あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (ハルキ文庫 た 19-18 時代小説文庫)

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  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441100

感想・レビュー・書評

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  • 幸さん...あなたの強さに慄くわ。
    3回よ。3回!それもタイプが違う3兄弟よ!?
    凄いわ。いや、もしかしたら羨望もあり...?
    まあ私は始めから、智ぼん推しでしたが。まんまと作者の思うツボですな。

    物語後半になればなるほど「これは半沢直樹?」「作者池井戸さんの間違いじゃ?」と勘違いするような場面が多い!
    江戸時代でも現代でも、あきないというものはきっとこういうことなんでしょうな。(ざっくり)

  • しばらく積読状態でしたが、やっと読めました。

    しかし、まさかまさかの急展開!
    回り道をしたけれど、ようやく納まるところにといったところでしょうか。

    ただ、幸の淡い初恋が実ったのはとても嬉しいのですが、
    あまりにあっけなくて…
    もう少し智蔵と結ばれるまでのドキドキを味わいたかったなぁ。

    結果として四、五、六代目に嫁ぐことになった、聡くしっかり者の幸ですが、
    この聡明すぎるところが、最終的に惣次を追い詰めてしまった部分もあったような気もするので、
    智ぼんには、幼い頃の幸のようにもっと甘えて欲しいです。

    それにしても、惣次は今どこで何をしているのでしょうか…
    たぶん今後またかかわって来ますよね…怖い…。

    茂作の行商のための風呂敷や、留七と伝七への情け、
    菊栄との再会、心の中で拍手しました。
    特に人形浄瑠璃の観劇の仕掛けは幸の本領発揮ですね。
    後は、もう少し富久に生きていてほしかったです。
    表紙の桑の実色の着物が素敵♪

    すべては人の情けに繋がっていく大勝負に期待しています!

  • 六代目のご寮さんとなった幸、本格的に商い参入ですね。あっ、これ前作でも言った記憶が。
    そしてなんと続きが気になる終わり方…

  • 納まるべきところに納まった幸と智蔵。
    いよいよ、幸の胸のすくような活躍が始まる。
    一巻で、四代目徳兵衛に嫁ぎながら夫に愛想をつかし、実家に戻った元ご寮さんの菊栄。その立ち居振る舞いが魅力的で、一巻だけでこの物語から姿を消してしまうのは残念に思っていたら、前巻で幸と5年ぶりの再会。この巻では、幸にとってさらに貴重な役割、重要な存在になってくる。
    今後も、この二人、様々な関わり合いになっていきそうな予感。
    一気に第四弾まで読んでしまったが、第五弾は未刊行。
    今までの刊行間隔からすれば、次巻は来年の2月?
    楽しみに待つとしても、なるべき早い刊行をお願いします、高田郁様。

  • 一気に4巻まできましたー!!今まで、今村翔吾さんのワクワクハラハラ系が好きだったけれど、こちらは、聡明な女性が主人公でしっとりと賢く展開する物語。

    この巻では、人が亡くなるシーンがなんともリアルだけれど描写が美しいとさえ感じてしまいました。亡くなった母を思い出して、やっぱり泣いてしまいました…

    江戸時代の街並み、人々の様子、商人の生活、身分等々、中学高校の歴史の授業で参考文献として、こういった作品を扱えばいいのに…とつくづく思います.

  • めっちゃネタバレして書きます。
    覚悟して先へお進みください。
    ーー

    五代目徳兵衛(惣次)の突如の失踪、離縁状、からの弟 智蔵への代送り(3巻までの内容)まで読み進め、
    まさかの!
    智蔵と幸の結婚!?
    子どものころは仲がよく、智蔵が家を出るときに言った夢…『幸と夫婦になって別家を出せたら』
    あの頃とは状況が変わりすぎてる、、
    しかも三兄弟みんなに嫁ぐって…呆。
    この時代であっても、ちょっとキモい…(心の声がダダ漏れ…)
    それくらい肝の据わった人なんだな、幸は。ちょっと怖いわ。

