戦争に強くなる本: 入門・太平洋戦争 どの本を読み、どんな知識を身につけるべきか
- 経済界 (2001年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766782288
感想・レビュー・書評
-
本書では小林よしのりをクソミソに貶している。それでは当の本人は反省しているのかというと…このブログ記事を見る限り、どうもそのようには見えない。彼がそもそも安倍政権がしゃかりきになって制定した「安保法制」に反対したのは「英米と一緒になって侵略戦争に加担するのがイヤ」なのであって、戦争そのものを否定しているわけではなさそうだ。北朝鮮が核武装に固執しているのは、あえてここではいわないでおく。だがその視点が小林だけでなく、安倍政権や「安全保障専門家」から窺えないのはどうしてか?安倍晋三は北朝鮮問題について聞かれる度に、なんとかの一つ覚えのように「対話と圧力」と答える。しかし端から見ると、この政権は北朝鮮と一戦交えたいという狙いがミエミエで、考えるだに怖ろしくなる。ミサイルを発射し、狙い通りに北朝鮮の政権が崩壊したとしよう。だがその結果何が起こるのか?その視点がまるでないのが一番怖いのだ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良書。戦争を学ぶ上でどんな本を読んだ方がいいかの羅針盤となりうる一冊。この本で紹介されている本を読んでないのでなんとも言えないけど、この本だけでも大枠は学べる。
最後の小林よしのりへの糾弾は興味深いね。 -
この本を読めば戦争に強くなる、連合軍にも負けない、という本ではない。
戦争への理解を深めるために著者が薦める本の紹介と、太平洋戦争など日本の戦争に関する考察が書かれている。
最初に読んだときはさほどおかしなところはなく、読むべきでないものとして本多勝一氏と小林よしのり氏を挙げているあたり中立性もあり、悪くない本だと思った。
しかし今、ざっとこの本を見直すと、慰安婦問題に関して吉見義明氏の『従軍慰安婦』が薦められているのに気づく。「慰安婦狩り」が捏造くさいのは当時から分かっていたのだから、これにはダウトを感じるべきだった。直後に秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』が挙げられていたり中学校の教科書に慰安婦問題を載せるべきでないとまっとうなことが書いてあったりもするのだが。
そして、これを書いた「戦争に強い」はずの著者が後に『反戦軍事学』という本を出す。これがいかに酷評されているかは各所で確認願いたい。本一冊では著者の的確な評価というのは難しいものだと感じた。 -
意外すぎる良著。この作者は何者なんだろう。
第1次世界大戦から第2次世界大戦に至る経緯を平易かつ興味深く説明しつつ、読むべき本を原典で紹介する。
もともとの解説だけでも十分にいい。視野が広く、記述が公平だ。
さらに書評。光人社NF文庫にどんな本があり、どれがいいかとか、分からないのだ。見当がつかないし。「大空のサムライ」はたしかに面白かった。この世界では有名で当たり前すぎるのだろうけど、一歩外に出たら、大昔のベストセラーに過ぎないのである。
しかし、編集がつけたのだろうけど、このタイトルはいただけない。
2001年だから小林よしのりの戦争論が話題になった頃にその便乗本として作られて、書いてみたらすごいのが出てきたけど、その凄さが埋もれてしまったってあたりだろうか。 -
いろんな情報から客観的に日本人が一番こだわっている戦争がどんなものだったのかを検証しています。戦略戦争、防衛などとキャッチフレーズでこの戦争を推測するのではなくこういった本できちんと情報をいれて自分なりにこの戦争がなんだったのかを考えることが大切だと思います。