巻では、幸にとってさらに貴重な役割、重要な存在になってくる。
今後も、この二人、様々な関わり合いになっていきそうな予感。
一気に第四弾まで読んでしまったが、第五弾は未刊行。
今までの刊行間隔からすれば、次巻は来年の2月?
楽しみに待つとしても、なるべき早い刊行をお願いします、高田郁様。 -
一気に4巻まできましたー!!今まで、今村翔吾さんのワクワクハラハラ系が好きだったけれど、こちらは、聡明な女性が主人公でしっとりと賢く展開する物語。
この巻では、人が亡くなるシーンがなんともリアルだけれど描写が美しいとさえ感じてしまいました。亡くなった母を思い出して、やっぱり泣いてしまいました…
江戸時代の街並み、人々の様子、商人の生活、身分等々、中学高校の歴史の授業で参考文献として、こういった作品を扱えばいいのに…とつくづく思います. -
いよいよ本気で幸の「笑って勝ちに行く」が始まる。ピンチも理と情と才覚で乗り切っていく姿が頼もしく、勇気をもらえる。
お竹が仏像にならなくなった、というエピソードにも、緊張せず過ごせるその家の空気がとても大切なことを思わせてくれる。
五鈴屋さんの傘や風呂敷、自分も使いたい。 -
あっという間に読了。今巻も面白かった〜
人と人との心の繋がりは大切にするけれど情に流されすぎず、もちろん自分の得だけに偏ることもない幸がほんまに男前だす(言葉遣いうつるうつる)。
五代目徳兵衛が姿を消し、物書きになる夢を見て家を出ていた智蔵がついに戻ってきて六代目徳兵衛として跡をつぐことになります。
そして幸は、四代目・五代目に続いて六代目にも嫁入りすることに。
四代目阿呆ぼんは問題外として、自分よりも商いの才能がある幸を受け入れられなかった五代目と違い、人形遣いとして店主である自らを操り、幸の才覚をふんだんに発揮するよう言う六代目徳兵衛。
自分には才能がない、と潔く認めるだけでなく、女である幸を下に見るどころかその才能を認め、思い切りやれと。
器が大きい、と言えましょう。
現代に置き換えてもなかなかすごいことやのに、この時代のジェンダー観としては智蔵のような男性はかなり珍しいのではと思います。
幸にとっても、こういった考えの伴侶はかなり得難い存在だと思うので、どうかこのまま(五鈴屋の商売自体への問題はきっと絶え間なく起きるんやろけど)夫婦仲良くいてほしいなぁ。
-
想定通りというか、収まるところに収まったという気がする。これからは思うまま力を発揮するのではと思わせて落とすのが、この作家。どうなるのか、次回も楽しみです。