- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787274519
作品紹介・あらすじ
いまやグローバル・メディアとして成長したアニメーション。世界の多くの人々にとって、アニメは単なる娯楽にとどまらず、アニメをめぐる、あるいはアニメに触発された学術的知見が着実に蓄積されている。
国内外の研究者が参加した国際会議では、「声」を中心にしたアニメの音響的側面と、アニメ表象の成立に欠かせない絵コンテや原画などの「アニメ中間素材」の物質的側面を主軸に、これまでのアニメ研究では扱っていない領域について野心的な発表と討論を重ねた。
アメリカ、スペイン、台湾、シンガポール、フィリピン、韓国、日本――。各国・各地域のアニメをめぐる状況に、従来の日本のアニメ研究が見過ごしてきた3つの問題意識から迫る。
①国を超えて変容する声と映像=国や地域を超えて横断し変容する声と映像の実態を記述し、考察するアプローチ
②多様な身体に作用する声と映像=大人から子どもまで、多様な受容者の身体に作用する声と映像の実態を記述し、考察するアプローチ
③異なる素材が示すアニメの現場と仕事の形態=アニメ中間素材を物質として保存するだけでなく、時空間を横断する存在としての活用を目指すアプローチ
新しいアプローチの実践を目指す刺激的で国際的なアニメ研究の成果。
【目次】
第1部 国を超えて変容する声と映像
イントロ 石田美紀(新潟大学)
第1章 蔡錦佳(台湾・東華印刷局クリエイティブ・ディレクター、批評家)
「台湾における日本アニメソングと音声の現地化」
第2章 ジョアンナ・ルイザ・ブエナフロール・オビスポ(立命館大学大学院)
「フィリピンにおける日本アニメの現地化とその受容」(平野泉訳)
第3章 クラウディア・ボニッロ・フェルナンデス (京都大学・スペイン・サラゴサ大学大学院)
「目に見えない存在の意義――スペインにおける日本アニメの吹き替え」(風間彩香訳)
第4章 ザッカリー・サミュエル・ゴッツマン(カリフォルニア・アーバイン大学大学院)
「アメリカ・クランチロール社と韓国の開発国家的アニメーション」(宮本裕子訳)
第2部 多様な身体に作用する声と映像
イントロ 石田美紀(新潟大学)
第1章 楊思帆(新潟大学大学院)
「「トムとジェリー」の声とセリフ」
第2章 顔暁暉(シンガポール・ラサール芸術大学)
「『鬼滅の刃』の音」(平野泉訳)
第3章 萩原由加里(帝京大学)
「音声から再考するロトスコープとライブアクション・レファレンス」
第4章 程斯(東京大学大学院)
「「耳で感じる」快楽――「カセットJUNE」における身体性と官能」
第5章 エドモン・エルネスト・ディ・アルバン(アメリカ・テューリン大学)
「『風と木の詩』とエロティックな静止――アニメとクイアな身体」(風間彩香訳)
第6章 ジェーソン・コーディ・ダグラス (早稲田大学・イェール大学大学院)
「持永只仁の家族アーカイブから読み解く協力者としての子ども観客」(宮本裕子訳)
第3部 異なる素材が示すアニメの現場と仕事の形態
イントロ キム・ジュニアン(新潟大学)
第1章 渡部英雄(桜美林大学)
「日本のアニメ業界の制作体制と中間素材」
第2章 山川道子(プロダクションI.G)
「アニメ・アーカイブにおける音響素材の位置」
第3章 鈴木潤(開志専門職大学)
「新潟大学でのアニメ・アーカイブの研究活動」
第4章 板倉史明(神戸大学)
「アニメ中間素材から見えてくる“ブレ”表現の独自性」
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:778.7A/I72g//K
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