白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい

  • 共同通信社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764105782

感想・レビュー・書評

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  • あの「白川先生」に、この1冊で漢字が学び尽くせるとも思えないけれど、漢字の成り立ちや世界がイラスト入りで紹介される。ちょっと余白が多すぎ?とも思うのは、こちらが欲深いからだろう。すべて憶えることは叶わないから、ときどき開いてみる。「あとがき」がいい。

  • 漢字とはこんなに面白いものなのかと実感。
    旧漢字の方が意味として判りやすかったりしている。
    別に推奨するわけじゃないけど、本来の意味が判らないで今の漢字にしているのが悲しい。
    白川先生じゃないけど、本来の意味を通すためにもキチンと直した方が良いと思う。
    それと。
    国語の授業で こんな解説なら忘れない といえるものが沢山ある。
    つーか、忘れようがないだろうって程恐い漢字がある。

  • 最近、テレビ番組などで漢字の成り立ちが取り沙汰されることが多くなりました。その多くは生涯現役を貫いた漢文学の泰斗・白川静先生の研究によるものです。この本では白川先生の研究の成果である漢字の成り立ちを平易な文章で丁寧にわかりやすく解説しています。

  • 感じの成り立ちを、絵を交えながら、わかりやすく解説しているので、とても面白かったです。

  • 身近な存在でありながら、実はその成り立ちを余りに知らなさすぎる漢字。その成り立ちを、わかりやすく解説してくれています。漢字の魅力を再認識できる本です。
    (参照;http://blog.so-net.ne.jp/shachinoie/2007-07-01

  • (2007.03.08読了)(2007.02.28購入)
    NHK BS2の週刊ブックレビューで紹介され、興味を持って読んでみました。
    ある種のトンデモ本と同じような面白さを含んでいる本でした。
    紹介されている漢字のすべてが呪術的な意味を含んでいます。漢字の一文字一文字が漢字を作った人たちの考え方が込められていることが分かります。
    漢字の一つ一つを甲骨文字までさかのぼって研究した成果ということで、中国人以上に漢字のことに詳しい人のようです。
    一文字一文字の説明に、現在の漢字、古い形の漢字、漢字の元になった分かりやすいイラストが添えてありますので、実に分かりやすい構成になっています。

    ●行(22頁)
    「行」は十字路の形をそのまま字形にしたもので、大きな道路が交差している四つ角をあらわし、人の行く所であるから「いく、ゆく」の意味になりました。
    ●死は永遠(31頁)
    尸(しかばね)という字は、死体が横たわる形を示しています。これが「屍」の元の字です。
    この横たわる死体を後ろから木で支えている形が「久」です。死んで「永久の人」になることから「久しい」の意味が生まれた。
    「柩」とは、その「永久の人」を木の箱に納めた形です。
    「眞」は行き倒れで亡くなった人を示す文字なのですが、それが「真理」という意味に転化していきます。
    ●神と稲妻(44頁)
    「申」の古代文字は、稲妻が屈折しながら走る姿なのです。古代でもっとも不思議で恐れられた自然現象は雷でした。稲妻は縮んだり、伸びたりして斜めに屈折しながら走るため、屈折の意味や伸びるの意味もあります。
    「申」の字が多義化して、「かみ」以外の意味にも使われるようになったので、神への祭卓をあらわす「示」がついて「?」が作られたのです。
    ●除く(59頁)
    「除」の左部分は神様が昇降する階段(又は梯子)の形です。神様が、その神梯から降りてくるのですが、神様を迎える土地に長い針を指して邪気を除去したのです。そのことを示すのが「除」なのです。
    ●伏す(103頁)
    「伏」は、「人」と「犬」を合わせた形です。
    殷・周の時代の古い王墓には、墓を守るために、武人とともに地下の悪霊を払う目的で犬が埋められました。これが「伏」の元の意味です。
    ●然(105頁)
    「然」という文字は「月」と「犬」と「火」でできています。「月」は「肉」のことで、犬の肉を火で焼いている字形です。つまり犬の肉を焼いて、その匂いを神に届ける行為を表した文字で、肉が燃えるので「もえる」に意味になりました。

    著者 小山 鉄郎
    1949年 群馬県生まれ
    一橋大学卒業
    1973年 共同通信社入社 社会部
    1984年 文化部

    白川 静
    1910年4月9日 福井県生まれ
    1943年 立命館大学法文学部卒業
    漢字学研究の第一人者
    1981年 立命館大学名誉教授
    文字文化研究所所長
    2004年 文化勲章受賞
    2006年10月30日 死去、享年96歳
    (2007年3月13日・記)

    内容紹介(amazon)
    私たち日本人の生活になくてはならない漢字。毎日使っていながら、どうしてその形・意味になったのかは、なかなか知られていません。複雑で難しそうに見える世界には、一体何が隠されているのでしょうか? この本は、漢字学の第一人者白川静さんの文字学体系を基に、古代文字やイラストを使い、成り立ちをわかりやすく紹介します。学校とは全く違う楽しい漢字の授業の始まりです。

  • 非常にわかりやすい。白川漢字学、というか白川漢字道入門の一冊として、協力にプッシュします。この本を読むと、街の何ということもない看板の文字にも、命が吹き込まれてくるような気がするのが不思議。「道」などという時には、呪術性すら感じてしまう。なぜそう思うのかは……読んでからのお楽しみ。
    それにしても残念なのは、漢字の簡略化に伴い、元の字の意味が全くわからない文字が多すぎること。簡単ならばなんでもいいのか。ここにもわかりやすさの弊害が一つ。残念なり。
    2007.04.19-24

  • 白川静先生の本が難しいという方にも読めるので漢字学の入門に良いでしょう。
    易しい説明ながら非常に面白く興味をそそられることでしょう。

  • ブックオフで見つけた。立ち読みではじめにを読むと、「日本語は漢字と出会って初めて、さまざまな考えを概念化することができるようになったのです。」と書いてある。
    これは、凄いことである。
    漢字学の第一人者の白川静さんが、体系から教えてくれるのならば、読まなきゃなるまい。

  • ことば

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著者プロフィール

著者略歴

小山鉄郎(こやま・てつろう)
1949年、群馬県生まれ。一橋大学経済学部卒。共同通信社編集委員・論説委員。村上春樹作品の解読や白川静博士の漢字学の紹介で、日本記者クラブ賞受賞。著書に『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』(共同通信社・新潮文庫)、『白川静入門 真・狂・遊』(平凡社新書)、『村上春樹を読みつくす』(講談社現代新書)、『村上春樹を読む午後』(文藝春秋、共著)、『村上春樹の動物誌』(早稲田新書)、『大変を生きる―日本の災害と文学』『文学はおいしい。』(作品社)『あのとき、文学があった―「文学者追跡」完全版』『白川静さんに学ぶ これが日本語』(論創社)など。
2009年から白川静博士の業績を学ぶ同人会「白川静会」の事務局長を務めている。

「2021年 『白川静さんに学ぶ 漢字がわかる コロナ時代の二字熟語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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