    14歳で初婚、17歳で次男に、21、2歳で三男に嫁ぐ…
    3度目にして初めての白打掛。次男と夢見た浜羽二重、その織物でできた打掛は病床の富久が縫って仕仕立てたもの。
    やっと五鈴屋を任せられると安心できたところで、富久の死…
    富久と幸は血の繋がりはないけれど、確かな絆があった。富久が後に託したのは、誰でもない幸だった。
    もうこの幸せからの別れの流れ、、読み進めるのに難儀した…

    商才はないけど柔らかな人当たりの六代目徳兵衛(惣次)。
    幸に人形遣いになって(惣次という)人形をうまいこと使って、と言ったとおり、幸は才覚を伸ばしていく。
    揉めた江州の羽二重もなんとかまとまり、そこからまた新しいタネを拾い、大事にそだてて商いに繋げていく。
    この人形浄瑠璃まで伏線になるのが驚き!

    作中のどこからも惣次からはあふれんばかりの愛情を感じる。
    でも幸からは感謝の気持ちはあれども、愛情が伝わってこない…
    幸はご寮さんになると決めたとき、商いの武将になる!と覚悟して愛をどこかに閉じてしまったのか?

    大好きな「みをつくし料理帖」と比べて、優しさと愛情でできている澪と、商いのことばかり考え自分を抑えるような幸は芯が図太く揺らぐことがない。慈悲の心をもった武将のよう。
    私的には澪のほうが寄り添いたいと思え、作品への熱につながる。

    4作目になり、幸が二十を超え登場人物たちも成長したり年老いたり。後進に譲る道、とはいうが、お世話になったあのお方まで?!
    幸せに4巻を閉じられない〜、すぐに続きに手を伸ばす。

  • いよいよ本気で幸の「笑って勝ちに行く」が始まる。ピンチも理と情と才覚で乗り切っていく姿が頼もしく、勇気をもらえる。
    お竹が仏像にならなくなった、というエピソードにも、緊張せず過ごせるその家の空気がとても大切なことを思わせてくれる。
    五鈴屋さんの傘や風呂敷、自分も使いたい。

  • どんな時も知恵を絞り、笑って勝ちに行く!

    シリーズ第四弾。
    五代目からバトンを渡された智ぼん。
    思った通りの展開。もう一波乱あるかと思っていたけれど割りと呆気なかったような…。

    身を挺して五鈴屋の暖簾を守り抜く!と決心した幸は、ただ守るだけではなく商いをどんどん広げていく。
    ここからが幸の腕の見せ処。
    知恵を絞って誰も思い付かない斬新なアイデアを次々に出していく。
    穏やかな智ぼんのお陰で商いが面白くなってきた幸。
    お家さんとの約束を胸に幸が打つ次なる一手は?
    半年後がまたまた楽しみになってきた。

  • あっという間に読了。今巻も面白かった〜
    人と人との心の繋がりは大切にするけれど情に流されすぎず、もちろん自分の得だけに偏ることもない幸がほんまに男前だす(言葉遣いうつるうつる)。

    五代目徳兵衛が姿を消し、物書きになる夢を見て家を出ていた智蔵がついに戻ってきて六代目徳兵衛として跡をつぐことになります。
    そして幸は、四代目・五代目に続いて六代目にも嫁入りすることに。

    四代目阿呆ぼんは問題外として、自分よりも商いの才能がある幸を受け入れられなかった五代目と違い、人形遣いとして店主である自らを操り、幸の才覚をふんだんに発揮するよう言う六代目徳兵衛。

    自分には才能がない、と潔く認めるだけでなく、女である幸を下に見るどころかその才能を認め、思い切りやれと。

    器が大きい、と言えましょう。

    現代に置き換えてもなかなかすごいことやのに、この時代のジェンダー観としては智蔵のような男性はかなり珍しいのではと思います。

    幸にとっても、こういった考えの伴侶はかなり得難い存在だと思うので、どうかこのまま(五鈴屋の商売自体への問題はきっと絶え間なく起きるんやろけど)夫婦仲良くいてほしいなぁ。

  • 想定通りというか、収まるところに収まったという気がする。これからは思うまま力を発揮するのではと思わせて落とすのが、この作家。どうなるのか、次回も楽しみです。

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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